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閑話11 『碧』と『白』

『今、いい?『白』』


『あら『碧』。貴女から連絡してきてくださって嬉しいですわ。』


『そういうのいいから。ホムラが、私のところに来たわ。』


『もうたどり着いたのですね。ホムラは元気でしたか?』


『そりゃもう!あいつ、本当に記憶無くしているの?めっちゃ罵られたんですけどー。』


『うふふ。本当に貴女とホムラは仲良しですね。』


『シロナ!あんたもガンテツみたいなことを、言うな!!』


『事実ですよ。どんなに喧嘩しても、最後は二人で笑いながら『紫』を虐めていたではありませんか。可哀想な『紫』です。あんなに『紅』…ホムラを好いていたのに、貴女とホムラが揶揄うから、岩山に身を隠してしまったではありませんか。』


『そ、それは…。』


『そんなにホムラを取られるのが嫌だったのですか?』


『…あんたも良い性格しているわよね。』


『お褒めに預かり光栄ですわ。』


『褒めてないし!』


『それより。ホムラが訪れたということは…“資格者”も一緒だったということですよね?』


『そうよ!それよ、それ!超、良い男だったのよ!』


『…相変わらずですね。』


『まぁ冗談はさておき。その男に、とんでもない子が一緒だったのよ。』


『?』


『【星の神子】が一緒だったのよ!』


『それは本当ですか!?』


『危うく殺されかけたわ!私もやり過ぎちゃったって反省しているんだけど…ブチ切れて“魔星”をブッ放されるところだったのよ!無理無理!死ぬって!』


『落ち着いて、落ち着いてください、スイテン!』


『あんたこそ落ち着きなさいよ。私が言わんとすること、分かるよね?』


『…“資格者”によるホムラの解放に、【星の神子】まで…。これは、そういう事ですよ。』


『偶然、ではないよね。』


『そんな矮小な言葉で済まされません。』


『…私も気が変わった。ホムラに手を貸すことにしたわ。まだここにいるみたいだから、その間に70番台の封印解除に手を付けてみるけど、いいよね?』


『本来は『紫』…ライデンの役目ですが、あの子、ホムラの前だと石像のようになりますからね。構いません。むしろ、資格者自身の“解放”にも目を向けなければなりませんね。』


『それは…私にはどうすることも出来ないけど?』


『それは『金』…ガンテツに任せましょう。私からも連絡を入れておきます。』


『いずれにせよ、この偶然は必然ってやつね。』


『ええ。そうです。』



----



黒白の神殿。


【碧海龍スイテン】との連絡を終えた、白衣装を纏う美しい少女のような、女性が一人。



「まだ数百年は待つかと思っていましたが…。いよいよチャンスが巡ってきましたね。」



【白陽龍シロナ】は、吹雪が吹きすさぶ天井の窓を見上げ、呟く。




「せいぜい覚悟しなさい。“ディア”の屑共。」

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