5-7
次の日。
私は遅刻することも無く、普通に学校へと登校した。
ここで遅刻とかすると、モブっぽくなくなるのかな。
「おっはよーございまーす!!おっしゃギリギリ!!」
「アウトだ、皇」
……こんな風に。
「えー!?何でだよ先生!チャイム鳴ってねーじゃん!!」
「残念ながら既に鳴った後なんだよ。一応遅刻の理由を聞いといてやる」
「先輩の落とした眼鏡を探してました!!」
ええっ!?
いやいや皇くん!嘘をつくならもう少しマシなのにしなよ!!
「お前なあ……嘘をつくならもう少しマシな嘘を……」
ほら、先生にも言われてるじゃん!!
「……う、嘘じゃありません!」
先生の声を遮るように、声が響いた。
なんかこの声何処かで聞いたような……っていうか、嘘じゃないの!?
「ん?お前は何組の生徒だ?」
「ぼ、僕、2年A組の黛緑太郎です!」
「そうか。というか黛、びしょ濡れじゃないか?どうしたんだ?」
「じ、自転車通学中に誤って川に転落して、その、眼鏡を川に落としてしまって、その時、皇くんが助けてくれたんです……!」
自転車ごと川に!?まさかのドジっ子属性!
よく見たら皇くんも濡れてる!眼鏡探してたのはほんとだったんだ!
「皇、疑って悪かった。とにかくお前らは着替えて来い」
「はーい!あ、モブちゃんも借りてっていい!?」
えぇっ!?何で私まで!?
というか先生の返事待たずに無理矢理引きずってるし!!
「ちょ、私必要無くない!?」
「良いから良いから!」
何が!?ちっとも良くないんですけど!!
私の反論など聞こうともせず、私は皇くんに連行されていくのであった。