11みゃー子先生とフライングおばば
うーん。何処にも載ってないや。まぁ姉さんに聞けば解るだろうけど……。
そだ、司書の人に聞いてみよう。受付に行きスキルの事を聞いてみた。
「あぁ、それは良く聞かれる事がある質問でして私も知っていますが、本にも書いてあるので是非本を読んで見てください」
「えぇと、何ていう名前の本なのですか?」
「はい。幾つかありますが人気なのは『教えてみゃー子先生』ですね」
「…………あー。あの本」
確か隣にあった本だ。何の本だろうと気になったけどそういう事かぁ。
「『教えてみゃー子先生』は人生で行き詰まった時、読んで見ると結構良いのですよ。あの本は特殊ですし。子供か、行き詰まった人以外読めませんが」
「ありがとう。早速読んでみますね」
私は本が置いてある所へ向かい『教えてみゃー子先生』の鍵を差し込みロックを外す。
ページを一ページ開くとそこには何も書いてなかった。次のページを捲る。
しかしそこにも何も無かった。
あれれ? 何か間違えたかな? と更に先のページも捲るが何もない。私は混乱しながらページを捲っていると先ほどの司書の人が来てこの本は特殊なの、と私が開いていた本を閉じた。
その後、表表紙に戻し、一呼吸入れて話し出す。
「この本は特殊でして、ええと、まず表紙に何が見えます?」
「ええと、本のタイトルと、草木の模様?」
「はい。そうですね。では次に、何を知りたいのでしたっけ?」
「ええと……項目についての選び方とスロットについてです」
「では本を開いてください」
私は言われるがまま、本を開いてみた。すると文字が、ある。
「えー?」
「この本はそういうルールで出来た本なのです。仕組みは知りませんが」
「どういう仕組みなのでしょう?」
「多分誰かが何かを瞬間に送っているのではないかと」
「そんな事が出来るの?」
「冗談ですよ。恐らくですが、この本は見た目の数倍の大きさなのでしょうね。これ一つが小さい図書館と言っても良い品物です。唯、此処にある『教えてみゃー子先生』は結構、いや、これだけでも凄いのですが、範囲は狭いというか、狭く設定されている様です」
「…………なるほどー。魔法ですかね」
「そう。魔法ですね」
更に、限定エリアの方にも範囲が広い教えてシリーズがありますよと司書のお姉さんは話す。シリーズ物なのかな?
その後、本を読むと私の疑問は解決した。まだ他の本も読みたかったのだが、結構な時間見ていた様でお姉さんから後一時間で閉館よと教えてもらった。
そして先ほど本に聞いた内容は学校で教わるので詳しくは教えてくれません。というアドバイスを貰った。そういえば書いてあったかなぁ。
ギルドにも行かないとだから今日は此処までかな。私は鍵を返却してお姉さんにありがとうとお礼を伝えた。
……とりあえず解った事と姉さんの話を纏めると、ワード、エクスパ、コードとスキルは別れていて、ワードは誰しもが覚えられる項目の範囲。次のエクスパは才能や努力で覚えられる人が決まってくる。勿論、産まれたときからエクスパの項目にスキルを保持している人もいるが、ここまではある意味での凡人が辿り着ける範囲内。次のコードは言わば才能であり百人に一人ぐらいの割合でしか持つ人はいない。
ごく稀にエクスパからワードへと昇華したり、突然何かの拍子でコードを手に入れる人もいるらしい。
更に、基本多くても一人一つまで。これは原則。で、私は三つ持っている。んん? 謎だよ。
原則を外れ二つ持てた人もいるらしいけど例外扱いみたいね。それとは別に昔話があるらしく、コード同士を同じく愛でると喧嘩をし出すよって昔話があるみたい。なので優劣ではないけれどしっかりと順番を決めないといけないってお話との事。
図書館を出ると午後三時を少し廻った所。来た道を戻るのも考えたけど、ちょっと近道っと感覚でギルドの方向に足を進めた。
「ちょっとそこのおまえさん」
メインの通りの二つ裏の通りを進んでいると声を掛けられた。余り人通りが多いとは言えない道だからこそ私は声を掛けられた事を認識した。
振り向くとそこには老婆が私の方を見ていた。老婆は目の前に机のような物を置き椅子に座っていたが、私を見て立ち上がった格好をしていた。
少し大きな声じゃないと声が届かないかもと思い私はその老婆に近づいて挨拶をした。
「ええと、私に何か、御用ですか?」
「…………いや、すまない。見た瞬間声を掛けてしまった。運命を変えるにはまだ、もう少し早かった。あれじゃ、フライングじゃよほっほっほ」
「んん? 運命を変える? どういうことですか? お婆さん」
「まだ時では無かった。今話せることは何も無い。が、今度、この街に来た時、覚えていたら直ぐにもう一度此処へ寄ってはくれんかの?」
「……………………はい。解りました」
「まだ確定されし未来は見えん。今話すと余計なことを話しそうじゃ。また今度、必ず。ええか? 必ず来てくれ」
「はい…………」
何か意味深な老婆に声を掛けられたが、何だったのだろう? あれは…………多分まじないか、占いか。魔女の分岐に選ばれた人っぽいけど…………。
うーん。でも何処かで会った事があるような…………。いや、無いかなぁ。ううーん。
また考えながら歩いていたら目の前にはもう冒険者ギルドがある。何か今日はこういう日なのか。
私は中に入ろうとした時にギルドから出てきた人にぶつかった。「あーごめんね、お嬢ちゃん」私に声を掛けた人はそのまま行ってしまう。
…………うーん。このやり取りも何処かで……。今日はそういう日だったっけ。
ご拝読頂きありがとうございました!




