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78幻のあの子

その後…………どれ位の時間が経過しただろうか?


私は目を瞑り動かないでおく。


周りで何が起きているのかの情報は入ってこないし耳もあんまり聞こえない。


……意識はあるけど無い様な、目を開くと世界が廻っている。


ぐらんぐらん。

もう少しだけ目を瞑っていよう。



――――――――時が経過し目を開けた。

目眩はもう無くなっていた。多分結構な時間、目をつむって仮眠していた様な感じの私。


目に映る光景に唖然とした。


ええと、何々……うーん。やり過ぎたかしら……………………。


スケルトンちゃんが恐らく四、五十体はいるだろうか。

ん? 私の下に何故かスケルトンちゃんらしき骨……はて?


そして私たちを円で囲んでいる。

背を向けて。中にも数体のスケルトンちゃん。


んんと……あ、あそこでエレ先輩を介抱している? スケルトンちゃん。


下にも家具? ベッド? 椅子? みたく縮こまってその上にエレ先輩は寝ているみたい。


一面真っ白な光景だった……。


フランシスカさんとバスタルフさんは何か話している。

そこへ私は合流した。


「おぉ、目が覚めたか……朋」

「良かった。後はエレだな……」


「エレ先輩は無事ですか?」

「あぁ、恐らく気を失っているだけだろう……少しだけ制服が切れたりはしていたがな」


「…………このスケルトンは朋……お前のだよな?」

「――――はい。私が召喚した多重スケルトンちゃんです」


「…………召喚ってこんなに出来るのだな」

「……そうですね」


再びフランシスカさんとバスタルフさんは何か話し出した。

私は気になっていたエレ先輩の元へと行き様子を伺った。


……んー。少し長く当たっちゃったかなぁ?


私もこの技を習得中に結構長い時間当たっちゃって、多分一時間ほど気絶していた事があった。


全裸で……。


殺傷能力は比較的抑えて発動することが出来るんだけど、数分食らうと当分動けなくなるんだよね。


この技は念のためスケルトンちゃんを呼び出しておかないと気絶したとき収拾が付かない事までは学んだんだけど、あんまり人には撃ちたくない技だね。


…………でも今回はメリットとデメリットを天秤に掛けて選んだ。


あの竜巻が合流し大きくなってたら間違いなく乙女な私たちは、気絶一時間コースのすっぽんぽんエントリーだっただろう。


……いやいや何にも出場しないから。


エレ先輩の制服を破らずに済んだ事にホッとした私。


あんな可愛い制服を無残にしてしまうのも私としては気に掛かる所だった。


制服は切れているのは一カ所。

後はちょっぴり傷が付いているけど無事みたい。


……私より多い時間あたっていたのに私の街娘一式よりもダメージが少ないね。


うーん。何でだろう? 偶々かな?


「う、うーん……白い、白いよぅ」


…………エレ先輩は何かにうなされているのかしら……何かでもそろそろ起きそうだね。

そのままエレ先輩のうなされているお顔を見ていたら目が開いた。


「あ……エレ先輩、大丈夫ですか?」



「此処は……………………思い出した!」

「お、大丈夫そうですね。思い出しましたか?」


「…………うん。私……宝箱に食べられた?」

「あーーそうですね、半分ほど食べられてました」


「はぁぁぁー。でも、助かった?」


エレ先輩は自分の身体をなんとなく調べている。大丈夫そうな事が解りホッとした表情になった。


「……あの宝箱は!」

「…………ええと――――あ、あそこに転がってますよ」


エレ先輩はふらつきながら立ち上がり宝箱へと向かった。

どうしたんだろう? と思って私も後ろからエレ先輩に付いていく事にした。


てくてくと宝箱まで歩く。


エレ先輩は地面によこたわる宝箱をみて震えている。


ん? 私もその宝箱を見ると――――白い? 中身? 宝箱…………。


「エレ先輩……これって――――」


「……ピュアミミック」

「…………っええええ? この子が幻の?」


「うん。多分…………あ、二人を呼ぼう」


エレ先輩はフランシスカさんとバスタルフさんへ振り向いて声を掛けた。


私は興味本位からじっくりと色々な角度からその宝箱を見る……これが、あの姉さんでさえ探せなかった…………幻級の生物?


へー。うわわっ。凄い凄い。この子がピュアミミックなんだー。

うわー。良いなー。凄いなー。へぇー。


調子に乗って見ていると突然宝箱はガシャンガシャンと体勢を整えるかの様に中身がベロンと動き姿勢を正した。


「え…………」


私とお見合いする白い宝箱のピュアみみっくちゃん…………どちらも動けない。


そこへエレ先輩と二人も到着した。

人数が増えたことに怯えたのか身体をフルフルと揺らしているピュアミミック。


っと突然宝箱が開き――――白い中身が一言「がぉー」


「「「「……………………」」」」


大きな声に絶句する私たちを尻目に跳ねる様に逃げるピュアミミック。

その動きは鋭敏でスケルトンちゃんの壁も簡単に飛び越えて行ってしまった。


追いかける様に逃げた方向へと走る私たち。

スケルトンちゃんをかいくぐり先を見るが何処にもいない。


「ひぃちゃん、お願い……」


ぱたぱたと羽ばたく鴉のひぃちゃん。ボス部屋の高い天井目掛けて高々と飛んでいく。


そして周囲を高い地点から部屋の隅まで見てもらった。

数分後、私の元へと戻って来るひぃちゃん、首を振っている。


「逃げちゃったね……」


「…………そうか、ピュアミミックだったのか――――まぁ、今回みたくイレギュラーが続くとそういう事も起こるのだろうな……」


「……そうだな。あれが噂のピュアミミックだったのか。まぁ、多分捕まえることも無理だろうが……」


そんな感想を話すバスタルフさんに聞いてみると何でもピュアミミックは追い詰められると豹変するらしく、ピュアミミック専用の捕まえる道具が無いとまず捕まえられないみたい。


豹変具合に寄っては物理攻撃が効かないとかの無効の耐性を使ってくるとか、混乱させるスキルを使い同士討ちさせるとか一筋縄ではいかないとか。


噂という名の言い伝えでは一度でも出会うことが出来れば縁が出来て再び会うことが出来る確率が上がるって話があるみたい。


他にも生態が面白いらしく中身や外の装飾が進化していくとか、ピュアミミックの夢は唯一無二の宝箱になる事とか逸話が多いみたい。


面白いね。あの姉さんすら探すのが少し理解出来たよ。


私的に何が凄いってアレだよね。

アレ! なんと「がぉー」って言う生物がいるなんて! もう可愛いしかない。


素敵っ!


っあー。残念だなぁー。

もっと見ていたかったなぁー。

良いなーエレ先輩。私も囓られたかったなぁ!


私の中では満足度が高かったが、パーティとしては何も宝物は得られなかった。

そんな微妙な結果になった今回。


しかし経験という凄く得がたいものを得た要で誰もそこまで気にしなかった。


「今回はこれで終了だな……帰るか」


フランシスカさんの一言に皆が頷きボス部屋を出るとガーゴイルくんの首があった筈の所に首が無く宝箱が置いてあった。


「「「「………………」」」」


誰かがため息を付く様に鼻で笑った。

流石にピュアミミックでは無いみたいでバスタルフさんはしゃがみ込むといとも簡単に宝箱を開けた。


中身は私には解らない鉱石みたいのとかお金だった。


そして短剣が一本入っていた。

中々良さそうな物で私かエレ先輩にということになったが、私は辞退しエレ先輩に短剣を譲った。



今回私はジュリエッタダンジョン地下三階を踏破し次のダンジョン、ジュリアへの資格を得て希望のイヤリングを貰いピュアミミックに出会えた。


今日は良い事、おおかったなぁ。うんうん。


って地上への戻り道で突然『俺にまかせろ』と声が聞こえた気がした。

…………あれ、この声……ラオーアくん師匠の声に似ていたような…………気のせいかしら。

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