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カレーが肉じゃがに変わるとき

作者: しゃん
掲載日:2020/01/19

人参と玉ねぎを適当な大きさに切り、鍋に入れる。

まな板を洗い肉を切りまた鍋に入れる。

今日の夕飯はカレー。

作業の合間にスマホを開くもまだこずえからの返事は来てない。


さっきまで5分たらずで返って来ていたのに急に来なくなると不安になる。


こずえとは3ヶ月前、お得先が主催するセミナーで知り合った。

貸し会議室をアレンジした、金融商材に関するセミナー。老後の不安を払拭するために今のうちから投資をしようといういつもの手口だ。

前半、講師が今後の国の財政が傾くことを声高に語り、不安を煽る。

そこへ後半、救世主の若く商材の説明、営業が始まる。

説明までがあくまでセミナー形式で最後の営業は個別担当者が回って口説きにいく。

仕事上の付き合いとして参加した俺のもとへ営業に来たのがこずえだ。


お得先故に本音は言えないが、将来への備えが必要と思っているものの目の前の生活が精一杯だった。

節約のしようは幾らでもあるかもしれない。

仕事のストレス発散にと良く行く飲み会の数を減らせば少しはどうにかなるかもしれない。そんなことを考えては、自分の心に負け結局毎度何もしていない。



こんな自堕落な一面は、こずえにもきっとすぐに見破られてしまうだろう。


だけどこずえは挨拶もそこそこに、


「一応、説明はしますけど、貴方関心ないですよね?」


と打ち開けられた。

そんなこと言われてる姿をお得先に知られる訳にもいかず必死で体裁を整え状況を説明した。


「お互い大変ですよね。

この後お時間ありますか?

仕事してるふりしてちょっと早めの夕飯でもいかがです?」



そこから定期的に連絡し合い、飯に行く仲になった。


きっとこれも営業の一つだろうと、勘ぐりつつ丁度良い距離感を保っているつもりでいる。


でも結局こうして連絡が来ないだけで不安になってしまう。

なんだか自分が、情けない。


カレーまだ途中だけどどうにかつまみに変えて酒でも飲もう。

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