閑話22 暗躍する者達
ソエリス帝国、皇帝オズノート私室。
皇帝となったオズノートと、帝国軍大将団“十傑衆”で2位から1位に昇格したカイゼル。
そして同じく4位から2位まで昇格した、アーシェが居た。
先日の連合軍との大衝突から1カ月。
帝国軍大将団“十傑衆”の6位から5位に昇格したゾルゲを大将とし、“霊峰の平原”の前線に兵を並べたまま睨み合いが続いている。
本来なら、発動させた戦略級大魔法で連合軍の『東方大要塞』を壊滅させ進軍する予定だった。
しかし、主席シエラの能力によってかき消されるという予想外の事態となり、また大将本陣に据えていた“2位カイゼル”の影武者と数十人の幹部兵が殺害されたため、撤退を余儀なくされた。
だが、連合軍の出鼻を挫くことが出来た。
得た情報によると。
・ 十二将第5席ゴードンが負傷し、とても戦線へ復帰できる状態ではない。
・ 連合軍の負傷兵が多く、軍を投入しているが未だ混乱が大きい
チャンスではあるが、相手も警戒している最中。
ここで突撃させて兵をむやみに消耗させるわけにはいかない。
戦略級大魔法も、連合軍も放てる状態かもしれない。
だが、真偽不明ではあるがより大きい情報もある。
・ 主席シエラが神経衰弱により退任するかもしれない。
連合軍の中でも飛びぬけた戦力。
天才少女としてその名を帝国内でも馳せ、敵として八面六臂の動きで帝国の進軍を阻害してきた、名将。
しかし、その実は貴族でも何でもない、小娘である。
十二将主席の重責。
兵を多く失った責任感。
そして、連合軍トップ“総統”マルゼン・フォン・ソリドールが病で瀕死の様子。
暫定で現トップとなったシエラという小娘が、その重圧に耐えられるとは考えられない。
退任すれば、それだけ連合軍の戦力が大幅ダウンとなる。
そのチャンスを、狙っているのだ。
先の大衝突では撤退を余儀なくされたが、帝国軍の消耗は最小限であった。
“十傑衆”も7位から6位に昇格したウルフェル以外は万全である。
また、新たな戦力を“十傑衆”に迎えられるため、オズノートの体制は盤石なものであった。
「準備は万全ですぞ、陛下。」
帝国軍の大将軍となった1位カイゼルが満足そうに報告書を読み上げ、伝える。
豪奢な椅子に足を組みながら座るオズノートも、満足そうに頷く。
「これも全てお前たちの働きのおかげだ。礼を言う。」
「勿体なきお言葉です、陛下。」
恭しく頭を下げるカイゼルと、アーシェ。
「しかし……。ゼクトの奴が間者だったとは未だ信じられない。それに、姉上だ。殺す必要があったか、未だ判断に悩む。」
思わず心境を吐露するオズノート。
顔を顰めるカイゼル。
「陛下、なりませぬぞ。ゼクトの疑いは晴れぬ。それに、仮にオフェリア様がご生存であると、オズノート様の皇帝位継承に異を唱える輩も出たことでしょう。」
「確かに。姉は民に絶大な支持を得ていたからな。」
伝説の【聖】。
7属性の魔法を全て使えるという【魔聖】を得た、英雄オフェリア。
【加護】を授かった後、まだ交流があった四大公爵国のソリドール公爵国へ2年程留学をし、そこで見違えるほどの実力と知識を得て帰ってきた。
先々代皇帝である、オフェリアとオズノートの父が病で倒れた際は、暫定皇帝としてその敏腕を振るい、同時に“十傑衆”4位として軍にも影響力があった。
まだ【加護】を得る前だったオズノートは、姉を心底尊敬していた。
その後、先々代皇帝が逝去し皇帝位を継いだオフェリア。
ほぼ同時期に絶大な【加護】を授かったオズノート。
伝説の英雄王の【加護】
【聖王】
それをオズノートは授かったのだ。
かつて500年前、【聖】を率いて【赤き悪魔】を退けた、大英雄。
後にソリドール公爵国を建国した【聖王】ラグレス・ソリドールの加護だ。
溢れる力。
そして、知識。
全てを率いるカリスマを得た。
そして同時に湧き上がる疑問。
何故、自分ではなく“姉”が皇帝なのか?
生まれた順序?
実績?
それを覆す力を、自分は得たというのに!!
その証拠に、自分を心酔する部下に恵まれた。
帝国軍に皇帝と同列の影響と権限を持つ、将軍カイゼル。
猛将と名高いゾルゲと、ウルフェル。
まだだ。
まだ、足りない。
そこで、昨年【風の神子】を授かった娘。
アメリア・ラナトリアを“十傑衆”の末端である10位に据え置き、自分の婚約者に仕立てた。
暗躍する、皇帝の弟。
だが、当の皇帝は……。
四大公爵国との共存の道を模索していたのだ。
もし、これが成すと……?
自分が皇帝になっても、その道を継承しなければならない。
オフェリアの、後。
オフェリアの、傀儡。
それが果たして、自分が目指す皇帝像か!?
皇帝たる者、覇道を突き進まねばならぬ!
【聖王】は、世界の王。
ならば統一せねばならぬ!
皇帝である、姉オフェリアとの道を違えた瞬間であった。
カイゼルと共に、帝国軍の掌握。
財政権限を担う政治部、通称“内政”の切り崩し。
そして【風の神子】との婚約。
全て、1人の女の手柄であった。
「絶大な人気と言えば、陛下はそれ以上でしょう。【聖王】が皇帝ですよ? 帝国の民どころか、四大公爵国からも民が陛下の元に付くかもしれませんね。」
その女。
アーシェ・ラナトリアが上品に笑う。
そう。
カイゼルの力も絶大だが、それ以上の働きをしたのが、アーシェだ。
姉オフェリアと1位ゼクトの企て。
それを看過し、逆に利用して“処分”出来たのも、この女の働きだ。
何より……。
「カイゼル、少し外してもらえないか? アーシェと内政について相談がある。」
「御意に。」
恭しく頭を下げ、カイゼルは皇帝私室を出た。
部屋内は、オズノートとアーシェの二人。
「アーシェ、こちらへ。」
オズノートが手招きすると、アーシェはオズノートの隣へ立ち、そのまま身をオズノートへ寄せた。
「ふふっ。陛下ったら。妹が見たら何て思うのでしょうか。」
「それは不味いな。だがオレは……。」
オズノートは、アーシェと向き合う。
「心は、お前だけだ。」
「まぁ、お上手ですね。」
オズノートは、アーシェに口づけをする。
うっとりとした表情の、アーシェ。
「ですが陛下。足元を盤石にするにも、【風の神子】たる妹の存在が必要不可欠です。このような逢瀬は控えるべきですよ。いつ、誰がのぞき込むか分かったものではありません。帝国の内政を見てきた私です、一時の欲情で取り返しのつかない破滅へと向かった輩はごまんとおりますよ?」
「ああ。肝に銘じる。」
そう言い、再度口づけをするオズノート。
「……全く、陛下ったら。」
「連合軍を駆逐し、アメリアを娶ったら…。お前を側室に迎えたい。」
うふふ、と笑うアーシェ。
「それは魅力的。ですが、姉妹を正室、側室に迎えるなんて前代未聞ですわよ? よからぬ企みを持つ者も現れましょう。なので……。」
アーシェも、オズノートに口づけをする。
「このような、刺激的な関係を続けましょう。陛下。」
「お前は……。本当に優秀で良い女だな。」
さて。
そう言いアーシェは身体を起こす。
「陛下に折り入ってご報告が。新たな“十傑衆”の候補についてです。」
「仕事が早いな。欠員はゼクトとオレの二枠だ。誰が居る?」
アーシェはオズノートの手を握って伝える。
「一人は、カイゼル様が押しております、カイゼル様の御子息の“ラムゼル”様で良いと思います。帝国の東、ジパルズ王国へ留学中でしたが、先日呼び寄せました。彼の実力なら4位で十分務まるでしょう。」
「ああ。彼の事なら良く知っている。【雷陣天雲】といったな、確か。」
頷き、同意するオズノート。
「で、もう一人は?」
フフ、と笑うアーシェ。
「掘り出し物ですよ? ”とある国” を追われ逃げてきたのですが、絶大な【加護】を持っています。即戦力となりますし、その力をご覧いただければ、きっと陛下も御気に召すかと。」
「名は?」
アーシェの瞳が、怪しく光る。
「“パメラ” と申します。“十傑衆”9位を任せようかと。指導は、この私めが行います。」
「そうか。その者はおるのか?」
「はい。今こちらへ。」
アーシェは一旦皇帝私室を出た。
しばらくして、1人の女を連れてきた。
燃えるような“赤髪”、だが目が虚ろ。
生気を感じない無表情の女であった。
「その者が、パメラか?」
オズノートは怪訝そうに言う。
「はい。さぁ、陛下へご挨拶を。」
アーシェがにこやかに伝えると、パメラは上品なカーテシーをする。
「この度はお招きいただき光栄です。オズノート皇帝陛下。ご紹介預かりました、パメラと申します。以後お見知りおきを。」
淡々と告げる、パメラ。
「ふむ。では、どのような能力を持っている? お前はアーシェが推薦する逸材だが、登用するかどうかはそれ次第だ。見せてみよ。」
「パメラ、“アレ” を。」
「……はい。」
パメラの能力。
それを目の当たりにして、オズノートは目を見開き、驚愕する。
「ハ、ハ、ハハハハハ!! 素晴らしい!! まさに逸材。よくぞ見つけてきたアーシェ! そして我が呼びかけによくぞ応えてくれた、パメラよ! 今からお前は帝国軍大将団“十傑衆”9位、パメラだ!」
満足そうに笑い、宣言するオズノート。
アーシェとパメラは頭を下げ、部屋を出る。
「素晴らしい。まさに盤石だ。これが【聖王】!! そうだ、オレが、世界の王だ!!」
オズノートの野望が、動き始めた。
――――
「ふむ、これで“十傑衆”も盤石だな。」
カイゼルの私室。
そこにやってきたのは、アーシェとパメラ。
「カイゼル様の御提案通り、ご子息について4位を任せるよう陛下に進言したところ、快く受理されました。」
アーシェの報告に、ククク、と笑うカイゼル。
「素晴らしい。よくやったぞ、アーシェよ。」
「勿体なきお言葉。」
カイゼルは豪快に火酒の瓶を煽る。
「儂は1位、お主は2位。愚息は4位。そしてお前が連れてきたその娘も晴れて十傑衆。まさに盤石だ。」
「ええ。3位に昇格したミロク様は相変わらず何をお考えなのか読めませんが……。私たちが挟んでしまえば、彼も余計な企てはしないでしょう。」
気になるのは、オフェリアを排除したあの日。
ミロクは、彼女らが企てをした例の会議室で罠造りに精を出していたはずだ。
オフェリアとゼクトを排除した後は、その“罠”を証拠として、ミロクも始末する予定であった。
しかし、アーシェの叫び声を聞いてやってきたという、ミロク。
そして、ゼクトの殺害。
その状況でミロクを“裏切り者”として排除することが出来ず、やむを得ず不問とした。
そして彼の実力からしてみて、5位から3位への昇格は止む無しであった。
オフェリアに忠誠を誓い、ゼクトと親友であったミロク。
“何か”を考えている。
そう思うのが自然であった。
そこでカイゼルとアーシェが下した手段が、カイゼルの息子ラムゼルの登用。
実力も高く、4位を任せられる人材である。
偉大な父カイゼルの元だ、良く働くだろう。
1位カイゼル、2位アーシェ、そして4位ラムゼルの包囲網。
ミロクが内心どう思おうとも、オズノートに忠誠を誓わざるを得ない状況を作り上げた。
帝国軍は、実質、カイゼルの傀儡である。
邪魔だった、皇帝オフェリアと1位ゼクト。
両者がただならぬ関係であったことは知っていた。
まさか、公爵国の犬に成り下がっていたというのは驚きもしたが、排除する理由が出来たことに内心歓喜した。
内政に強いアーシェに彼らからの信頼を得てもらい、そして“罠”に嵌る振りをして、逆に“罠”に嵌めた。
そして成した。
皇帝暗殺と、ゼクトの排除。
全て、自分の掌の上。
上手く機能し、良く働く信頼のおける部下アーシェ。
カイゼルは、凄惨な笑みを浮かべる。
「これで……。あの “無能の小僧” が皇帝だ。どうにでも操舵できる。儂が“世界の王”になる礎として、散らすのも華であろう。今は付き従うが、いずれオフェリアのように消せば良かろう。その時、儂は帝王だ。」
野心と野望。
老獪なカイゼルは、虎視眈々と、“帝王”の座を狙う。
「お主には益々働いてもらうぞ、アーシェ。」
「お任せください、“大帝” カイゼル閣下。」
「くくく…。もし我が覇道を成した暁には、ラムゼルの正室にしてやろう。儂らは家族だ。遠慮はいらんぞ? アーシェよ。」
下卑た目でアーシェを見るカイゼル。
笑顔で頷く、アーシェ。
「有難き幸せ。」
――――
アーシェの私室。
オズノート、カイゼルとの面会を果たし、新たな十傑衆パメラを連れてアーシェは戻ってきた。
戻るや否や、アーシェは紡ぐ。
「『“因果律操作【隔離】” “本体” “座標値、認知空間” 』」
その言葉と同時に、アーシェの部屋内の時間軸が緩み、ブレたように映る。
アーシェはその青髪を、金髪に“戻して”笑顔でパメラに振り向く。
「さて、改めておかえりなさい! “パッちん”♪」
その声で、感情が抜け落ちていたような表情のパメラは、燃えるような赤髪を金髪に“戻して”、まるで人が変わったかのように破顔する。
「たっだいまぁ! “アッちゃん”♪」
抱き合う二人。
キャハハハ、キャハハハ、と喜び会う。
「てか、因果律使い過ぎじゃね!? その内、死ぬぞ!!」
パメラがドン引く顔で言う。
テヘッと舌を出しておどけるアーシェ。
「だってぇ、やっぱり便利なんだもん!」
コツンと、軽く拳骨を当てるパメラ。
わざとらしく「いった~い♪」と頭を押さえるアーシェ。
「“お母様”も心配していたよ? 貴女は万能だけど、どこか詰めが甘いし抜けているって。」
「そうなのー! 聞いてよ、この前の戦争! 危うく死にかけたわ!?」
膨れるアーシェ。
「何があったん?」
「死んだと思った ”咎人” が居たの! こっちは因果律使いまくって【剣聖】をブッ倒してヤレヤレってところを狙われたのよ! 何とかギリギリ、大魔法を模して逃げたけど……死ぬかと思った!」
そのアーシェの言葉に、呆れるパメラ。
「ああー。えっと“今は”セーラだったな。“セッてぃ”も私をここへ運んでくれた時に、くれぐれも“アッちゃん”に無茶させるな! って言われたからねー。もう手遅れだったとは。」
「うーん、反省している……。アレよ、“馬鹿は死んでも治らない”ってやつよ。」
大笑いする二人。
「言えてるー!! って私もー!!」
「聞いたよ“パッちん”! ここに来る前に、盛大にやらかしたんでしょ!?」
アハハ、と冷や汗をかくパメラ。
「うん。色々“足りなくて”さ。手頃に“餌”があったから、つい、パクリと。」
「見境なしー! やらしー!!」
またキャハハハと大笑いする二人。
「まぁ、何とかこれで全員そろった訳だね。一応は。」
笑い涙を拭きながらパメラが尋ねる。
アーシェも同じく笑い涙を拭いて答える。
「うん。“ゼッたん”がまだ見つからないけど、まぁ、時間の問題かな?」
「じゃあ、あとは……“贄”だね。」
ニヤリ、と笑うアーシェ。
「それももう準備万端。馬鹿二人が盛大に踊ってくれるから。」
「馬鹿二人って、さっきの?」
「そう!」
再度、キャハハハハと笑い合う二人。
「本当勘弁してほしかった! 笑い堪えるの必死だったんだよ!? 私、キャラ作り的にこの“無表情で何考えているかわからん女” を演じていたのに、いきなり台無しになるところだった!」
「ウケる! 何でそのチョイスなの!? “パッちん”的に一番あり得ないキャラ設定じゃない!」
「それ言うなら“アッちゃん”だって! 何その知的な出来る女系キャラ! めっちゃ真逆じゃない!」
キャハハハハハハハハ、と笑い合う二人。
「まぁまぁ、キャラはともかく、あの二人が獲物。盛大に踊ってくれるから。あと“若い方”は【聖王】だから利用するだけ利用したら、ポイ、ね。」
「うわぁ酷っ! ま、私はまた“前みたいに” 当面は貴女の指示で動けばいいのね。」
「当面はねー♪ “セッてぃ” が “ゼッたん” 見つけたら、後は自由でいいっしょ。」
二人は、グフフと笑い合う。
「さて、“セッてぃ”も言っていたけど。一度、“お母様”とお話ししなくちゃね。」
「そうね。現状報告と、今後の展開。これでいいかどうか確認しなくちゃ。」
「マジで凄まじいからねぇ。“お母様”って。」
「そりゃそうよ。私たちの“生みの親”なんだから。」
――――
十傑衆3位ミロクの私室。
「……これが、“帝国”の現状です。ラムゼル殿。」
ミロクは紅茶のカップをテーブルに置いて呟く。
目の前には、同じく紅茶を飲む、1位カイゼルの息子、先日帝国へ戻ってきた新たな十傑衆4位ラムゼルだった。
「ミロクさん。ボクは未だに信じられないのだが。」
「無理はないです。この私も半信半疑ですので。」
二人の男が振り向く。
そこには、窓から帝国の街並みを見る、青髪のまだ少女らしさが抜けない女性。
十傑衆10位、【風の神子】アメリアだ。
「……私がお話ししたことは、真実です。」
アメリアが、震えながら呟く。
「ミロク様、そしてラムゼル様。貴方達が“どちら”に着くかは、私にはわかりません。」
ミロクとラムゼルへ向き直す、アメリア。
その目には、涙。
「お姉様、いえ、アーシェは“偽物”です。身体は恐らく姉のものでしょうが、中身は別の“何か”です。そしてその“何か”は、オズノート様とカイゼル様を唆し、何かを企てていると私は考えます。」
「アメリア様。その上でお尋ねします。姉上……。いえ、アーシェらしき者の、次の狙いは何だと考えますか?」
ミロクの言葉に、一つ息を飲んでアメリアが告げる。
「グレバディス教国です。恐らく【聖者】、アナタシス教皇猊下の命。そしてあわよくば、4人の【神子】……四天王の命すら狙っているかもしれません。」
――――
再び、アーシェの私室。
「で、“アッちゃん”。次はどうするの?」
パメラの言葉に頷き、アーシェが答える。
「【魔聖】と【剣聖】を始末した。次は、グレバディス教国の【聖者】を討つわ。そのための“種” は撒いておいた。あとはどう進めるか、ね。」
笑い合う二人。
動き出した、運命。
“龍神”達が危惧した事態。
“龍神”達や、その存在を知る者達から“屑共”と蔑まされ、恐れられる者達。
“最低最悪”の存在。
通称 “ディア” が、世界を舞台に暗躍を始めたのだ。




