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102夢おち

「ふぁー」

「ちょっと、長湯しすぎちゃったね、ぷはー」

「そうだな、結構のぼせたな」


結局なんだかんだで一時間を超えるぐらいお風呂に入っていたな、着替えて髪を乾かした後、水分補給をたっぷりし、各々トイレを済ませ、二階の穂美香の部屋へと向かう。


「穂美香。ちょっと、おでこ見せて」

「うん」


俺たちはあの時、互いのおでこを、お互いにぶつけていた。


「大丈夫そうだな、こっちも診てくれ」

「うーん、大丈夫そうだね」

「そうか、よかった」


廊下で二人見つめあい、互いに笑いあった。

部屋に着き、二人ともベッドに腰掛ける。


「ちょっと、耳かきしてくれ」

「おっけー」


穂美香は綿棒を用意すると、布団の上に正座して膝をポンポンと叩く。


「どうぞー」

「うい、よろしくー」


穂美香は少し照れながら俺の耳掃除をしてくれた。

俺も交代して穂美香の耳掃除を行った。


「あ、そうだ、ちょっとパソコン付けて」

「え、うん。どうしたのおにいちゃん」

「今日お昼過ぎに話していたさ、ネットゲームのキャラだけでも作っておこう」

「うん。今付けるね。……どんな感じのゲームなの?」

「うーん、まぁ、RPGだよ。オンラインで他の人達と同時に出来るね」


そういえばネットゲームで、人にどんな感じのゲームなのって聞かれて、面白さを伝えるの難しいな。


あれは、言葉では伝えられない面白さがあるんだよなぁ……。

人によってゲームから受ける感覚も、結構違うだろうし……。

やっぱり面白さは自分で見つけて欲しいんだよなー。


「わたしも前に……なんとか、っていうRPGやったことあるなぁ……もう忘れちゃったけど」

「まぁ、試しに今度やってみてよ、俺が今ハマってるやつだからさ、今日はキャラだけ作ろう」

「わかった。今度、試してみるね」


PCが立ち上がり、俺はネットに接続すると、『トミエクマ』のダウンロードサイトを開きゲームをダウンロードし始める。


ついでに先ほどの地震をインターネットで確認すると特に被害は無かったようだ。

俺の住んでいる区域は震度二だった。一番高い所でも震度三。ふーむ。最近地震も多い気がするなー。


「ダウンロードに十五分ぐらい掛かるかな」

「じゃあ、ちょっと水分飲み足りないみたいだから、台所にいって飲み物持ってくるね」


「あいよ、俺のぶんもよろしく~」

「わかったー」


穂美香は部屋を出て階段を下りていく。あと半分ぐらいかなー。

あ、明日の対策も話しておくか。


「ココアで良いんだよね? おにいちゃん」

「うい。さんきゅー」


長い時間お風呂に入っていた所為もあり、身体が水分をまだ求めていた。


「穂美香、明日は朝からおばちゃん対策をしよう」

「あーうん。そうだね。でも、大丈夫かなぁ~」


「うーん、恐らく回避出来る確立は、限りなく低い。三割有れば良い方だと俺は思っている」


もしかしたら、商店街ではたまたま見逃してくれただけかもしれない。

基本的にアイツは直線的に物事を解決する。


逆にそれ以外の行動を取った時の方が俺にしては恐ろしい。

まぁ、どんな理屈でおばちゃんが行動しているのかなんて所までは流石に読めない。


「やっぱり、そうだよねー。あおちゃんはわたし達を知りすぎているし、なんか無理な気もするね」

「だが、少しでも確立を上げよう」


「それが良いかもしれないね。巻き込んじゃうのも悪いし、きっと迷惑をかけちゃうね。あおちゃん結構、面倒見良いから……」


「まぁ、明日考えよう……おっ、ダウンロード終わった。展開してっと」


パソコンの画面にはダウンロード終了のホップアップが映り、更に展開していきゲームスタート出来る状態までの調整が終わる。


「うん。そうだね。明日は、あおちゃん大まおーと戦うよ!」

「あぁ、ぎりぎりまで粘ろう。うし、じゃあこれでキャラはメイク出来るから、自分の好みで作ってみてよ」


「わかった。やってみるね」


穂美香はキャラを作っている。俺もあの続き、やらないとなぁ……。

結局あのまんま放置だもんな。


明日おばちゃんが帰ってからか、明後日学校から帰ってきた時で良いか、今からやるのもなんか面倒だ……。


もう今日も疲れたし、階段も一歩また上がれた気がするし。

いや、今日のは二段飛ばしで上がれたな!

良い調子だ。穂美香もなんだかんだで、俺の事を思ってくれている様に思える。


まぁ、家族愛だろうと何だろうと、俺にとってはどちらでも良いしな。俺も似たようなもんだ。


だが、俺の妹愛は……深いぜ? 穂美香よ、おまえも深遠に招いてやる。

穂美香がどんなルートを通るのか、何処に辿り着くのか。興味は尽きないな。


なあに、悪いようにはしないさ。

ふっふっふっふっ、ふひっひー。おっと、疲れてるし、この辺でふひるのは止めて置くか。


「できたよーこんな感じで良いのかな? おにいちゃん」


PCのコンソールにはエディットされた女性キャラが映り、右には各種パラメータや種族や所属など様々なキャラ初期設定モードが見える。


「どれ、あぁ、大丈夫だ。明日おばちゃんが帰ってからか、明後日以降にやって見てよ」

「そうだね~。んと、ここを押してスタートすれば良いんだね」


「そそ。起動して、キャラ選んで、そのボタンを押す。チュートリアルは意味無いから、飛ばしても大丈夫」


中にはゲーム始めるまで結構解りにくくて、時間掛かるネトゲも有るんだけど、トミエクマは分かりやすいんだよな。


「ふむふむ。……なんとなく分かった。じゃあ今度やってみるね」

「あぁ、俺もログインするから、やるときはゲーム内で合おう。俺のキャラ名は『ラオーア』ってキャラだから」


「おっけー。わたしのは『レイ』だよ」

「ぶっ…………よくそんなの弾かれなかったな、普通に考えると直ぐに名前が埋まりそうな気がするが……」


危うくココアを零す所だった。

しかし、安易だろ……まぁ、良いけどね。やっぱり東条レイからつけたのだろうか?


「弾くに埋まる? ん? どおいうこと?」

「あぁ、他の誰かが付けた名前は、付けられない決まりなんだ」


俺は穂美香へ理由を説明することにした。


「――――大体のゲームでは同じ名前は付けることが出来ない」


……極端な例かもしれないけど学校の同じクラスに同姓同名が十人とかいたら、当事者含めクラスメイトや担任の教師も……全員が困るだろう? 弾くは入力を受け付けてくれない、埋まるは誰かがその名前を使ってしまったって意味さ、まぁエラーみたいなもんだ。と穂美香に伝える。


「ふーん……ということは誰もつけなかったってことかぁ」

「入れたならそれで良いんだ。俺からいう事は何も……まぁ無い」


穂美香は『クッ……殺せ!』とか、ゲームの中で言ってみたい願望とか……気のせいか。


「えへへー」

「そろそろ寝るか、結構良い時間だし、……よっと」

「そだねー。……んしょ」


「じゃあおやすみー穂美香」

「おやすみ、おにいちゃん……」




深夜、真っ暗な部屋の中――――――。




――――嫌ぁ!! やめておにいちゃん。……クックック、もう身体の自由は奪ったも同然だ。お前は……お前の身体は俺なのだからな!



おにい、ちゃ、ん……クッ、そんな…………。

ふひひ。往生際が悪いな、もう諦めろ、おまえは俺のものなのだぁ~。



ふぁーっはっはっはー。

お願い、おにいちゃ んっ。……ふひひひ、こうしてくれるわ、ぐへへへへ、はぁはぁ、ここはどうなんーだっ? はぁはぁ…………ふひっひー。



兄の魔の手が妹に迫る! 次回予告『堕ちた妹、おにいちゃんもうやめて』に乞うご期待。






――――――――はっ! …………夢、かぁ~。


――――悪くないな、夢落ちでおちいもか。もう少しひねって……。

おっと、いかん、もう一眠り出来るな、ふわぁ……。


――――そんな夢をみた。



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