表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
116/121

116タナシナプス

あ、此処、何処だろう? え? 何? 助けて! 誰か。 

お、お姉ちゃん―――――――



うーんとあれれ、目が覚めた。ええっと、何が有ったんだっけ?


「目が、覚めたようね?」

「あ、あおちゃん!」

「あら………………そう。残念」

「え? どうしたの? あれ? あ。あっ!」


わたしは自分に戻ったみたい。

ええっと、ええっと、ええっと…………残念。そう、残念だ。


「あっ! おにいちゃんは!?」

「まだ、寝てるわ。 穂美ちゃんは……うん。大丈夫そうね?」

「うん。特に……あれ? なんか涙が……」


何か? 何か? 何で悲しいんだろう。

でも暖かい。何か……。


「………………きっと、夢でも見たんじゃ無いの?」


「そ! そうかもしれない。何かね、夢でお姉ちゃんに会ったんだ。でも、何かに、いや、何かで守られた記憶だけ」


「…………ゆっくりで良いのよ? 穂美ちゃん」

「…………うん。ありがとう。あおちゃん」


「――――――――じゃあ私は朋の方を見てくるわね。もう少し穂美ちゃんは休んでいて?」

「うん。……そうするね。ありがとう」




……目が覚めた。視界が少しぼやけている。

俺はベッドに寝ているらしい。

そこは俺の部屋の様に見えるが、あれ? 余り目の焦点が合わない。


これは、え、不味い、具合が悪い。

目が回る、気持ちが悪い、頭がガンガンする、肩もとても痛い……。

な、何が、起こった…………。


「目が、覚めたかしら……?」

「……あ、おば?」

「うん。戻ってるようね」


数分後、徐々に意識が回復し、俺は自分の部屋のベッドの上に寝ていることが解った。

手や顔。俺の身体を自ら確認する。


目に映る身体を見る。

そして、下半身を見ると『テンーボウザーン』が挨拶をしていた。


「……元気そうね。もう大丈夫かしら……」

「…………大丈夫だ。済まなかったな、青葉」


「穂美香は、大丈夫なのか?」

「もう目は覚ましているわよ。ベッドで横になっているけど」


「…………あれから何か有ったか?」

「……色々有るんだけど、私が朋に話せる事は少ないわね」


「そうか。解った。ありがとう。青葉……」

「――――あ、あのね、朋。ほみちゃん。少し…………思い出したみたい」


青葉は少し言いづらいのか、言葉のトーンが違う。

俺はそれを察して青葉に話す。


「………………姉ちゃんか?」

「そう。消えた佳さんの事」


「こんなタイミングで記憶が――――――――でも、そういうもんか……な。…………でもこれは自分で乗り越えるしか無い壁だろ?」


「そうね。私と、穂美ちゃんと、そして朋も……佳さんには守られたからね」

「そうだな…………」



「さて――――と、そろそろ私は戻るわね朋。あとは上手くやりなさい。失敗するとしてもね」

「解った。ありがとう青葉」


「骨は拾って…………味付け含め事後処理はしてあげるから、安心しなさい。次に――――ううん、何でもないわ。またね」


「……あぁ、また明日」


青葉は何か含んだ言い方をして帰っていったが、俺は考える事が非常に多かったのと身体のだるさが抜けきらず、青葉が帰った後2時間ほどベッドに横になっていた。



俺はまだ考えを纏めていた。

するとそれを遮る様に突然外から爆音が聞こえた。

何事かと思い飛び起きて急いで窓を開けて覗く。


俺の視界に写るのは…………かなり遠くで天を突くかの様な。

とても大きな火柱のようなものが立っていた。


何だ、あれは……。

というか、これ、世紀末なのか? 爆弾……いや、ビーム? 一体何が起きているんだよ…………。


パソコンは再起動しないと上手く立ち上がらず。

一度再起動した後ネットに接続してみてもニュースには何も情報は出ていない。


再び外に目をやるが遠くの火柱が今も燃えさかっている以外、何も変わりは無く、近くで騒いでいる様子も無い。


そこで先ほどのルカニーの話を思い出した。

そうだトミエクマだ!


良くわからないが起動させてみることにした。

『トミエクマ』にログインする。


ログインすると、そこはこの前の続き、NPC(宮廷合成凄腕店長)の前に俺のキャラクター『ラオーア』はいた。


「うーん。何かしなければいけないのかな?」


俺はとりあえず、インベントリの中を見る。

そこには前回ログインした時に合成させたアイテムや『シャインレザークロスアーマー改』は無かった。


…………失敗したかな? あれ、これなんだ?

その代わりなのか俺の知らないアイテムが存在している。


「なんだ、これ?」


クリックし、説明文も見てみると『エラーコードER65535』と記載されて、アイテム名も説明文も文字化けして…………バグっている?。


「どういうことだ?」


俺はとりあえずどうすれば良いのか分からなかった。

仕方なく、NPC(宮廷合成凄腕店長)のいる部屋から退出すると、突然画面から声が聞こえた。




『おい――――――――――――――――えるか』




「ん。何だ? あれ? これ、脳に直接話しかけられている?」


普段、音が耳から聞こえるのとは少し違う感覚がした。

少し不思議な感覚に俺は慌てそうになる。


『……やっと繋がったか、聞こえるな?』

「うえ? ……あ、あぁ、聞こえすぎる。なんだこれ? どうなっているんだ?」


『我々の名前は【タナシナプス】とある代理サポーターの集合体だ』


サポーター? ゲームの? どういう事だ?

直接頭の中に話されている感覚に戸惑っていると再び声が聞こえた。


『もう時間は少ないが話せる情報だけ詳しく話す』

「ち、ちょっと待て、これって頭で考えただけで話が通じてしまうのか?」


『少し違う。これは考えた物が形になった時に通じる様になっている。意思的疎通という』


エロい事とか考えたらどうなるんだ? とか、考えている自分が愛らしいよ俺。

っていやいや。無いわ――――――。


「……………………」

『………………』


「突っ込んでくれよ!」

『……我々は優しいからな』


「エコかよ!」

『すまないが、時間が無い』


「あ、悪かった。つい調子に乗った。始めてくれ……」


『早速始めるぞ。要約すると……………………お前は選ばれた。ちょっとお前の場合は、他と違い大分イレギュラーな展開のようだが』


「イレギュラー? 選ばれた? 一体何にだ……」

『星間戦争だ【神々のゲーム】と言えば少しは理解できるか?』


「……なんとなく、いや、まったく解らんが、その戦争に巻き込まれている訳だな?」

『その通りだ。お前は星(惑星)に選ばれた』


「星? どこで? 突然に選ばれたのか?」

『お前の持っていた、星のアクセサリー。それがトリガーだ』


「星のアクセサリーなんて持っていないぞ? 何のことだ?」

『こちらの世界で言う麻雀牌。お前はそれに選ばれた者だ』


「麻雀牌って、あれか? 俺のお守りだった奴だな。壊れたが」

『大丈夫。お前の中に星はある。宿星は惑星エイアリオス。太陽系外惑星の一つ』


俺の中に星がある…………。


『今回の【神々のゲーム】は幾つかの惑星を基点として行われている』

「あぁ、続けてくれ」


『最終的な神々の目的はその惑星を奪い合う事。もうこの地に残された星は後僅かだ。そしてお前はもう星を奪われかけている』


「んー。そうか、解ってきた。あの痣だな……俺の身体から確かに何か奪われたみたいだな」


『そうなのか、私は見ていなかったから解らないが、今回は少し様子がおかしい。今回も前回同様に準備をして決戦の地で星を奪い合う予定だった』


『……が、今回幾つかの不可思議な状態が確認されている』

「要するにある程度、計画的に行われている事の筈が、誰かが邪魔をしている、とかか?」


『そこまで確定してもいない状態だ。数時刻前から幾人かの代理人が状況を調べている』

「代理人って何だ?」


『……伝えられる範囲で説明すると神々からある種の権限を与えられている者達の事だ』

「そうか…………で、俺は何をどうすれば良い?」


『実は現段階で出来ることは限りなく少ない。惑星シークタットを宿星に持つ柏木ルカ。彼女からのパスを経由し今回お前に接触出来たが、現在のルカの状態からは弱いパスしか出ていない』

「どういう意味だ?」


『もう一人近くに宿星を持つ者がいるだろう? その者にも【トミエクマ】にアクセスさせて欲しい』

「俺の妹の事か?」


『恐らく。本来なら一つの方法として誰かが資格を得るとそこからパスを繋げる事が出来るのだが、もう時間が無い。恐らく不完全のままあちらに飛ばされるだろう。最低限パスさえ繋げばとりあえずはあちらに飛ぶ事が出来る筈だ。もし、パスを繋がないと、普通は有り得ないのだが肉体だけ飛ばされるとか、逆も有り得るし、部分的に飛ばされるというのも考えられる。ケースバイケースで本来の形とは違い不完全な状態になる事がある。今回こういう形でパスを繋げたが緊急的な措置だと考えてくれ』


「完全な状態で飛ばされるって言うのはどういうことだ?」


『通常ならば、こちらの世界には肉体だけ残り、代理人がその対応をする。周囲にいる者は基本その者達の記憶を一時的に失う。言わば精神のみが決戦の地に飛び立ちそこで再構築される』


「…………飛ばされない方法は?」


『通常以上にダメージを負うと権利を失い最悪死ぬ。残念ながら選ばれた以上は無い…………筈だ。人の身に支払えない程の代償を支払うのなら可能かも知れない。だが、我々は方法を知らない』


「どういう選別で選ばれるのかは知っているのか?」


『それは簡単だ。誰にでも有るだろう些細な事柄だ。何かを欲する事。選ばれた者は欲望に忠実になる。個人差はあるだろうが。唯それだけの筈だが、あえて言うならば運命と言っても良いのかもしれない』


「運命――――受け入れるのならばそれはとても簡単な言葉だな。あと……」


『すまないが、もう時間が無い。早くパスを繋げろ』

「わ……解った」



「穂美香。起きているか?」


俺は向かいにある穂美香の部屋の扉をノックすると声が聞こえた為、扉を開け中に入った。

「…………お兄ちゃん」

「具合はどうだ?」


「うん。大丈夫……。でも、何か、不思議な感じだね」

「ああ。そうだな……」


「…………穂美香。さっきの襲われた事は覚えているか?」

「うん。凄かったね。あれ――――魔法だよね?」


「そうだな。本当なら、見た事に対して感動したいんだが、実際それで襲われるとな……」

「うん。あの後って……もしかしてあおちゃんが助けてくれたの?」


「……そうだ。俺は何も出来なかった。…………あ、正確にはルカニーと青葉。かな?」

「え? どういう事? ルカニーって。あの?」


「ああ。そうだ。あの後俺も頑張ったんだが、もう駄目だ。と思った時にあのルカニーが助けてくれた。けど敵が二人いたから。……その後青葉が一人追い払った」


「そっかぁ…………ありがとう。お兄ちゃん」

「いや。俺は何も出来なかった」


「でもわたしには解るよ。お兄ちゃんが守ってくれた事が…………」

「……………………」


「わたしも何時か…………お兄ちゃんを守るね。絶対に!」

「…………ああ」

『すまないが、早くパスを繋げてくれ』


本日から新作。


『サブスク女子』


始めました。本日は7話までUpしております。

サクサクと読める感じにしています。


ぜひ読んで見てください。

よろしくおねがいします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ