34ねんがんの
深夜零時を廻った頃――――
タッタランランラーブンチャカブンチャカ。
私の中で適当に音がぶんちゃかしている。
ノリノリにも限度がある。
私は諦め夢の中で鼻歌を歌った、しかし私は眠っている……ぐうぐーすやや。
『おい、まだ回復してないぞ…………』
朋ちゃんポイントが貯まっていません。
T(朋ちゃん)ポイントへ強制的に返還し、使用しますか? Y/N
『ぐぬぬ。一体どうしろと…………』
『矢印は…………お、今度も選べるぞ、うーむ』
→朋ちゃんに古代召喚術の使い方を教えてあげる。知っているだろ俺ちゃんよ(今とても困っているみたい)
→朋ちゃんと海に行く(ポロリもあるよ)
→朋ちゃんへプレゼントをする(好感度が上がるよ)
→朋ちゃんと…………。
『くそーまた同じぐらいのダメージを食らったら俺消滅しかねないぞ…………』
『選ぶしか無いんだが、選ぶとしたら――――ぽろりもあるよ……いやいや、コレだろうな。ぽちっとな』
『……………………お、んん? またタライ的なアレか?』
正解です☆ 今回半分のポイントで使用できます。ヨカッタネー。
『…………正解でも取られるのかよ、何時も搾取される側かよ、くそー。あれれ、意識が来ているな』
「……………………」
『よお、一応は初めましてになるのかな?』
「…………どなたですか?」
『そうだな…………まぁ、ラオーアと名乗っておくよ、とりあえずね』
「初めまして、ラオーアさん。ええと、此処は何処ですか? なんで私、あれ、何してたっけ?」
『あぁ、君は明日に備えて早めにおやすみしたんだよ』
「早めに…………ああ、そうだった。明日からもっと頑張らなきゃだった」
『そうそう、頑張れ。応援するよ』
「ありがとう。……ええと、ラオーアさんはその扉から出てこないんですか? 何か、こちらから見ると、格好が凄く……」
『ううっ、痛い所を……色々と理由が存在してな。出たいんだけど出られないのと、出ても微妙な所らしいと最近の考えで解ってきているんだよね』
「難しいんですね」
『ああ、そんな感じだよ。それはそうと何かに悩んでいるのかい?』
「え、どうしてですか?」
『多分君が此処へ呼ばれたのは何か意味があると思ってね』
「そうですか。えっと、今は……古代召喚術の使い方が解らなくて困っているの」
『そうか……俺ならそれの切っ掛けを教えてあげられると思う』
「ええっ。ホントですか?」
『ああ、でも古代召喚術の召喚方法だけどな。それをもし極めるとお前は魔王になるかもしれない』
「……どうして?」
『それだけの力って事だよ、単にね。お前の中の制限はソレと賢者だな。賢者にもなってはいけない。お前の姉さんから聞いているだろう?』
「それは…………そうだけど、でもなんで貴方がそれを知っているの?」
『感覚でな、俺は知っていたっていうのが近いかな』
「…………なんとなく気がついたんですけど、此処、私の中ですよね?」
『そうだな、今はそうなるな』
「…………貴方は私の……」
『おとうさんでは無いよ? あははは』
「ですよね? でもその答えでなんとなく理解しました、では……私にとって貴方は何なのでしょう?」
『そうだねー。まぁ、多分君と俺は同じだよ、俺のなれの果てが君だよ、俺からしたらね』
「……もう少し、優しく、簡単に教えてください」
『君は俺、んでその入れ物は穂美香のもの。で中身は俺。でも時間の経過と共に君は別の何かになった。そんな感じの今だろうね』
「穂美香とは誰ですか?」
『それは…………まぁ、俺の妹なんだけどな、しかし…………これは大変だな』
「何だか解らないことが多くて……」
『んー。恐らく君は目覚めたら此処での会話も九割ぐらい忘れている。そうだな………………何か覚えておきたい事は無いか?』
「じゃあ、古代召喚術の召喚方法を教えてください、今の私の目的に近づけるのはソレなんです」
『解った。けどそれは結構、難しい技術でな、俺も調べたんだけど、ソレって作っているんだよ。単にね』
「もう少し簡単に教えてください」
『んー。アレだよ、お料理。頭の中で構築してその成分を世界から集めてその場に生成する。魔法かな、禁忌か。でもこの魔法の根本は…………』
「……私にも出来ますかね」
『……ああ。もう君は出来るよ。切っ掛けを今、知ったからね』
「そうなんだ…………ありがとう、お兄ちゃん」
『……それはある意味、間違いでは無い。まぁ、俺もできる限り協力はする。だから頑張れ、朋ちゃん』
「うん、ありがとう」
『ああ疲れた。また寝るか…………』
「……………………」
「あれ、私、起きた? ええと、おはようお兄ちゃん、ん?」
「あれ、何だっけ…………あ」
私、多分、古代召喚術の使い方が解るかもしれない。
えぇ? 何でだろう。
…………かみさまありがとう。
夢で教わったのかしら、何故か知っているみたい。
何かが私の中でカチリとはまった感覚? 私は直ぐに外へと飛び出し少し開けている場所を探す。
「この辺で良いかな……」
部屋の中で行っても良かったのだが、上手く行かないで宿を壊したら大変だから、一応の措置で考えたのが空き地だった。
私は目を瞑り頭の中でイメージする。
何を?
とりあえず姉さんが言っていた奴にしよう。
私は宿に一旦戻り調理場の人に頼んでとある材料を分けて貰う。
それから再び空き地へ。
イメージ、イメージ。
でも私はソレを見たことが無い。
あるかも知れないけど大体のイメージで構築していく。
そんなに詳細にはイメージしない。
なんとなく、こんな輪郭とかこんな肉付き…………あ、肉いらないか。
この世界から、必要な物質を集める。
そんなイメージ。
「来い。スケルトン!」
私が言葉を発するとその場所、私から私一人分先の空間に何かが出来ようとしている。
空気が震えている、モゾモゾと。
私の手に持っていた触媒の何かの骨は消えた。
うーん。
どれぐらい経過したかしら…………。
目の前にはスケルトンの出来かけ? が頑張っている?
徐々にそのお姿を私の前に見せようと必死になって形成されている……気がする。
多分そろそろ三分ぐらい。
うん、後二分ぐらいで出来そうだね。
私は何かのお料理が作られるのを待つ様にしゃがんでほお杖を突きながら、スケルトン(仮)の出来るのを見守った。
おいしくなーれ、おいしくなーれ…………ちょっと違うか。
待っている間、中級の裏魔法を練習するが、中々難しかった。
…………暇なときに練習しようかしら。
そして何処からかチンと音が鳴ったかのようにスケルトンは出来上がる。
そのお姿はまるで骨。
そう、骨なのだ。
武骨しく骨々しいお姿に子犬もまっしぐらかも知れない。
一本でも持って行かれたら崩れ落ちるその気丈なお姿。
繊細なスケルトンちゃんの出来上がり。
リボンでも付ければ女の子。
「うふふふ…………」
「ねんがんの。古代召喚術が成功したよ!」
私は何かいけない物を作成している様な悪の魔法使いかも知れない。
この瞬間。
世界は我が手に的な感じになった。
無から生を生み出すファイアなどの魔法も同じだけど純粋に産まれた様に感じられる。
可愛い我が子、おっとと危ない。
危険な自分の発想を捨てる事にした。
クールに行こうね。
そしてその目の前のスケルトンちゃんは何か、命令してよねってツンな感じで佇んでいる。
私はうーんと考えて。
「格好いいポーズを取って!」
命令すると、ビシッと何処かを指をさして顔も斜め四十五度に向いている。
手や腕もあっちにこっちと凜々しく良いポーズが出来た。
…………ほほう、私は調子に乗って次を考える。
「スケルトンちゃん、走って!」
私の命にえっ? て顔をして私の顔を一瞬見たスケルトンちゃん。
でも命令は命令。
私の指を指した方角へと走り出す、スケルトンちゃん。
出したは良いが、一歩、二歩、三歩目で体勢がもう崩れだしている。
五歩目を踏む前に身体が崩れ落ちた、どんガラがっしゃーん。
「――――――――スケルトンちゃん!」
私は近付いて元スケルトンちゃんの身体を集めて抱きしめた。
私の命にえっ? ていう顔でも遂行しそのまま崩れ落ちたスケルトンちゃん。
私はとっても健気な思いに涙した事にした。
検証の結果、崩れ落ちた五分後に骨は消えた。
試しにもう一度生成して十分程、眺めていたら身体は脆くも崩れ落ちた。
その後五分後に骨は消える。
もう一度同じ事を繰り返しても結果は同じ、うん。
なるほどなるほど、実働的な稼働時間は十分程って事みたい。
私がきっと古代召喚術に慣れればもう少し変わっていくと思う。
召喚した個体にどれぐらいの知能があって、私の命が通じるのかとかも色々と試していかないと、いざって時にきっと困るからね。
後は練習だね、私はこの満足のいく結果にとても喜んだ。
マッドっぽく。
さてと、宿に戻ろう…………あっ。
そこで私は気が付いた。
私……寝巻きのまんまだった、恥ずかし。




