5-1
「ほら、モブ子!早く早く〜!」
「茂部ですけど!!ねえ、これってほんとにデートなの!?」
おはようございます。茂部姫愛です。
前回黄泉くんに責任を取ってと言われ、その責任を取るために何故かデートに来ております。
「誰にも邪魔されたくない!二人きりが良いの!」なんてこんな顔で言われたら、女子なら誰でもコロッと落ちるんじゃないだろうか。
まあ私は恋愛に興味は無いから落ちなかったけど。そりゃまあ、顔が良い尊いくらいは思うけどね。何なら手を合わせて拝みたいし。
それよりも私みたいな平凡顔がこんなイケメンとデート出来るとかもう奇跡以外の何者でも無い。
待ち合わせ場所も、予定も、全部全部黄泉くんが組んでくれて、黄泉くんスパダリじゃん!とか思ったりして。
これはもう夢なんじゃないかとすら思ったけど。
……まあ、その。場所が問題でして。
「ふふっ♪ちゃんとデートだよ?モブ子は僕とデートするの、嫌?」
「い、嫌じゃないけど……でもさあ……」
私は周りを見渡す。
うん。多分……いや、絶対!ここはデートに来るような場所じゃない!
「……不満?」
えっ。また心読まれたの?
「顔に思いっきり出てるんですけど」
そ、そんなに分かりやすかった!?
っていうか、やっぱり心読んでるじゃん!!
「な、ならこの際言うけど……絶対ここでデートするのはおかしい」
「はあ!?何でさ!モブ子も好きでしょ!?」
「嫌いじゃないよ。でも……」
「モデルのサイン会でデートなんて、おかしいでしょ!!」




