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7初めての登録証とヒントを貰った私

「まぁ良いわ。何事も無かったんだし、朋。ゆっくりしていってね、私は行くわ」


「エッタさん。ご迷惑おかけしました」


エッタさんは何も無かったから気にしないでと言ってくれた。何ならメルヴィッセが悪いと。


「もう少し此処で休んで行きます? 朋ちゃん」


「あ、えっと、ああ。登録ってどうなったんでしたっけ? シーラさん」


「登録の方は終わっているよ」


はい。登録書とシーラさんは私にギルド登録書を渡してくれて使い方に関して、残りの説明を教えてくれた。

裏コードに関しては話が出なかったけど、話の一つとして気になる話をしていた。なんでも無くなったら登録した場所。


私なら冒険者ギルドの此処に戻ってくるらしい。自動的に。


自動的に…………?

今度姉さんに聞いてみよう。


「…………これで何とか今日の目的を果たせました!」


「エスタリッセさんからなんとなくお話を聞いたけど今日は大変でしたね」


「うん。でも多くの人とお話が出来たしお友達も出来たし今日はとっても良い日だよ」


「そっかー。……私とも友達になってくれないかな? 朋ちゃん」


「あっ。…………ありがとう。とても嬉しい。お願いします。シーラさん」


「私も同じ年頃の友達そんなにいないから、嬉しい」


シーラさんとその後もおしゃべりしていたら、そろそろ夕方を知らせる鐘が鳴った。


「あ、鐘が鳴ってる。そろそろ帰らなきゃ」


「もう今日も良い時間だね。朋ちゃん」


「うん。今日はありがとう、シーラさん。また来るねー」


「何かのついでにギルドによってね」


此処はギルドの二階らしく基本的には高レベルの冒険者とギルド職員以外は入れないスペースらしい。

壁の一角には何か高いランクを示すかの様に一階の依頼書とは違う様式の物が幾つか張り出されているみたい。


ちょっと気になって一部を見たけどどれもAランク以上で依頼内容も、とても難しそうな物に見える。



「俺の娘が馬になった。悪い魔法使いに呪いを掛けられた様だ。助けてくれ Sランク」

「私の恋人が親友に…………。見返して取り返したい。俺を手伝ってくれ Aランク」

「凄い剣求む。国宝級や伝説級など、金ならはずむ Aランク」

「娘が突然消えてしまった。誘拐かもしれない。調べて、助けてくれ Aランク」

「何かのタイミングで爆発する岩がある。これが何なのか調べてくれ Aランク」

「私はもう若くない。若い妻を娶ったのだが喜ばせたい。良い案を出してくれ Aランク」

「俺はまだ若いのに禿げた。何故だ。薬を見つけてくれ。頼む Sランク」

「幻のアレを捕まえたい。手伝ってくれ Sランク」



まだまだ色々あるけど、何か凄い。どれをみても難しそう。

うん。世界は広いなぁ。


階段からギルドの一階へ降りて外に出る。もう夕方になっていて少しだけ肌寒かった。

また街には当分来ないかもしれないから、何かやり残した事はないかなぁってちょっと思ったけど

今日はもう十分かなぁ。私は帰るために門へ行くと朝、受け付けてくれた門番の人に出会った。


「おお。今朝の嬢ちゃんか、用事は済んだかい」


「はいー。なんとかなりました。えと、これ登録証です」


「うん。無事登録できたみたいだね。はい良いよ」


「ありがとうございます」


「後、一時間もしたら夜扱いだから出入り時が少し複雑になるから一応覚えておいてな」


「なるほど、わかりました」


門番さんはこの季節、直ぐに暗くなるから気をつけて帰れよ。また来いよと私に話してくれた。


門を出て少し歩いていると直ぐに周囲が暗くなり始めた。

私は足早に目的地へと歩く。来るときもだけど、誰もいない所って怖い。というより暗さが怖いのか。


……でもそんなに距離は無く閉じられた空間に到着した。手を翳すと私を誘うかのように空間は開く。


行きと同じように空間内を歩く。私的にはここの方が下手な外よりは安心する。この一年それぐらいこの場所を使ってきたからかな。


空間内を歩いていると赤色と青色の玉みたいな物が見えた。基本、空間内は殆ど白か黒、灰色しかみえないから私は少しだけあれっ? と、思った。その色の付いた玉も他の物体と同じように私の横を通り過ぎる。


でも何も起きない。まぁ、少しの違和感を感じたけれども特別気になる事でも無かった。

体感時間で数分後、目的の魔女の住処。今の私の家に辿り着いた。


「はー」


直ぐ側には何時も大きな六本木さんがある。この木を見ると私は大丈夫、今日も守られていると自然に思いつい感謝してしまう。


それぐらい頼りがいがある。


結界を通り抜けた先にはやっと帰ってこられたよ我がお家。

扉を開けつつただいまーと何気なしに言葉が出ると。

そんな大きな声では無かったのに聞こえた様で「おかえり~」と、姉さんの声が遠くから聞こえた。



「おかえっりー朋ちゃん。大丈夫だったかなーって、一回発動してるねサクリファイス」


「あ、うん。未来予測で逃げてくれたから良かった」


「そっか、そっか、うん。防げたなら、何よりだね。どんな事が有ったのかな? 後で話してね」


あ、その前にまずはお風呂行ってきな入れておいたよと言う事でそのままざっぽーんとお風呂に入る。


「ふー。ごくらくごくらくー」


今日もお風呂は気持ちいなー。


「はぁー今日は楽しかった……あ、あははは」


自分の中から自然に出た言葉に私は笑った。なんだろう。こんなに楽しかったの、久々な気がする。

自分で考えて出来た事もあったし、ダイラックの街も何か凄かったなー。


うん。怖いことも有ったけど、友達も出来たし私にも夢で会えた。楽しかったぁーあ? あれれれれ?

えっと、えっと、ぼん、煩悩さんって誰だっけ?


「お、やっと出てきた。随分と長湯だったわね、朋ちゃん」


「あ、うん。ちょっと色々と考え事もしちゃって」


「ほほー。今日は色々な事が有った様だね」


「そうなの! 今日はとても楽しかった、の。ダイラックの街は凄く大きくて一日じゃ全部は回れなかったよ。姉さん」


「うん。どんな事が有ったの?」


「うんとね、あ、その前に姉さん。私、あの答え解ったかもしれない」


「あの答え?」


「うん、前に姉さんとダイラックに行った時に話してくれた問題の事」


「あぁー。街並みの事ね」


「そう。『この街はどうしてこんなに等間隔に家々が並んでいるのでしょう?』だったかな?」


「街の案内板を見てて思ったんだけど、答えは。『そうしたかった』というか、恐らくだけど、きっちりと整備したかったってだけだと思うんだけど、並べた方が何かと便利とか、要するに実験的な街作りをしたかったって言うのが私の答えなんだけど、どうかなぁ?」


「あぁ、いや、あれは単に通常街っていうのは中心部から始まってどんどんと広がって行くのが今までの普通だったんだけど、あのダイラックは自由都市エスタリアスの王家が世界に肩を並べられる程の街を作りたいという所から始まって初めに広さを決めたんだ。そこから、色々な事に割り振って行ったんだけど、その人の性格なのか、きっちりとしていて、かなり角々しい街並みになったらしいよ。…………後、もう一つ秘密があるらしいんだけど、私も知らないのよね、実は。昔、師匠に質問されたんだけど、答えられなかったのよねー」


「そうなんだー」


「うん。だから、朋ちゃん。答えが解ったら教えてね。…………貰ったヒントは『色一回づつ』だよ」



それから私は姉さんにダイラックで有った出来事を夕ご飯を食べながら話していった。

路地裏で誰かを助けようとしたら巻き込まれてしまった事を話すと姉さんはふむふむと聞きながら何か数字をメモしている。


領主のオスカーさんにお礼された事を話すと姉さんはニヤニヤしていた。


リーアという猫の商人さんととっても良い友達になれたことを話すと姉さんは微笑ましい顔をしていた。


ギルドでも登録をするときにシーラさんという受付見習いさんに助けられた事を話すと何かを思い出した様な仕草をしている。


エッタさんに巻き込まれた話をした後にギルドの登録をしたら気を失ったみたいで周囲が慌てていた話をしたら姉さんは何故か大笑いしていた。


「そっかー。うんうん。今日も朋ちゃんは沢山の事を学べたね」


「今日はとっても楽しかったよ。またダイラックの街に行きたい」


「そうだねー。定期的に行くと良いよ。色々頼むこともあると思うし」


あ、そういえばと気絶したときに夢の中で、煩悩さん? って人に出会った話をしたら姉さんは真剣な顔をして、誰だろうね?

と話していた。…………うーん。誰かなぁ?


食事を済ませ姉さんと食器の片付けをしているときに世界が揺らいだ。


「なんか…………あれ?」


目が廻る。なんか、世界がグニャグニャ。


気持ちが悪い、吐き気が…………。

自分の身体を支えきれず座り込んでしまう。



それから数分後、姉さんに抱きしめられながら私の意識は遠のいた。


「…………お疲れ様、朋ちゃん。もうすぐね。そろそろ呼ばないといけないわね……」



『これが魔力制御か。恐らく数日で全身に廻り魔法を使える身体になるな。そっか、こういう仕組みなんだ』


『成長していくともちゃんに私もニッコリだな。ぐへへぐへへ。もうすぐお赤飯だね。ぐへへへへ』


『大人になっていくということをともちゃんにじっくりと解らせてあげたい。あのエロ姉ちゃん手伝ってくれんかなー』


『でも人数がいないとさみしい事でな。落ちがないねんよー。お陰で捗りまくりだけどな』


『人数少ないとボケもツッコミも成立しないねんな。すったもんだの困ったもんだ』

ご拝読頂きありがとうございました!

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