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「た、大変じゃないですか!それ!」
「そう!大変なんだよ!でも運が良いことに私は零番である君を見つけることが出来た!」
「いやさっきゼロかぁって凹んでましたよね!?」
「それは忘れるんだ!!とにかくモブさん!君には大切な使命がある!」
ぞくっ。
い、嫌な予感。
こういう時の予感って、当たるんだよね……。
「零番は他のヒーローを引き寄せる力がある!モブさん、君の力でヒーロー5人を全て集めてきてくれ!」
「だから茂部ですけどおおおお!?というか無理ですから!!特徴も分からないのに!!」
「ヒーローには君と同じ番号の痣があるからそれで判断すればいいから!頼む!世界の危機なんだ!」
そんなこと言われても!!
でも私が行動しなきゃ、世界が終わるんだよな……。
それに、それに……
ひょっとして私がずっと憧れていた、主人公になれるのでは─────
「や、やります!!」
「そうか!やってくれるか!!やってくれるって言ってくれないと話が進まないからな!!」
「メタいです!!」
ここで断ったら私はずっとモブのまま。
それなら行動して、憧れてた主人公になりたい。
今こそモブキャラの名を捨てたい……!!
「……そういえば私、あなたの名前知らないんですけど」
「そうだね……会長と呼んでくれ。慣れてる呼び名なんだ。君はモブさんでいいかい?」
「茂部ですっ!!」
こうして、私のヒーロー探し生活が幕を開けるのであった。
第一話 終われ。