52頑張れスケルトンちゃん。
突然だけどね。
何かに聞かれた気がしたから色々と語ろうと思う。
少し先のことまでも語るけど気にしないでくれよ。
ん? 下着が気になる?
……そうだね。
しかし、今の私はそんなもの要らない身。
そんな私に少しだけ付き合ってくれよ。
私の名前はスケルトンちゃん。
多分ちゃん迄が名前なのかも知れない。
私は自分の出生を知っている。
これがどれぐらい凄い事なのかはどうであれ、これからの人せ……いや、ほねいき? に有利に働く事だろうか。
私は朋という古代召喚術師に街のちょっとした空き地で召喚されて生まれた。
召喚されて生まれたって言葉としてはどうかと思うけどね。
まぁ、別に間違いでは無い。
実際私は生きているのか死んでいるのかって概念で語れば死んでいる事になる。
しかし死んでいても動けるしこういった考えるという事が出来ている。
脳みその無い私が何処で考えているのかは私に聞かれても解らない。
ああアレだよ、人間の中には脳筋という人種がいる。
骨で考える者がいても良いじゃ無いか。
ふむ、我ながらな答えがまた一つ整った。
私は実にオープンで隠し事が無い生き物なのだよ。
骨だけだしね。
まぁ、私の考え以外は概ねそういう事にしておこうと今決めた。
今の所なんだが、私は自分で行動して動く事が制限されている。
そう。朋の指示、命令が出ないと何も出来ない。
身体が動かないんだよ。
私は朋の指示により動いているのだが、基本大まかな指示しか受け付けない大ざっぱな私だよ。
細かい事には向いていないのだろう。
しかし、なんとなくだが指示を私なりに理解して動いている。
その時の行動の結果は満足いく物かどうかは分からないけどね。
そんな私だが、日に日に強くなっている。
成長なのか、進化なのかもしかしたら退化って事も考えられる。
この身いや、骨として生まれて始めは歩くことが精一杯だったのだが、徐々に走ったり、荷物を持ったり、棒や剣などを振るったり守るための盾役となったりと、こう語ると色々出来ている。
私は肉も脳も臓器も無い骨だけ。
そんな骨にもこれだけのことが出来ている。
震えるよな。
下手をするとその辺の犬にしゃぶられて終わる生き様だ。
別に……それはそれで良いんだけどさ。
朋という古代召喚術師が何を求めどう成長して生きていくのか。
私も昔、おにくが付いていた頃の自分と照らし合わせてみた。
朋という彼女はとても危うく、素直でいながらも強い。
そして日々、色々な物を吸収して成長しているがまだ少女。
将来は一廉の人物になるだろうか。
泣いて笑って考えて、毎日を彼女なりに頑張って生きている。
早く、早くと強さを求めているのも見えるし何らかの焦りを感じているのも分かる。
そんな彼女に毎日の様に召喚されて、私は結構強くなった。
実はもうクラスチェンジも出来る状態でもある。
選択肢はワイトかリッチかバンシーか……。
そのままスケルトンでいる事も出来、名前を頂く事も出来る状態。
しかし、主人の朋は気がついていない。
私も少しなら話す事が出来るのだがあえて話さない。
恥ずかしがり屋なんだよ、こんななりをしていてもね。
最近、仲間が増えた。
と、言っても種族が違うし奴の方が私より恐らく強い。
そう、名前持ちだ。
この世に命を受けた瞬間から何もせずとも強いって事もあるんだな……。
まぁ、同じ主人を持つ者として何時か話でもしてみたいものだ。
種族が違うっていうのは結構大きくて、種族によっての考え、生活や戦い、生き死にがある。
私は結構強くなった、とは言え骨だからね。
リボンを付けても。
たまに指示される私が一杯になる多重の技があるのだが、わわわわわって感じになる、みょーんとかにへらーって感じにもなり数が多いと色々な考えがリンクされてうにゃらーってなるんだ。
あれはこの前のゴブリンの大群の時。
あの時は凄かった。
きっと彼女の立ち振る舞いを身近でみた者は私のみだろう。
まぁ私も中々に戦って成長したのだけどね。
私自身も複数いるという良く解らない感覚での戦いだったけど割と……自分で言うのも何だが役には立ったと思う。
始めはかなり考えがぐちゃぐちゃで戸惑ったけど、時間が経過すると共に複数の個体が考える力を持って協力して戦うと言う事がどれだけ強いか、私も学びながら強くなった。
あの瞬間にすら。
あんな烏合の衆の様なゴブリンにはもう負けないだろう。
あのプリンスちゃんは無理だろうけど。
いや、私もクラスアップすれば結構近づけると思うのだけどね……まぁそれは良い。
結構、召喚者の朋は骨使いが荒く私を色々な所に呼び出しては敵の目眩ましに使ったりワンクッションとして使ったりと使い方も様々だ。
この前なんて家にあるお洋服を取ってきて、と言われたから家に行くと部屋の中は真っ暗。
でしかも洋服って、ようふくって一杯あるじゃ無いか。
どれの事か解らない位の量の洋服が散らばっていた。
私は見分けが付かないから全て持って行く事にしたけど上手く持てなかったから仕方が無くできる限りコンパクトに畳んで持って行った。
そして私が遅いからか、魔法で天まで飛ばされた。
お洋服と共に。
召喚者であり主人である朋は結構、気が短いのかも知れない。
あ、部屋が開いて主人が帰ってきた。
帰って来たときは大きく丸を手で作り出迎えないと。
行く時も同じく。
これは私が命令や指示されずに覚えてしまった唯一の行動。
何故かは解らないがこれをすると彼女は今日一番の笑顔になる。
「ただいまー」
今日も一段と大きい丸を作り朋を出迎えよう。
彼女の笑顔が明日も続くように。




