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70ジュリエッタダンジョンに挑むパーティ

次の日、私は早速ダンジョンへと向かう事にした。よーっし、着替えて行くとしますか。


部屋の椅子に畳んでおいた街娘一式を手に取り、素早く着替えて顔を洗い歯を磨き長めになってきた髪を整え準備完了。


歩きながら、魔女の住処を出てからは寝るときも決して外さない首からぶら下げているお守りと、四角いのの二つを確かめた。


「よし、何時もの私。行ってきます」


鏡に写る自分に丸を描き自分に微笑む。

ふと左腕を見ると腕には何時もの様に私を絶望した目で見ているうさたんがいた。

絶望のミサンガのうさたんと目を合わせ私も一瞬同じ顔になる。


一瞬にして笑みが台無しだった。


まぁ、そんな一日の始まりも偶には良いよ。

一応着替えも一着。街娘一式をフルセットで持っていく。あんなことが有ったらヤダからね。



ジュリエッタダンジョンは闘技場から行くらしい。

最近はほんと闘技場に良く通っているなぁ。


でも昨日の人は凄かったね……青葉さん。

この世界の何処かにあんな人がいるのかぁ。凄いね。今思えば多分、目と目を合わせただけで、色々な事を知られてしまう様な何かも持っているだろうし…………いやいや、やっぱ神様なんじゃ?


神様のイメージって、「ほっほっほ、ワシじゃよ、ワシ」

とか言いそうな老人のイメージなんだけどなぁ。私の中ではね。


でも少しづつ、姉さんに近づいている。

大丈夫。このまま行こう。焦るな、私。ほっほっほー。



何時もの受付のお姉さん、ロベルタさんにジュリエッタダンジョンの事を聞いてみた。


すると基本的にはパーティを組んでむかうのが一般的で普通に待合室や酒場、まぁ、何処でも良いけどパーティを組んでから登録をしてそのパーティで向かっても良いけども、ダンジョンに行きたい人を集めてマッチングさせる仕組みなんかもあるらしい。


なるほど、確かに一から集めていくのは大変だよね。

特に私は初めてになるから、階数制限も強いられているみたい。

という事で、ロベルタさんに聞いてジュリエッタダンジョンへ向かうパーティ募集。


エントリーシートに登録をした。


どんな人達とパーティ組むのかな、ワクワクするね。

良いね、楽しみだよ。


あー、でも夕顔ちゃんと行きたかったなぁ。今度、制限が無くなったら一緒に行くんだ。


周囲を見回してみるとダンジョンの待合室は思った以上に人がいた。

あの五回戦う方は人気が無いのかな。まぁ、自分の知り合いが出てくるとか強敵とかだし。


あ、そっか、私の感覚が違ったんだ。

…………危ない危ない。



ジュリエッタダンジョンは七階層が最下層でアリアに次ぐ難易度のダンジョンと呼ばれていてジュリエッタとジュリアは姉妹ダンジョンとも呼ばれているって。


しかし此処からがダンジョンの始まりと人々は言っているみたい。

当然に怪我も大怪我もするし、最悪死ぬこともある。


パーティが全滅なんて事もよく稀にあるらしい。

本当に最悪なのがトラップの罠で最下層や別の空間、ダンジョンとかにも飛ばされるもの等も存在するらしい。


部屋に閉じ込められてモンスターがウジャウジャじゃじゃーん。

なーんていうのもありきたりな罠とは言え、瞬時に侮れない程の難易度になる可能性すらあるみたい。


余りの状態に自我を保てなくなり、錯乱するとかは仲間がいても最悪で、一人のミスがパーティーメンバーを窮地にーって事もあるあるだから気を付けないとねって姉さんの教えにあったかな。


それでも、ダンジョンはロマンが一杯詰まったおもちゃ箱だってさ。

ミミックもいるらしいし。



何でもこの世の中の何処かにはピュアミミックって幻のモンスターがいるみたい。

姉さんが昔、必死になって探したけど見つけられなかったって話していたね。


どんな生物なんだろう…………あ、がぉーとか言うかもね。


幻級なんて凄いんだから。


ジュリエッタダンジョンを七階層踏破すればジュリアにも行けるって話だし、頑張って行かないとね。



登録をしてから一時間ぐらいが経過した。私は周囲の人達の様子を眺めている。


うーん。


アリアダンジョンの入り口付近でもそうだったけど、此処もやっぱこれからダンジョン行きますよって感じの格好の人が多く見られた。


職業とか使えるスキルとかは皆バラバラだろうけど、私みたく街娘一式の人は一人も見かけなかった。


やっぱ私浮いてるのだろうか……。


姉さんは自分の身を自分で守れるまではって言ってたからなぁ……。

そう。未だに相手の攻撃に対しては明確に逃れる術を私は選択肢に持っていない。


単純に逃げるの一手だ。


あ、勿論攻撃を躱すとかスケルトンちゃんをガードで出すとかはありかもしれないけど状況にも寄るよね。


特に先手を取られた場合、恐らく私は負ける。

場所にも寄るけど例えばひぃちゃんを出しておけば防げる。


とかはあるだろうね。


もう少し育てておけば私が安心出来るレベルになるかも知れない。


しかし、家の中とか、此処みたいな建物の中だとそうはいかない。

ひぃちゃんを出しておけたとしても流石に飛ばす訳にはいかないし。


となると結構、限定的なんだよね。

私自身が気がつけるのが一番良いのだろうけど。


……確か姉さんは魔法をある程度使える様になったら剣術も取り入れ、次に高位魔術展開って言っていたかなぁ。


ある程度の魔法…………上級四種はある程度だろうか……。

うーんわかんない。どうだったかなぁ。


えーと確か…………下級→魔術→高等魔術とかだったよね。

んー多分、上級四種は高等魔術辺りかなぁ。


でも「使える」と「使い熟す」では意味が全然違うよね。

きっとあのゴブリンの大群に放っていた魔法は「つかいこなす」って言葉にはしっくりと来るね。


あれは更に先にある熟練度かも知れないけど。

次の特級四種とかは置いておいて他のサブ的な魔法を覚えていこうかしら。


ラオーアくん師匠がその辺の魔法も使っていたよね。

結構、色々と見せてくれたからなぁ……。


うん、全てが力になりそうだ。


周囲を見ながら色々と考えを整理させていたら突然、登録証が光り出した。


その後で震え出す。


「これが合図かな…………」


受付の女性に登録証を見せるとこちらの像に登録書をかざして下さいと言われた。

私は言われるが儘に変な像に登録証をかざす。


「はい――――では『U-五番』になります。そこにジュリエッタダンジョンへ向かうパーティが集まりますので詳しくはその場所にいるリーダーフランシスカさんに話を聞いて下さい。それでは、こちらをどうぞ」


手渡された紙には『U-五番』と書かれている。


「はい、『U-五番』は此処を真っ直ぐ行くと突き当たりまで進むので、そこから右手に見える場所辺りです」


「……ありがとう」


「行ってらっしゃいませ」


なるほど、そこへ集まって向かうんだね。

さぁて、どんな人達だろう。


知らない人はまだ少し怖いけど昔ほど怖くなくなった。

何事も前もって恐れる必要はあるんだけれど無いんだ。


進め進め。ごーごー。

あぁ、そういえばカナメは何処にいるんだろう。


うーん。私が探さないと駄目かしらね。

もうかれこれ半年近い気がする。


あの時は此処が何処か解らなかったからなぁ。

トコトコと考え事をしながら歩く私「もごっ……」


何かにぶつかった。

あぁ、考え事しすぎたみたい。


「ごめんなさい……」

「…………」


結構大きな剣士さんだった。

危ない危ない。前はちゃんと見て行かないとね。


気を取り直して進もうとする私は後ろから肩を掴まれた。


「…………忘れ物だ」

「……あ、りがとうございます。ごめんなさい」


大きな剣士さん、よく見ると凄く怖いね。今にも何かを食べられそうな私。

それでその剣士さんが手渡しした物に私は驚愕した。指で両耳を持たれているアレは相変わらず私の方を見るや酷い顔になっている。


そして私が手を出すが逃げるように私の左腕に絡まりつく絶望したうさたん。


拾ってくれた剣士さんにペコリとお辞儀をしたが、その剣士さんがうさたんの顔を見てビックリしていた。


もう一度お礼をして逃げるように進む私。掴まれた肩が少しだけ痛んだ。



うーん。何故うさたんが落ちたんだろうって私がぶつかったからか……。


「ゴメンね」


左腕にしがみ付く様に必死に手を伸ばしているうさたんにそう謝ると、瞬間照れていそうな顔をしそうになって、お? って思ったがやはり絶望した顔になった。



…………なんだろう?


絶望を顔で表現出来るのってある意味凄いよね。

疲れないのかしら……お顔のおにくと言うか繊維とか?


「あら……」


よく見るとうさたんのお耳が少しだけ片方曲がっている。

あっ、って思い戻そうと反射的に指を伸ばすがササッと逃げられた。


「もう……」


私とうさたんのコミュニケーションは上手く行かない。

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