73確率は必然か、未知のナンバー九
その後もマッドスライムとか火を扱うネズミ、ボムスターなどが現れたがフランシスカさんとバスタルフさんが簡単に倒していた。
時間にすると三十分程が経過した所で次の階の階段が見える所まで辿り着いた。
二階層へ皆で降り立つ。
この階層は前衛バスタルフさんとエレ先輩。後衛フランシスカさんと私のコンビで戦っていく。
適度な所で前衛と後衛を入れ替えると話し合っている。
進むバスタルフさんとエレ先輩。
そこへ現れたのはオークだった。今回結構初めて見るモンスターが多いね。
え? 何で名前が分かるかって?
ふふん。
夕顔ちゃんとグラ子さんに教わったからね。
甲斐があったなぁ。……でも凄いなぁグラ子さん。
書いてくれた絵とホントにそっくりだよ。…………多分、グラ子さんは結構多才な気がする。
エレ先輩のアイスの魔法で足止めされたオーク。
そんな隙は逃さずに難なくオークを倒すバスタルフさん。
直ぐに先へ進むと思っていたら戻るようにこちらに来る。
ん? どしたんだろ? バスタルフさんはフランシスカさんと何かを話しだした。
「――――――――二人とも、少し休憩ね。ちょっとバスタルフと話があるから…………」
どうしたんだろ? うーん……。
「エレ先輩。何かあったのかな?」
「…………そうだね、オークが出てきてからバスタルフさんの雰囲気が変わったから、多分何かあるんだろう……」
「なるほど……。これから多くのお――――」
「オークは現れないでしょ?」
「そっかぁ、残念。見たかったなぁ」
エレ先輩と少しお話をしていたらフランシスカさんから「ちょっと」と二人とも呼ばれた。
「何かあったんですか?」
「うん。――――これから何かあるのよ」
これから何かある…………。フランシスカさんはそう言った。ん?
「オークが関係しているのですか?」
エレ先輩もフランシスカさんに気になった所を聞いている。
そうだね、オークも多分関係しているよね。この流れは。
「そうだな。オークの問題と言うよりも、ダンジョンボアが出なかったのが問題なんだ」
フランシスカさんはそう話した。どゆこと? ええと、確か……あぁ、このジュリエッタダンジョンに始めに出てきたモンスターだったよね。
ダンジョンボアは。もしかしたら、多くの問題が…………。
「つまりな、このジュリエッタダンジョンとジュリアダンジョンの二つは各階層で同じモンスターが現れる仕組みになっているんだ……基本は」
「…………基本は?」
「そうだ。そういう仕組みなんだ。しかし、その仕組みの枠を外れることが稀にあってな。その時は
地下三階に中ボスが現れるんだ」
へー。そんな仕組みなんだ。此処は。
ってことは中ボス見られるんだ。おぉー。
見たい見たい。戦いたい。
「中ボスは強いのですか? フランシスカさん」
「…………解らない。完全にランダムで出会うまで解らない仕様なんだ。まず地下三階の一番奥の扉をくぐると小部屋があるんだ。そこに入り三分経過すると入ってきた入り口が閉まりボスの広間が開かれる。そして十までの番号が判明する」
「…………番号?」
「そう。番号が振り分けられていて、その番号により出てくるボスが変わる仕組みになっているらしい。
うろ覚えだが確かジュリエッタダンジョンの数字は十迄で、未だに現れていない数字が九だけだったはずだ、是非引いてみたいものだ」
面白そうだなぁ。やっぱダンジョンは良いね。あ、多分、私たちがいるから、進むか撤退するかで話していたのかしら。
「まぁ、此処まで話せば察しが付くだろうが、二人に決めて欲しいんだ。進むか、退くか………………」
「――――正直、リーダーとしては退かなければいけない現状なのも理解しているが、地下三階の中ボスはかなりレアなんだ。確立で言うとダンジョンに百回、潜って一回…………無い――ぐらいの低確立でな。得られる報酬も良い事が多い」
なるほどねぇ。私は戦いたいから、んー。エレ先輩次第かしら。
「どうですか? エレ先輩。私はどちらでも良いです。出来れば戦いたい位ですが……」
「――――そうか。それなら願っても無い。私も戦ってみたい」
エレ先輩はキリリとした表情でそう話し、私たちパーティの中ボス戦の戦いが決まった。
「じゃあ作戦会議としようか。まず、私の知っている中ボスの情報を開示しよう」
フランシスカさんから聞いた話によると、まず中ボスには番号があり、恐らく一から十までで未だに出ていない番号はナンバー九。
中ボスの構成は一番からワイト、サイクロプス、ガーゴイル、キマイラ、マンティコア、ミノタウロス、グリフォン、コカトリスそして十番のバジリスク。
コカトリスはナンバー八らしい。
今まで出ていない番号ナンバー九は結構強いモンスターが出るのでは無いかと噂はされているらしい。
中ボス戦、出口は一分後に閉まるのだが、逃げる事も出来るらしい。
その場合、ペナルティーとして一年間同ダンジョンに挑戦出来なくなるという。
まぁ、大怪我とか死ぬよりは大分マシな仕様みたい。
これが、大ボスとなると話も変わり、逃げられないらしい。
過半数以上が戦闘不能以上の状態と判断されるまで。
閉まった扉の外からは中へ入れるという話だけど人数制限もあるので完全攻略と考えると時間と用意に時間が掛かるって感じらしい。
大ボスさん。会いたいね。どんなのが出てくるのかな? 何時か挑戦しよう。
しかし、今回の目的は変更され、中ボス退治。
狙いは未知のモンスター。ナンバー九。うん。出てきて欲しいね。どうせならね。
フランシスカさん曰くこの中で戦いにくいのはナンバー三のガーゴイル。
今のパーティーメンバーだとガーゴイルの特殊能力、石化に対応が出来ない。
抵抗に失敗したら永遠に石になり彫刻と化す。
最悪、破壊されれば死。
抵抗力や運何かの作用により突然石化状態が解除されることも時折あるらしいけど確かに、戦いにくい敵筆頭だろう。
状態異常を治す魔法が最適だが、最悪、毒状態を緩和させる解毒の魔法なども効くとか。
今回のパーティーメンバー。
誰もその魔法を使えない。もし、ガーゴイルだったら皆で逃げましょうと話していた。
一年間のペナルティーを負うけどもね。
次にナンバー十のバジリスク。こちらも石化、毒など特殊攻撃を持っているので戦いにくいとか。
ガーゴイルみたく空を飛んでないぶん、少しはマシだってさ。
という事で外れは、三番と十番。大当たりは九番で何が出てくるかは解らない。報酬が期待できるのは、マンティコアや、ミノタウロス
辺りは強いだけあって報酬も良いらしい。
エレ先輩は学園のクラスメイトに自慢できるわって話していた。良いね、強者だ。
陣形に関しては、Cランクの両名が前に、私とエレ先輩が後衛から補助で魔法を放つという感じで行こうと決まった。
Cランクの両名は、魔法に関して、各自、好きに放って良いと言ってくれた。
んんー。私たちの力量を見なくても解るのだろうか?
まぁ、Cランクという強者だ。経験値が身体を突き動かすのかも知れないね。
そうは言われても、ヘマをしない様に気を付けなくちゃね。
また、召喚術に関してはどんなものが召喚出来るのか聞かれてから伝えると今回は遠慮してくれと断られた。
んー。聞けたら今度理由を聞いてみようかしら。多分、理由があるのだろう。
作戦会議は終わり、出発。三階層へ向けて。
陣形もフランシスカさんとバスタルフさんの両名が前衛に。
私たちは魔力を少しでも温存しておく様に言われた。
まぁ、わーい着いたー。へとへとですー。むーりー。じゃ話にならないしね。
お言葉に甘えてって思ったけど私、まだ今日何もしてないけど、良いのかしら?
気分はピクニックだよ。
突き進む私たちパーティ。前衛にCランク両名を配置した陣形。攻撃力が半端ない。
しかも、両名の連携が凄い。
もう何処まで打ち合わせしていたの? ってぐらいに流れるような動きが続く。
柔のフランシスカさんと剛のバスタルフさんって感じ。もう右手と左手的な連動。
両者が止まった時に敵も倒されていて動く者がいない状態。
剣を上手く使える様になるとこんな感じなんだ。私は未来の私の動きをシミュレートした。
ホント、戦い方が広がるね。剣が使えると。
二階層の終わり、突き当たりまで辿り着く。大体、二十体ちょっとの敵が此処、二階層では現れたね。
種類は結構バラバラで、アレなんだろう? って感じの敵もいた。まだまだ勉強が足りない私。
でも殲滅のスピードが速いから、良く分からない内に倒されている事も多々あったね。
あっという間にもう三階層。
時間にするとどれ位だろう? って感じに早かった。
そして私のピクニック気分はまだ続いている。
このままだと私、何もしないで今日が終わっちゃうかも。
いやいや、きっと見せ場は来るよ?
多分私は決戦兵器、隠し味。いや違うなぁ、秘密じゃ駄目だし……うーんうーん。
悩みながら少ない語彙力で考えている私。
そろそろお花畑が見えるかもしんない。
エレ先輩は前衛の二人の動きを真似てとぉーとか、たぁーとか私に解らないように真似ているんだと思ふ。
そう、後衛さん二人は暇なのだ。
でもでももうすぐだよ、中ボスさん。貴方に会いに来たよ。ふっふっふー。
何が出るかなぁー。ドキドキだよ。楽しみだね。




