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104約十二年

俺は軽くフリーズしそうになる意識をこらえる。


えーと、脱衣所には俺とおばちゃん。



どうしてこうなった?



ここでばらしても、もう遅いよな……。

もう俺の心は半分泣いていた。


おばちゃんは素早く、忍者の様に服を脱ぐと、俺の肘を取り腕を絡めて浴槽に向かう。


隣には裸の幼馴染が裸の俺の隣にいた……。

大きな胸が肘に当たるが今の俺は気にしている余裕がない……。

勿論三賢者達は裏で動いている。

「もっと当ててもええんやで」「キマシタワー」「○○○弱そう」おい、漏れてる、ちゃんと裏でやってくれ。


「ごめんねー穂美ちゃん。今日は、穂美ちゃんと突然入りたくなっちゃったんだ。えーと、どれ位ぶりだったっけ? 私も忘れちゃったわ」


「……うん。久々に一緒に入ろうか」


約、十二年ぶりにな……。


じゃあ私が先に洗ってあげるねーと言い、俺を誘導し、椅子に座らせる。

もう俺はなすがままだった。


「穂美ちゃんとお風呂久々だな~」


おばちゃんはノリノリだ。俺の心はシオシオしていたが、もう諦めて開き直ることにした。

……大魔王とおふろの、じっかんっだよーみんなぁ…………見てね~。


俺のチキンなハートは何時まで持つのか、それは俺にも解らない。


「そうだねー」


「ふむー。穂美ちゃんも、一週間見ないだけで、凄く大人になったわね、まぁ、私と一つしか変わらないんだけどさぁ」


「そうかなぁー。自分ではよく解らないけど。そう見えるの?」


大魔王は俺の背中を攻撃しながら、時折、胸でも攻撃していた。


ごしごし、ふわっ、ごしごし、ふわっ。


もう全て攻撃だ。凶器だ。だが気持ち良い。

それは認めざる終えない。


男の子として。


俺も前は自分で一通り洗い終える。


「じゃあ交代しましょー。よろしく穂美ちゃん」


幼馴染みのなまめかしい背中が目の前に佇む。


ドキドキする。


俺は覚悟を決めて幼馴染の大魔王の背中を洗う。

だが、穂美香は胸がまだまだだ、成長途中の膨らみかけ。


これからの成長は恐らく著しいだろう。

後、二年は掛かるだろうか。


約束されし期待の兵器。でも今はまだ攻撃には使えない。


ごしごし…………ごしごし…………。


「朋との生活には、もう大分慣れた? 穂美ちゃん」


最近は毎日妹とスキンシップしてるよ。

というか、四六時中一緒にいるぜ……。


「うん。朋くんも結構、気を使ってくれるから」

「そっかー。まぁ、朋はシスコンだからねー」


まぁ、知っていて当然だろうな、大魔王の眼力は物凄い。

俺の親父も妹ちゃん(小5ロリ)を見ていて何か言われたみたいだったし……。


親父がロリコンだかどうかは知らないが。コイツの眼力は見逃してくれないだろう。


「やっぱり、そうですよねー朋くんは……」


「でも、その上で私の妹までそういう目で見てるからな~朋は。いや、それ以上な気がするわね~」


まぁ、良くご存知で。なんだったら告白しに行く途中だったんだよなぁ~。



………………結果こうなってしまったのも。



でも俺チキンだから、結局告白は出来なかっただろうけど。


「そうなんだー」

「この辺で良いわ。流して、お風呂に入ろー」


「はーい」

「ふぅー今日は疲れたから、お風呂が気持ちいわー」


全裸のおばちゃんは綺麗だった。


結構スタイルも良く、胸の形も整っていて、うむ。

うわわわ、……でっけーってほどでは無いのかもしれないけれど、それは見事な大きさと形をしている。


それが目の前にたゆたっている。

湯船に揺られてしゅらしゅしゅしゅ。ゆらゆらーゆらゆらー。


……俺の目線も釘付けになりそうだ。これはバレル。


そして保存はしない。

このシーンは俺のトラウマになる可能性もあるからな……。


「ファミリーレストランって大変そうだねー」


ゆらゆらーふわゆらー。


「…………うん。今日は結構お客さん多くてさー」

「繁盛店なんだ~」


「みたい。まぁ、でも本当に。今日は来て良かったわー穂美香ちゃん……」


――――――と言い、俺の腕を掴み、手のひらを自分の胸に触れさせて、一言。




こう言った…………「ギルティ」と。




「さて、何か言う事は有るかしら?」

「………………」


「そう……言わないの?」

「………………」


くっ……ころぉ。俺は声に出して叫びたい! 


湯船の中のあんよとあんよは何時の間にか、絡みついている。


動くことも出来ない。


「――――じゃあ最後よ。『いいの?』」


目の前の大魔王はもう片方の手で俺の頬に触れる。


顔を見ると余り見た事の無い表情でジトーっとしたハイライトの消えかかった様な目をしていた。


そして、トラウマとも言えるその言葉で俺を試すかの様に最後通告をした。


「っっ。わかった……。降参だ! おばちゃん」


俺はたまらずに胸を触れていない方の手を軽く上げる。

降参した直後、雰囲気は何時ものおばちゃんに戻っていた。



俺は諦めて、幼馴染と年貢を納めるべくお風呂を楽しむ事にした。



「良い心がけね。朋」

「……何時から気づいてた? おばちゃん」


どうやら俺たちは、幾つかの失敗をした様だ。その失敗が俺には見当も付かない。


「んー。何時からと言えば良いのか解らないけれど、朋と一緒にお風呂に入るのは十二年振りだったかしら?」


「ははっ。そうだな…………この大魔王め」

「私の成長した胸の感触はどうかしら?」


とても柔らかい。ふわふわしてほわーっと。

…………俺は何時か女性の胸を支えるお仕事に付きたい。


自給は最低賃金でも良いよ。

片時も離れず、胸を支える。とても人の為になるお仕事だろう。


……二の腕はぷるぷるしてパンパンになるだろうけど止むを得ない。


「…………凄く気持ち良いです」


「素直でよろしい。でも、ちゃんと目を見て話しなさいよ」


「絶対に嫌だ! 俺はもうおまえの胸と会話することに今決めた!」


おおきな大きなお胸さん。

始めまして。


いや、十二年振りかな? 最近はどうだい? うんうん。そうかそうか……。

成長したねぇ。


…………何だかおいちゃんうれしいお。


「もう、そんなに拗ねないでよ。力になるからさ」

「解った。じゃあその胸をたっぷり揉ましてもらおう」


俺の力になる。

俺に良い事をしてくれる。

俺に胸を揉ませてくれる。


脳はフル回転し自動的に脳内で変換されて食い気味に答える。


「仕方ないわねェー。もう一度言うわよ『いいの?』」

「ああ、『いいよ?』好きにしろ。俺も今を好きにさせてもらおう!」


もう俺は添えている指を動かしたい。

添えるだけでは儘ならぬ。

それだけしか考えていない。無論顔に出ているだろう。


……すまない穂美香。今お前の顔はとってもエロかわいくなっている筈だ。

それはそれで鏡を見たい気もするが。


「はぁー。……仕方が無いわね、好きにしなさい…………」

俺は一言喋るたびに、目の前に佇む大魔王の胸をひと揉みし、堪能させてもらうことにした」


「あん………………なるほどね。朋。貴方にはきっと、悪い事柄では無いのでしょうね」


俺は入れ替わってしまった経緯を所々端折って話をした。

今の俺は目の前の現実に夢中でそれどころではない。


ちなみに煩悩三賢者はガリガリと音を立てて脳内の片隅で動いている。


始めはさけずんだ目で俺を見ていた大魔王は時間を追う事に表情が変わっていく。


そして時折、胸を揉まれて小さく声を上げている。

その状況が今の全て。


俺の心の中では歓喜の鐘が鳴り響く。


「そう――――だな」

「そして穂美香ちゃんにも……」

「――――そう、なのかもしれないな」


気持ち的には胸を揉む手が止まりそうになったが俺の欲望は止まらない。


「それが問題ね……」

「流石、大魔王さま。……でも何時までも、このままでいる訳にもいかないんだよ」


と、云いながら何時までも胸を揉んでいる俺ガイル。

……ここが俺の母星か。


「なんで?」


「俺も少しづつだけど、おかしいと、そう感じ始めているんだがな、うん。穂美香はまだ気づいていないかも知れないけれど……」


「ストップ、とりあえず上がりましょう。このままではのぼせてしまうわよ」


今の時間は解らないが、恐らく結構な長い時間をお風呂に浸っているだろう。

その案に賛同する。


「そうだな。今日は泊まって行くんだろ?」

「そうね。それは変わらないわ」


俺たちは浴槽を後にし脱衣所で着替えて穂美香の部屋へ向かい、ベッドに座る。


「で、朋。…………何時まで揉んでいるつもり?」

「飽きるまで揉みしだく。十二年分だ覚悟しろ」


俺は髪を乾かすためのドライアーの時と着替えの時、それ以外はずっと胸を触り、揉んでいた。ちょっとあれもやりたいな……顔を挟んでさぁー。俺は言うタイミングを窺う。


「はぁーなんでそうなるのよ。せめて半分、六年分にしなさい」


そうか、あの『いいの?』が有った日からは確かに六年ちょっとの歳月が流れたな――――。


「……あぁ『いいよ?』交渉成立だな」

「『いいえ』やっぱりバカらしくなってきたわ」


と、言って俺の手を押し返す。

あぁん…………後ひともみぃー。わしゃわしゃした指先が空を切る。


「ほう…………良いのか?」


「ふぅー。まぁ、こんなのもフェアーじゃないしね。……良かったわね、朋。少ない時間でも私の胸が堪能できて……」


「ちぇっ。この悪魔が」

「あら、格下げ? この前は大魔王って言ってたわよね……陰で」


「ははっ。そうだな、やっぱりお前は可愛いよ。俺にとっては天使だ」

「忙しいわね、朋。まぁそんな調子でも成長し続けてくれれば良いのだけれど……」


「成長なんてしたくない。未成熟でもいいじゃない。俺はちっぱいのが好きなんだよ。言わせるな誇らしい」


「…………あれだけ揉んでおいて良く言うわね。ちょっと、もーいい加減漫才は止めて、本題に入りましょう。時間はあんまり無いし」


この際だから、ついでに他にも色々やるべきだったと残念がる俺がいた。


「あぁ、解った……とその前に種を明かせよ」


「…………動作に態度、眼線、眼の動き、昨日の状態に、魚、イヤリング、あとファミレスや言葉使い諸々もね。種も何もここまで揃えばねぇ。大盤振る舞いよ。後は勝手に解釈なさい」


「そっかー。こりゃ無理ゲーだ…………」


「そうね。まぁ仕方が無いんじゃない? 幾らでも調べる方法は有るけどね、まぁ、眼の動きだけでもきっと確信を持ったわよ、私は……」


眼の動きって、そんなの制御出来ない。

会話でも幾つか罠しかけてたんだろうな。

しかし魚って…………そうか、俺は骨を綺麗に取れないからなぁ……。



これは相手が悪い。




「よし――――始めるぞ………………実はな、徐々にだが、俺の心はこの身体と馴染みつつある。始めは気のせいかと思っていたんだが……」


「馴染む……というと、つまり同化しているってこと?」


「あぁ、俺の心も女性になっていく、そんな感覚だろうか……」

「ふーん。……別に良いんじゃないの?」


「それは困る。時間が経つにつれ、俺は俺でいられなくなる。それを受け入れたくないし穂美香が俺のような性格になるのは流石になぁ」


このペースで進行していくと、恐らく、感覚的な概算だが、もって一か月が限度だろうか。

…………俺はきっと心まで女性になってしまう。それはちょっと。


「まぁ、解らないでもないけど。それも一つの道でしょ? 諦めて受け入れちゃえば?」

「むー。確かに受け入れるのは簡単だ。でも俺は今の欲望さんと別れたくない」


「欲望さんって…………もう別れなさい、そんな色魔。それと大丈夫、別の欲求が朋を満たすはずよ、シスコンさん」


「えー。俺はシスコンも男も止めたくない~。穂美香の体でいられるのは良いんだけれどさー」


もうそんな状態は俺では無い別の何かだろう。

……別の欲求って、少しだけ想像して俺は怖くなった。


「贅沢ね。でも、戻る方法も解らないんでしょ?」


「今の所、手がかりなし、お手上げだよ。まぁ、何も手を付けていないけれどね。今までは現状を維持するので精一杯だったし」


俺は正直困っている事を白状した。


「……一つ、気になる事はあるわよ。でもその場合、私は力になってあげられないわ。残念だけど、貴方達が頑張るしかないわね」


「――――何か、有るのか?」


「そうね。恐らく、それ関連でしょうけど、私には権利がないの。もし、その権利を手に入れたら力になるわ。まぁ難しいでしょうけど」


権利。


間違いなく青葉は何かを知っている。

それは何だ…………青葉にしては回りくどい気がする。


これはもしや。


「言えない事が、有るんだな?」


「……正解。制約されていてね。それに私は今回の件に関しては、言わば部外者なのよ。例えばテニスの試合を二試合やっていて、先に試合が終わったからといって、隣の試合に割り込むことはルール違反でしょ? 突然シングル対ダブルスみたいな試合。誰が許すのよ…………でも、そうね。どうしょうも無かったら、心の中で強く私を思いなさい。そのゲーム――――――――私が壊すから」


「――――解った。自分でなんとかしてみるよ。ありがとう青葉」


青葉の言葉になんとなく理解する。

というか、受け入れるしかなくプレイヤーは自分たち。

と言う事なのだろう。


しかし、壊すって…………破壊神か。


「私の名前を呼ぶなんて久々ね。まぁ、良いわ。朋…………成長してみなさい。そんなの対したこと無いわよ。何故ならば私がここにいる事がその理由であり証明よ」


なるほど、これは……いや、今考えても余り意味を持たないか。


「そうなのか……。じゃあ頼る訳にはいかないな……」


「………………でも一応、言っておくわね――――。【現世の理を捻じ曲げて揺蕩う本来の姿と共にあおと我をその場に具現させよ、古の契約――――――蒼羽の名の元に――】」


「『いいの?』…………っ。後はその時が来たら使いなさい。でも――――使わない事を私は願うわよ、使ったら貴方は私のものよ物扱いしてあげるわっ。大魔王との魂の契約なのだから、当然でしょ? 良く考えて…………決めなさい」




じっ…………じゅ呪文? 



何か聞き取れない言葉もあったな……。


物凄い意志の力を感じた。


目の錯覚か? いや今、音と共に空間が思いっきり揺れなかったか?

歪んだのか?


「…………お前やっぱり大魔王なんだろ――――。まぁ、充分過ぎるほど理解した。せめて心だけでもお前とは対等にいたい」


「そうね。良い心がけよ。これは貴方と私、以外の人や物までも巻き込む程の大きなリスク、犠牲の上に成り立つ契約よ。最悪、世界が一度滅ぶかもしれないわね。まぁでも、私の下僕になりたいのだったら、喜んで使いなさい。それも楽しい日々かもよ? 主に私がね……」


そういうと青葉は少し寂しそうに俺を見つめる。

その顔を見て俺は腹を括った。


「………………解った。すまないな。青葉」


「別に良いわよ、貴方と私の仲でしょ朋。それにね…………」


言葉の後半は声が小さすぎて聞こえない、半分は独り言だろうか。


「……そろそろ寝るか、明日早いんだろ?」

「そうね。頬にキスして、勝手に出て行くから気にしないでね」


「好きにしてくれ。おやすみ」

「おやすみ。朋」



早朝。青葉は家を出て行った。頬に何か触れる感触と共に――――。



朝、制服姿の穂美香に起こされると、俺は着せ替え人形の様な状態で制服に着替えさせられた。

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