6冊目.悪夢
僕は壊れた自転車をガタガタ引きながら帰った。
明日は電車で学校にいこう……
そんな事を考えながらいつもより時間がかかりながら家についた。
僕は自転車を駐輪場に止め、ため息をついて自分の部屋へ向かう。
鍵をバックから出し、扉を開け入る。
その後鍵を閉め、鍵を机の上におき、コップを出し水を飲む。
喉が凄く乾いていて、直ぐに空になった。
僕は、息を吹きながらベットにへたりこむ。
あ、何か食べないと……
食べないと……
洗濯機回さないと……
……
僕はそのまま寝落ちした。
――――――
何だあれ……
僕の目の前には、前に夢で見た赤い髪の少年と手に刀?、刃?みたいなものを持っている大男がいわばで向かい合いながら視線で牽制しあっている。
良く見ると、赤髪の少年は全身に切り傷があり、そこから血が出ている。
そして状況は動く、大男が刃をふった。
少年は岩を浮かせて防ぐ。
一瞬でも気の抜けないピリピリと、した空気が流れる。
僕はさっき?あった不審者と謎の人物の戦いを思い出した。
それを考えた時に少年と目が合い瞬間、僕の視界は黒に埋まった。
何もないみたいだった。
視界が開ける。
目の前には大男がいた。
そう、ついさっき赤髪の少年がいた場所だ。
そして大男が刃をふる。
僕は避けた。
僕には避けることだけしかできなかった。
何度も大男は刃をふる。
僕は逃げ回った。
刃が当たったとこは血がでた。
ジワッとそこが熱くなる。
「逃げてていいのか」
頭に響いた。
僕は何を思ったのか、大男が刃を振り落とした瞬間にできた隙を利用し、蹴りを入れた。
自分でも不思議な瞬間だった。
僕は後ろに飛ぶ、体は軽かった。
大きく後ろに飛んだ。
大男は此方を見ながら口から泡を吹いていた。
ジワッ……
右目に違和感が来るが、僕はそれを受け入れた。
すると大男の動きが手に取るようにわかった。
反撃しよう。
大男が刃を振り落とした時にできる隙をまた利用し、大男の股下をスライディングでくぐり、後ろに回る。
その勢いを殺さないように足でのブレーキを使い跳ぶ。
大男の頭辺りまで跳び、回し蹴りをした。
大男の顔面に直撃。
僕は心のなかでガッツポーズをした。
しかし、僕が着地する前に大男に足を捕まれた。
ブンッ!
僕は思いっきり振られ、遠心力で気持ち悪くなる。
大男はそのまま手を離し僕の体は宙を跳び、岩に激突した。
ゴフッ
口から血が出る。
「まだ逃げてるな」
頭に響く。
僕は岩に背中を預けながら、頭をふった。
そして立ち上がる。
僕の目が光った気がした。
近くの小石が浮く。
これはあの赤髪の少年がしてたやつ
その小石に大男の方へ飛べと思念を送る。
すると綺麗な軌道を描き当たる。
小石が当たった大男は、急に怒り狂うように暴れた。
その後、大男は体を丸くした。
ジリジリ、バキバキ
大男の体から変な音がして、体のあちこちから刃が生える。
大男の体はどんどん異形な形になる。
僕はそれを見ていた。
瞬間。
僕の目の前に異形な形になった大男がいた。
えっ、早いのか
グサリ……
僕の腹部に刃が刺さる。
タラリと、血が流れる。
そして刃が抜かれる。
血が吹き出し、僕は倒れ、全身に地面を感じた。
自分の下の地面が湿っていくのがわかる。
僕は、目で大男の方を見る。
すぐそこに刃があった。
視界はまた暗くなった。
「やはり、駄目だったか」
誰だ、お前は誰だ?
……
僕の瞼がゆっくりと上がる。
状況が理解できず首を動かし周りを見る。
そこは僕のベッドだった。
そして僕は凄く汗だくだった。
体を無理に動かし、シャワーを浴びにいく。
さっきの夢は何だったんだ
あれ、どんな夢だっけ
何か凄く嫌な感じだったことだけは覚えている。