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「あ、あの!これ!どういうことなんですか!?」
「そうだね。説明しようか」
男はこほんと咳払いをすると、何処からか現れたホワイトボードを叩いた。
「この世界には!!ヒーローが必要なのさ!!」
「は?」
「この世界にはヒーローが必要って言ったんだよ」
「聞こえてます。意味が分からないから聞き返したんです」
「じゃあ分かりやすく言うけど、一年後この世界は滅びるよ」
……えっ?
「ほ、滅びる!?滅びるって何!?」
「魔王軍に侵略されて滅びるってことだよ」
「ま、魔王!?魔王なんている訳ないでしょ!?」
「いるんだよなあ、それが。私は二年前から魔王軍に対抗する為に研究を続けていてね。その対抗する為のヒーローの力を、ついこの間完成させたんだよ」
魔王!?ヒーロー!?
ま、まさか私がここに呼び出されたのって、ヒーローになって戦えって言うんじゃ……!?
「む、無理ですよ!?私戦うなんて!」
「ああ、君は零番だったから戦う必要は無さそうだ」
よ、よく分からないけど戦わなくていいなら良かった!!
「じゃあその、ヒーローは、どちらに……?」
私の問いかけに、男はにっこりと笑って言った。
「いやー、正直決めてたんだけどね。うちの部員もその為に育ててたんだけどさ。さっき地震あっただろう?それでなんか研究してようやく開発したヒーローの力が暴発して……」
「暴発して……?」
なんだろう。
なぜだかものすごく嫌な予感がする。
「そう、ヒーローの力が暴発してさ、多分全く関係の無い人に宿っちゃったっぽいんだよね!!で、誰に宿ったかは私にも分からないんだよね!!だからとりあえず倒れてた君がそうなんじゃないかって連れて来たのさ!!」
な、な……
なんだってえええええ!?!?