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30皆で楽しい夕ご飯と悩む夕顔ちゃん

「おまたせー」


一枚上着を羽織ったグラ子さんがやってきて、行こうでーと私たちの手を取り出口へと向かう。


直ぐ近くやからねーと言っているうちに着いたみたい。


お店の名前はでぃーえすますた? よ、読めない。

達筆過ぎる。


私たちはグラ子さんについて行き中へ入った。


「ちわー」


「はい、いらっしゃいーってグラ子か、今日はどうするー」

「ええと、今日はツレがおるんで適当に頼むわーユイリィ」


「んー。じゃあ奥の席良いよ、今用意するから行っててグラ子」

「おう、三名でよろしゅーなユイリィ」


店の奥の方へ、グラ子さんについて行き、八人ぐらいが座れるスペースへ三人で座る。

部屋には絵とか、幾つかのアンティークみたいな物や、あれ、砂時計だ。


何の砂時計かなぁ? アクアリウムっぽいけど、どうだろう? 私が部屋を見ていると、その後直ぐに飲み物が三人分用意された。


「ふぃー。さぁてと、とりあえず乾杯ね! えーと、何にしよ、あ、うん。君たち二人の初依頼に! ――――乾杯」


「「乾杯~」」


「夕顔ちゃんは幾つか依頼こなしているみたいだけど、朋ちゃんは初めての依頼だね、どうだった?」


「うーん。どうだったかなぁ? あぁ、摘んでたらスライムが怖くて思い出して吐いておやつを食べ忘れた。……かなぁ?」


「え? なにそれ? 何処から聞けば、いや突っ込めば、えぇ…………そ、そんなかんじ? 夕顔ちゃん」


「あー。うん、だいたい合ってる……そんな感じ。要約すると酷いけど…………何処も間違いは無いんだよ、うん」


「だ、だよねー」


「はぁ…………なるほど、情景が思い…………浮かぶかーい! なんやねんそれ! スライムって極論、五歳ぐらい、いや、三歳ぐらいでも勝てる敵。モンスターだよね? もうそれスライムってるよね? えぇ? そんな私はこの話が怖いわ」


「あは。でもあのスライムくん、強かったよね? 夕顔ちゃん」

「あれはもしかしたら、別の何か、かもしれないわね……魔王とか?」


「うっ。そんなおとぎ話が有った様な…………ゴブ逆に続き、魔王襲来なんてサラダエクレア呪われてるやないか、本当に怖い話になっちゃうやん。そんなん止めてーな!」


「うーん。あれは何だったんだろうね、ふるふるしてたけど」


「まぁ、ふるふるしてたね……」


そんな話をしているとお料理がどんどんと届く、色々なお料理が並び皆でいただきますをしてお話をしながら食べる。


「どれも美味しいね。……そういえばこの飲み物って何ですか?」


「あぁ、それはこの国エスタリアス国で流行っている飲み物にサラダエクレア特有のお水で割ったエクレアナッシュっていう飲み物だよ」


「さっぱりしていて美味しいよね、朋ちゃん」

「うん。飲みやすい、すーって入るの」


「……そうだね、すらーって飲めるね」


「…………スライムは飲み物やないで!」


「あはは。早いよ返しが、まだ落ちの前だよ」


「阻止するでー」


みんな結構、食べたみたい。

徐々にお箸が止まりつつある感じの時にグラ子さんに聞いてみた。


「そういえば何で今日は誘ってくれたんですか?」


「あー、実はね、ちとギルドマスターに言われてな、なので実質ギルマスの奢りなんやよ」


「…………もしかして、壁を叩く人ですか?」


「あははは。そうそう、その人、あんなんでも化け物級に凄いんやで、まぁ見た目も中々凄いからそのまんまやな」


「………………」


「……この前ちょっと悪い事しちゃったから今度、謝らないとなぁ……」

「え? 何したん、朋ちゃん」


「……ごめんね、恥ずかしくて言えないよ」


「何なにー。朋ちゃん、一体どんなミラクルをしたのかなぁ? 夕顔たいちょーに報告しなさいな」

「さっすが大物ルーキーやな、あのギルマスに何か出来るなんて……是非その話聞きたいわ」

「うっ。い、言えない…………」


はぁー。

そんな凄い人にしでかしてしまった私は恥ずかしい。

そうそう会う機会は無いかもだけど今度会ったら謝らないと。


そんな話をしながらご飯を食べ終わる。

そろそろ行こかーとグラ子さん、私たちに外で待っててーなと話してお会計へ行ってしまった。

お会計が終わるまで外で待っていたけど直ぐにグラ子さんは来た。


「ほな帰ろうかー」


「「ご馳走さまでしたー」」


「うん。ギルマスに言っとくで」




また明日と、グラ子さんと別れて帰り道、夕顔ちゃんはなんとなく下を向いている気がした……。


「ふー。ご飯美味しかったねー」

「うん、美味しかった」


「みんなで食べるご飯も特に美味しいね」

「うん」


「また今度も何かの時にみんなで食べに来たいね」

「うん」


「…………夕顔ちゃん、何か、あったの?」

「――――あ、ごめん、ちょっとグラ子さんに聞きたいことがあるから、先に帰っていて朋ちゃん」


「え、あ、うん――――解った」


夕顔ちゃんはグラ子さんを追いかけて行ってしまった。

何か、あったのかなぁ? こういうのって、余り聞かない方が良いのかなぁ。


私もギルドマスターの話は言えないし。

恥ずかしい事もそうだけど、人には色々とある筈なんだ。

うん、姉さんの言う通りだ。


帰り道は月を見ながら姉さんの事を思い出して宿へ帰った。



 ◇◇◇◇



「すみません。グラ子さん」


帰り道を戻り更に先ほどご飯を食べた店を通り越した先へ私は走る。

まだそんな時間も経過していない。探せば見つかる筈。


私は走りながら探した。

冒険者ギルドを通り越し、ご飯を食べたお店から五十メートル程離れた所で歩いているグラ子さんを発見して声を掛けた。


「ふぇ? あれ、夕顔ちゃんどーしたん? 何か、忘れ物?」

「ええと、ちょっと聞きたいことがありまして…………少しお時間良いですか?」


「うーん、ほなそこのエメラルド茶屋でお茶しよか、まだ一時間ぐらいならやっている筈だから」

「はい――――お願いします」


「何頼む、夕顔ちゃん」

「じゃあ、えっと、サオシュ茶で」

「私は――――これにしょう。アトルタム」


数分後、飲み物が届き、一息つくとグラ子さんは私を見て話しかけた。



「…………んじゃ、話してみい。どしたんだい?」


「……ええと、どう、話せば良いか、あ、んと、朋ちゃんの事なんですけど」

「ん。うん。どーしたん?」


「いや、その前に…………何故、私の担当になってくれたのですか? グラ子さん」


「あー。そういうことか、そか、うん。まだ夕顔ちゃんは知らないのかな?」


「え? 知らないとは、何を?」

「えっと、うーん。そうだね。簡単に言うと『彼女は特別なんだ』」


「は、え? …………どういう事でしょう」

「担当が付くのはBランク以上、実質Cランク以上の優秀な人物のみ。…………これは基本やな」


「そう――――そうですよね、私もそう聞いています」


「だから、特別なんよ。んー。そうだなぁ、明日。何か、うーん。スライムとか、コボルトでも良いや、何でも良いから戦って来てみれば解るよ」



「…………見れば解ると?」



「そうそう、良いね。戦っている朋ちゃんを見ればきっと解るんじゃないかな? 私も見たことは無いけどな……」


「そうなんですか?」

「彼女は、恐らく大きな運命に選ばれた人だよ、私が話を聞く限りね」


「………………」

「まぁ、一度見てみてさ、それで判断すると良い。私から聞いても余り意味が無い気がする、夕顔ちゃんの場合は……」


「そう、ですか……」

「君が彼女と何処までの事をしたいのか、私には解らないけど、彼女にはとても大きな目的もある。危険もたくさんと、そういう渦中に入り込む……又は気がついたらそのど真ん中に彼女は立っている。そんな運命の人、らしいねん」


「今日一日、一緒にいたけど、全然。そんな……」

「後は、朋ちゃんに聞いてみたらええよ。この前の……ゴブ逆のイベントでな、一番の功労者は彼女やで……これは秘密だけどな、内緒やでほんまに」



「う、そ。――――そんなに、ええっ?」



ゴブ逆って、ゴブリンの逆襲だよね? あの時の一番の功労者って…………。


「朋ちゃんは自分がやったとは思っていないみたいだけど、実質彼女なんよ、あのイベントのゴブリンをほぼ総ナメにしたのは」


「それって、英雄じゃあないですか?」


「せやな。聖人か、勇者か、魔王か化け物やで、でもどうであろうと、彼女はこの街、サラダエクレアの恩人。それは変わらない事実や」


「どっ…………どうしよう私。そんな人を誘ってしまった…………」


「いや、出来ればそこは気にせんといてや、関わってしまった以上、気にしたら可哀想や。だからって訳でも無いけど、自分の立ち位置は理解したら、決めた方がええのかもしれんな…………しらんけど」


「うう。いや、でもありがとうございます、グラ子さん。もやもやがスッキリしました。――――何故私の目に叶ってしまったのか、理由が解りましたし」


「…………そか、君も何かあるんやな?」


「いやいや、朋ちゃんに比べちゃうと…………そっか、これはチャンスでもあるんだ。私が何を目指すのか、これで決められそうです」


「ふーん。そういう事か、うん。まぁ、それぐらいの強かさはあった方が良いの、でも彼女と一緒におる以上、何があっても彼女を恨まんといてな、それは良識でありこの仕事のルールやで、彼女と一緒におれる条件だとも私は思うでな」


「それは――――そうですね。はい、解りました。すみません遅くまで……グラ子さん」


「ええでええで、私は結果的にでもあるけど、君の担当官にもなったんや、これからよろしゅーな」

「はい。ありがとうございます」




私はグラ子さんと別れて帰り道考える。

――――――――そっか、そっか、そんなに凄いんだ。


えー、全然って訳じゃあ無いけど、見えない。


年も私と変わらない女の子。

私も見誤っちゃ駄目かもしれない。

だってだって、――――私の運命を決める指標になる人なのだから。


ご拝読頂きありがとうございました!




もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、


差支えなければブックマークや高評価を頂ければ幸いです。




これからもどうぞよろしくお願いします。

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