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────────ぞくっ。
……何?何なの。この嫌な感じは。
まさか、こんな時に怪人?
でもこの感じは多分、グッスリンではない。勿論、シャッキリンでも。
男に襲われるか怪人に襲われるか。
い、嫌!どっちも嫌だ!
「んーーーー!!んーーーーーー!!」
「クソ!暴れんなよゴミが!!」
……っ!!思いっきり殴られた。
痛い……もうやだ。誰か助けて……。
「……どっちがゴミだよ」
「はあ?何だお前────」
……何が、起こったの?
私の知る声が聞こえたと思ったら、私を襲おうとしていた男が急に倒れて……。血塗れで……。
ち、血塗れ!?本当に何が起こったの!?
まさか、まさか!ここ最近一般人を襲ってる怪人が現れたの!?
ど、どうしよう!とにかく逃げないと……!!
「……キアラ」
「えっ……?」
自分の名を呼ばれ、顔を上げる。
そこには何と、神谷くんがいた。
「……キアラ、大丈夫、だった……?」
「か、神谷くん……何でこんなとこに……」
「……キアラの後ろ、ぴったりくっついてきた」
じ、冗談でしょ!?
だとしたら全く気がつかなかった私は一体何なの!?