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68この先生き残る事が絶望と言うならば

ジュリアダンジョンに挑む私は受付の人、ロベルタさんにパーティの募集についてなどジュリアダンジョンに関する事を一通り聞いてみた。


何でもエントリーシートという物があって、固定でパーティを組む場合以外の募集の場合は何人、どの職業の募集かと、何処のダンジョンか等の記入項目がありパーティを組む為のサポートをしてくれるらしい。


勿論、エントリーシートを使わずに普通に一から一人ずつ募集する人もいるし、一人だけ募集するパーティもある。


初級のダンジョンは色々な理由から行く人も多く、それぞれ目的が違う事もあるみたい。


闘技場の一階にはダンジョンの募集スペースも設けてあり、その場所にいる人は何らかの形でそのダンジョンのパーティを募集している状態です。と周囲に認識させる事が目的とのこと。


誰かと組みたい人が集まる共有スペースと言った所で、ジュリアダンジョンとジュリエッタダンジョンは更に難しいダンジョンに行くために腕を磨く場所としては最適な為、行く人も多く、連日、共有スペースには人が多く集まっている。


闘技場でプリンスちゃんと戦ったときは此処って余り人いないのかしらと、思っていたが、見ていたのは広い闘技場の一部分だったんだと認識させられた。


とりあえず私の眼に反応がある人がいないみたいなので、物は試しにエントリーシートを使った募集をしてみる事にした。


エントリーシートを記入して受付に提出。受付の人に「初めてなのですが」と付け加えると、「書類はこれで大丈夫。そこにある像に登録証を当ててね」と言われた。


見ると変な形をした像があり、像に指を指しコレですか? と聞くと頷いている。


受付の人に言われた通り登録証を触れさせると、『登録完了シマシタ』と無機質な声で像が喋った……。


「エントリーシートによるエントリーが完了したら登録証が光ったり震えたりするのでこの受付に来て下さい。マッチした人達と組むサポートをしますので。キャンセルする場合も同様ですが余りキャンセルが多かったり等の問題があるとペナルティーを受けますので気を付けて下さい」


ロベルタさんはそう教えてくれた。微妙に解らない所を聞くとロベルタさんは更に丁寧に教えてくれた。


私が解らなかったのは、何時まで待てば良いのかと数日とか掛かる物なのか? という事で、話によると、朝の九時から午後の十六時迄が受け付けされているとの事。

それまでに何も無ければマッチングしなかったという事になり、また明日以降に登録をし直すという形。


あくまでも当日限りというサポートシステムなんだって。


共有スペースには色々な職業そうな人達が集まっているけど、私ぐらい年齢が若い子は見かけなかった。


近くても三歳から五歳は年上みたい。


アリアダンジョンの入り口にいたパーティーにはもう少し若い人達がいた気がしたけど…………。


やっぱりダンジョンって学校を出てから来た方が良かったのかな……と考えて思い出した。

アリアダンジョンの時見かけた若そうな人達のパーティは学校の制服を着ていた気がする……。


うー。どうして朋ちゃんと一緒のダンジョンじゃ無かったんだろう。


運が悪いなぁ、私。


でももう登録しちゃったし。

どうなるかなぁ。


…………もしかしたらパーティが組めなくて明日って事もあり得るよね。


――――それはそれで仕方が無いね。うん。なんて進もうと決めたのに後ろ向きな考えの私。


朋ちゃんから学んだ事の中に積極性というものもあった。

彼女がいたから頑張れたのかも。少し背伸びも出来ていた気がする。


一人だと、やっぱ駄目だなぁ。ダメダメでよわよわな私。でも、でも進むんだ。決めたんだから!


「っ…………」


手にしていた登録証が震えて光っている。

これは、マッチングがされた合図だ。な、何かの間違いじゃ無いよね……。


登録証を少し眺めたり突いたりしてみた。……いやいや、もう行こう。



受付には数人の人が並んでいた。私も最後尾に並び暫く待つと私の順番になった。

登録証を受付の人に見せると「はい。では、こちらに登録証をかざして下さい」とカウンターに置いてある変な形の像へ言われるがままに登録証をかざした。


「はい、では集合場所は『R―四番』となります。そちらにジュリアダンジョンへ向かうパーティーが集まりますので、詳しくはその場所にいるリーダー。シラクさんに聞いて下さい。ではこちらの紙をお持ち下さい」


受付の人に『R―四番』と書いた紙を貰った…………あーるのよん。


受付に背を向けてキョロキョロと首を振ると背中越しに受付の人が教えてくれた。


「『R―四番』は左手側の斜め前の方向に向かうと着きますよ、上に天井からぶら下がっている板に『R―四番』と書いてありますので」


私は受付のお姉さんにお礼を言ってからその方向へ進んだ。

『R―四番』と書いてある板の前まで来た。


板は結構高い所にぶら下がっていたけどちゃんと読めた。

あ、此処だと思い口が半開きのまま目線を下げると目の前にいた人とぶつかった。


「あ、ごめんなさい……」

「……いや、大丈夫」


目の前には三人の人達がいた。此処が『R―四番』。という事はこの人達が同じパーティなのかしら。

ぶつかったついでに聞いてみよう。


「すみません『R―四番』パーティの集まりは此処で良いですか?」

「…………そうだけど。…………若いね、いや、すまない。私はシラク。今回『R―四番』のパーティのリーダーだよ、君はジュリアダンジョン組で良かったかな?」


「はい。よろしくお願いします。夕顔と言います」

「ええと……」

「私はイコで隣のはケイジ。今回でジュリアダンジョンは私たちは三回目なんだ。よろしくね」

「よろしくな夕顔さん」

「はい。今回ジュリアダンジョン初めてですけどよろしくお願いします」

「あと一人か……」


私を含めて四人。今回の五人パーティは残すはあと一人。

集まっている人達を何となく見ていたらイコさんが話しかけてきた。


「初めてなんだ、ジュリア」

「……はい」

「いやー、でも若いねー。幾つかな?」

「十四歳です」

「うわ……というと来年学校かな?」

「――――はい」


それからイコさんに質問攻めにあい色々と話していたら最後の一人と思われる人が来た。


「…………っと、此処で良いかな? 『R―四番』は?」

「あぁ、此処で良いよ。私はシラク。今回のリーダーだよ、よろしく」

「おう、よろしくな、オレはジローって言うよ。よろしく、そちらの方達も……」


私もジローさんに挨拶をした。

これで今回のパーティーメンバーは揃ったみたい。

やっぱ皆んな私よりも五歳? いや、もっと年上かも。


みんな凄そうだなぁー。

どれ位強いんだろう。


「じゃあ揃ったみたいだし、ジュリアダンジョンに挑戦する前にミーティングを始めようか!」



シラクさんの言葉から簡易パーティのミーティングが始まった。


「…………今回のジュリアダンジョンでの目的は三階層の踏破迄とする、皆、違う目的があるとは思うが協力してやっていこう!」


リーダーのシラクさんから先ずは自己紹介。ランクはCランク。結構強そうな戦士。

細身だけど雰囲気は歴戦の戦士と思わせるね。


パーティのリーダーはDランクからだからCランクは多分中々だね。今回は冒険者ギルドから依頼されたみたい。


「みんなよろしくねー。私たちは二人ともEランクに最近なったばかりなんですよー。あ、私は一応、最低限の回復とかも使えます。あ、この男は脳筋にもなれないへなちょこ戦士です。二人ともかけ出しだけどよろしくー」


次に知り合い同士の二人。イコさんとケイジさん。二人は駆け出しの冒険者って話していた。


イコさんはクレリック寄りの魔法師、ケイジさんは戦士。

今回何かの用事でジュリアダンジョンに来ているみたい。用事はおいおい話すからと何となく言葉を濁していた。何か理由があるみたい。



「へぇー。中々強そうだね、若いのに結構頑張ってきたんだな。オレはそこそこには強いけどそこそこにしか強くない。まぁ、よろしくね。夕顔ちゃん」


最後に最後に来たジローさん。

何かつかみ所の無い人、というのが第一印象。でも時折、私をジッと見ているんだよね。うーん。


思い出せないけど何処かで見たことがあるような雰囲気が……。何処だろう。

気のせいかな、わかんないや。でも何か眼が反応してる様な……おかしいなぁ。


「今回、私はジュリアダンジョン初という事で、色々と足を引っ張ってしまうかも知れないので……気を付けます。皆さんよろしくお願いします。あ、えと、私は魔法使いで回復魔法も少々使えますが実戦経験は少ないので何かあったら言ってください」


それから二時間程ミーティングという名の自己紹介も含めた物とかお喋りを終わらせて、明日の朝からジュリアダンジョンへ行く事に決まった。


ジュリアダンジョンは最長で七階層。

今回は初めての人がいるから三階層までが一応の決まり。

……私が初めてなんだけどね。


何となく悪いというか、気まずい感じ。


でも初めてはみんな同じ。こういうものだよとリーダーのシラクさんは言ってくれた。


そんな感じの緩めな始まりの中。

あんな事が起こるなんて誰も予想していなかったと思う。そう、今回の五人パーティ。


――――――――生き残ったのは……今回、無事に生還したのは二人だけだった。

※ジローは認識阻害を使っています。54話参照

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