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26グラ子さんは爪を隠し、お兄ちゃんは紳士で行く

「お待たせしました――――――こちらが登録証です」


「わぁ、ありがとう」


別の部屋へ通されて待っていた私。

凄く早く出来た事に対しへぇーと、思いつつ今度こそ無くすまいと気を引き締めた。


「……通常ですと無くした場合はお金が掛かりますが、今回は特別に無料らしいです」


「……えー。良いんですか?」

「良いみたいです」


「はい…………」


今回の出来事を良かったとは思えず少し肩を落とした。

けどお金が浮いたこと事態はお得だし、うんうんと自分に前向きアピールを忘れない。


「他に、何か必要な事はありますか?」


「……ええと、冒険者ギルドで依頼を受ける時はどういう流れで受けられますか?」


「はい。そうですね、あぁ、今回以降、ゲスト様には担当が付く事になりました。今、呼びますのでその者に何でも聞いて下さい」


担当、シーラさんは来ないよねーやっぱ。

でも担当さん付けてくれるって良いね、仲良くなりたいなぁ。


「はーい。初めましてー。私は受付のグラトニーって言います。グラ子って呼ばれてるからそう呼んでくれると嬉しいな」


「…………は、初めまして。グラ子さん、私は朋と言います」


「うんうん、知ってて聞いてるよ。朋ちゃんよろしくね!」


グラ子さんはクールビューティーさんに何か怒られている様子「ふぇぇーごめんなさいねえさま」って言っている。


「では、ゲスト様、この者に不都合があったらなんなりと私に言ってくださいませ……」


「あ、はぃ。大丈夫です」


グラ子さんは「ふぇぇー」とか「ひいいー」という言葉を発している。

では、ともう一人のクールビューティーさんは私に対しても頭を下げて行ってしまった。


「よし。行ったな…………」

「………………」


「いやー。参った参った。ねえさま怖いからなー。おっとと朋ちゃん改めてよろしくで」


「――はい。よろしくで」


グラ子さんも変わった人っぽい雰囲気がある、でも明るそうで良いね、うん。


「朋ちゃんは結構、有名人みたいだけど何したん?」


「え? 私、何かしたんですか?」


「いやー、何かギルドの上の人達が話していたの聞いただけなんやけどな、何でもこないだのゴブリンイベントでゴブリン十万体倒した女の子とか、この街の救世主とか、勇者では? とか色々言ってたで?」


「私にもよく解らないんですよね、唯側にいただけで、私から大きな魔法が出ていただけで」


「それはだけとはいわへん奴やん。…………うちの目の前に食べ物が大量にあって三秒後に全て無くなっていた……それと同じやん」


「はぁ…………ん、何か面白い例えですねグラ子さん」


「うちの場合は名前でねー、良く言われるんやよ」


「そうなんですか?」

「そうなんですよ、まぁ、ええわ」


「それより朋ちゃんは魔女なんよな?」


「え、えーっと、見習いなのかな? 多分」

「見習いかぁ、じゃあうちと似たようなもんだね」


「あ、そうなんですか? グラ子さん」


「うんうん、働くって結構大変なんねんなー、最近知ったでうち、知らんけど……」

「どっちなんですか?」


「ニュアンスやでー、感じてくれ、察してくれ。魂で考えてやー」

「ニュアンス。難しいですね…………」


そのままグラ子さんとお話をしてからまた明日来ますと冒険者ギルドを出た。


グラ子さんはもっとお話したそうだったけど、今日はこの街、サラダエクレアを適当に歩いてみると決めていた。その後で宿を決めて、グラ子さんとは明日相談も兼ねてお話しようかな。


サラダエクレアの街は私の感覚だとダイラックの街の半分ぐらいの大きさみたい。

それでも結構大きいけど。


でも今回ゴブリンが結構な数攻めてきて街の外周付近、特には西側と次に南側の街を守っている壁はダメージをかなり受けている様で壁が壊れ掛かって倒れそうな場所とかも幾つか存在した。


サラダエクレアの街をカローラさんに貰った地図を見ながら私はゆっくりと歩く。


この街にどれぐらいの期間いることになるか今は解らないけれど、私の目的は姉さんを助ける、若しくは手伝う事。

今のままでは夢のまた夢のお話、恐らくそれぐらい私は弱い。


宿を借りたら部屋でもう少しこれからの事を考えてみよう。



えーと、地図によるとこの辺りからが宿が多くある地域だね。

あ、結構人が多い。

賑わっているのか、その区画から人が増えた、泊まっている人多いのかな。


ダイラックで泊まった海月の水藻みたいな宿無いかなぁ。


私は意識的に見たような外観の宿を探していた、するととある宿の前でパセリちゃんみたいな女の子が呼び込みしている。

あ、此処にしよう、と少しボーッとしている私は決めてその子に話しかけて宿に入った。



中に入ると海月の水藻の様な建物と近い作りなのか、結構似ていた。

受付にはお姉さんがいる、聞いてみよう。


「こんにちは、宿を探しているのですが」


「はい。いらっしゃい、今は結構混んでいてね、お部屋の種類が二種類しか空いてないんだけどね」


お姉さんは五千クアレットと七千クアレットのお部屋を紹介してくれた。


「今はこの前のゴブリン騒ぎで人が多くてさ、もう一週間もすればもう少し落ち着くだろうけど」


お姉さんはそう話している。

この前の海月の水藻では確か、五千クアレットだったかな。


「では五千クアレットのお部屋でお願いします」


「はい。では何日間にしますか? とりあえず七日間でお願いします」

「計三万三千クアレットです。よろしいですか?」


「登録証でお願いします」

「では、銀盤へ…………」


受付を済ませてお部屋に入った。

ご飯の事も考えたけど余り食欲が無い、身体がだるい。


今日はもういいや。


部屋は結構前に泊まったお部屋にも似ているんだけど何かが違った。

そりゃそうだ、別の建物の別のお部屋だもんね。


……これは、私の物に対する意志、違うな、あり方…………もう少し。

考え方…………かなぁ? あの時とは状況も何もかも違う。


そっか、これプレッシャーだ。

私は今現在、何も失う物も無い。


これ以上は何も……。

そう、何も無いんだ。


部屋の窓がガタガタと風の影響により音を立てた。

私は一人だ。怖い、姉さんもいない、ミサンガも無い。


頭がボーッとする。

疲れた、眠い、今日はもう寝よう、多分久々に風邪引いたみたい。

今日は早く寝よう…………




タッタララララー…………私の中で音が鳴っている、なにそれこわい、具合も悪いので気付かない振りをしてそのまま寝ていよう、すぴぴー。


『またかよ…………』


朋ちゃんポイントが貯まっていません。

T(朋ちゃん)ポイントへ強制的に返還し、使用しますか? Y/N


『タッチパネル…………強制イベントか何かか?』


『矢印は…………お、今度は選べるぞ、何々』


→朋ちゃんに勇気を与える(紳士的、優しいお兄ちゃんで行こうぜ)

→朋ちゃんにエッ○を教える(ちゃんす到来。慰めてあげよう、おい。人として止めとけ)


『何というか、極端だな。今これかよって感じなのがあるよ。今つけ込めと? ふーん。えっ○じゃん』


『まぁ俺は変態だけどさ、エロいけどさ。何だろう、矜持って言うのかな、今回はパスだな』


→朋ちゃんに勇気を与える(紳士的、優しいお兄ちゃんで行こうぜ)


よし、コレで行こう、ぽちっとな。


『……………………おい。またかよ』


『俺はだまされないぞ!』

『早くしろよ(タライ的な)』

『…………まだかよ(待ち構えて気持ち的に早三年)』


『もう早く…………ぐぉぉぉぉぉー。何だコレ、何だコレ? 俺の中の、マナが強制的に吸われている…………返還って』


『うぉぉぉぉぉぉぉ――――――――――――――――――そういう事かよー』


終了しました、お疲れ様でした。


『ハァハァハァハァ。おい。精も根も尽き果ててるぞ。俺、存在消えそう…………』

『あ、駄目だ、意識が落ちる…………』


『………………』


その日、私は夢を見た。

確か、私、とても具合悪くて、眠くて、心細くて、一人だし、誰も私の側にいないの……何でよ。


という落ち込み具合。


そんなの仕方が無いじゃん。


それはそうなんだけどさ、自分の中で飲み込んで消化できる時と出来ないときがあるのよ。


幾ら暴食でも口が無ければ食べられないし、お腹を壊していたら痛いじゃないの……。


そんな時は時間が解決してくれます、姉さんが言っていた。



そこは、私の知らない世界の物語。

何処だろう、此処、見たことの無い物が一杯。


この子、誰だろう、私より大人っぽい。

あれ、もう一人…………私かな? でも何かが違うよ。


「お兄ちゃん起きてよ、遅刻するよ」


「え、あ、ふぁー。もう少し、穂美香ぁ後五分…………」


「昨日、一体、何時まで起きていたの? ずっとゲームしていたでしょー」


「もっと……もっと育てたいんだよ、あーもう解った、起きるよ穂美香」


「うん。じゃー下で待ってる、早く来てね!」


「うーん…………まだ眠いなぁ」





男の子が眠いみたい、これは私の夢、なのかしら。

もう少し観察していよう。


でも、何だか良いね男の子、寝てるけど、私も起こしてあげようかなぁ…………。


『んん? お前は誰だ?』

「…………」


『俺を見ている、お前は…………うーん、何処かで』

「……………聞こえるかな?」


『あぁ、聞こえるぜ? どうした? ○○ちゃん』

「…………それだれ?」


『あ? そうか、違うか、まぁ、済まないな。それで、どうしたんだ?』

「え、あ、うんと、寂しくて、私、どうしたら良いか解らなくて、一人で悩んでいたの」


『…………そうか。誰でも悩むことはあるし、選択肢に答えはない、どちらも正解だ。でも悩むことが出切るっていうのはな、とても幸せな事でもあるんだよ、自分の中に話しかけて、自分の中の正解に何時か辿り着けるものなんだよ』

「そういう物なの?」


『あぁ、お前は正しい、俺が保証する。俺がお前の選択を見届けてやる、大丈夫、自身を持て、地に足は付いているんだ。強さとは……そういうもんだ』

「そうなんだ、なんとなく解ったよ。ありがとう、お兄ちゃん」


『色々な可能性の中から最高の未来を選ぶんだ』

「うん、そうだね」


『あぁ。お前は可愛い、だから正義だ。うん絶対!』

「なにそれー、でも良いねそれ、絶対だね。そっか、そういうもんなんだ」


『そんなん、当たり前だよ』

「解った、アドバイスありがとう」


『おー、また悩んだら来ると良い。何時でも俺がお前を支えてやる!』

「何か、元気でたよ。うん」

『………………』






「ありがとう、お兄ちゃん。元気、いっぱいもらっ…………んぁ」

あ、朝だ、身体が少しだるい……でも何か清々しい感じ、行ける行ける、よし、今日も頑張ろう!

ご拝読頂きありがとうございました!




もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、


差支えなければブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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