54運が悪い男のその後(2)
ドキッとした。
まさかこんな所で憬れのあの子に出会えるなんて。
これもう運命通り越しているのだろうか。
でもやっぱり少しだけ幼い。
多分、うーん……十四歳ぐらいか?
俺の知っている一六歳の穂美香ちゃんよりも若い。
やっぱりあの夢は…………本当にあった出来事なんだろうか?
しかも何だよあの辺の天国的空間はよ。
穂美香ちゃんの隣の子も受付のコも凄ぇな。
時間が許す限りずっと見ていたいぞあの子達。
一挙一動に眼が離せない。
うーん、癒やされるな。
……って、あ。モロに見ていたのがバレたみたいだ。
受付の子と目が合った。
なんとなくこっちを探ろうとしている目線だったな。
一旦……仕切り直すか。
顔は覚えたし、あれだけ可愛ければ直ぐに情報は集まるだろう。
思いっきり目立っているし。
取りあえずあの穂美香ちゃんに似た女の子と接点を作らないとなぁ。
先ずは情報収集からだな、よし。
俺の数日間の探偵的調べによると、夕顔ちゃんは朋ちゃんと仲の良いお友達。
しかし穂美香ちゃんが何故、朋って名前になっているのかってのが良く解らない。
というか、もしかしたら俺の知っている穂美香ちゃんでは無いのかもしれない。
……でもそんな偶然あり得るのか?
名前が入れ違っているっていう前提を定義しないと良く解らなくなるよな。
でもそう考えると俺の知っている朋の姿をした穂美香ちゃんが必要になる。
おかしいな、やっぱ入れ違いって線は無いのか?
うーん、考えても解らないか……まぁどちらにせよ俺の好みの子の情報を集めた。
…………それで良いか。
ま、とりあえず此処までの情報収集は上出来だろ。
いやぁ…………でも夕顔ちゃんも可愛いなぁー。
かわいい子とは仲良くしたいぜ。
男の子としてはね。
受付のグラ子さんも良いね。小動物みたいな可愛さがある。
ノリも良さそうだったし。
…………しっかし、この前二人が下着姿で震えていた時はマジで危なかった。
ほんと、良く押し留まったぜ。
ああいうのは罠だろ。
間違いない。
眼福でラッキー程度で抑えないと折角の異世界生活が終わりかねないからな。
恐らくこのキャラ相当運が無いぞ。
ステータス的に。
まあ俺が中に入った事で多少は変わった可能性はあるけどな。
この先も選択肢間違い一発アウト的な状況になる気がする。
怖ぇーぜ、残機は無いだろうなぁ。
バグで残機二百五十五とかにならんかなー。
しかし。
――――この世界は良いな。
夢がある。
魔法もあるし、こう何だ、努力次第で何とかなりそうな感が特に良いよな。
現世はもう整備され過ぎてて、真新しい「何か」が生まれたとき位しかチャンスも無さそうな世界だったしな。
俺はこういう世界が良い。
魔法なんて夢の力や、スキルなんて補助してくれる物もあるし自分を世界に投影出来ている気もする。
このキャラは器用貧乏そうだけど、だからこそ上手く渡り歩けそうな気もする。
最強は目指せないかも知れないが、良い所までは行けそうな気もする。
丁度良い。
楽しんでやんよ。
俺の第二の人生をな!
◇◇◇◇
明日はダンジョンかよ。
オレはランクDみたいだから多分ジュリアダンジョンは終わらせている筈なんだよな…………
まぁ知らんけど。
でもこれで接点を作れる。
自然を装いつつな。
認識阻害のスキルあるから念のため掛けておいてタイミングで解除して晒すで良いかな。
ギルドでは何故か完全に認識された見たいだし。
あ…………もしかしてこの身体の持ち主が何かしているとかも考えられるのか?
も、もしそうだとしたら不味いな。
……しかしソレを探るのは難しいし時間とリスクもある。
此処は諦めて出たとこ勝負が良いか。
……どれだけ仲良くなれるかが問題だな。
とりあえずこの身体がどれぐらい鍛えてあり強いのか。
丁度良いな、今回は。
色々と試せれば面白いし。
それで夕顔ちゃんを守りつつ仲良くなる――――っそんな感じで行こう。
他の三人は……ま、興味は無いか。
そんなに強そうなのもいないし邪魔なのもいない。
悪く無い、おーらい。
今回はジュリアダンジョンの三階層まで行って戻って来るらしい。
いやーダンジョンってどんななんだろうな? だって土の中なんだろ? 極端な話、洞窟の大きい版とかか?
やっぱり暗いのか? それと戦闘か。
一応簡単に試したんだけど、どっちが良いかなぁ。
リアルタイムで身体が思った通りに動かせるのと、考えをキー操作として打ち込むのと。
二つのパターンがあるのよね。
このゲーム。
多分…………両方使いこなすのが良いと見た。
よし、それで行くか。
攻略してやるよ、このゲーム。
そんで目指すは俺ハーレムだ。
あの現世に未練なんて無いし。
でもホントなら勇者とか魔王とか強キャラスタートが望みだったけど仕方ない。
このキャラも悪くは無い。運は弱そうだけどな。
まだまだ許容範囲。
オーライ、行けるぜ、明日から楽しみだ!
行ける所まで行ってやるぜ。




