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運命により集いよる屑鉄傭兵団(スクラッパー)

『負けんじゃないよーーー!!』


『屑鉄ド根性、見せてやーーー!!』


黒髪少女のフォローの言葉?を背に武装機甲団五体に立ち向かうスパナー。



…………………………………………………………☆


【武装機甲団】


特殊金属アボイタカラで造られた戦闘ドローン。


武器=戦鉄槌(バトルハンマー)


身長=180㎝。体重=150㎏


動作=遅い。



…………………………………………………………☆


スパナーは黄金戦工具を頭上高く掲げた。


『スパナーブレード!!』


機甲ドローンはスパナーをグルリと取り囲み包囲陣形を取った。


『小僧!!』


『黄金戦工具を捨て我らに投降せよ!!』


『女神フレィヤを、おとなしく差し出せば命は取らぬ!!』


機甲団頭領の言葉を意に介さないスパナー。


『お前ら、鉄屑にしてやる!!』



その言葉に武装機甲団はスパナーに対して総攻撃を開始した。


『やれーーー!!』


『力でねじ伏せるのだ!!』


包囲網を縮めて戦鉄槌をスパナー目掛けて振り落した。


ブーーーーーン))))


ブーーーーーン))))


ブーーーーーン))))


黒髪少女が少し離れた瓦礫の上から叫ぶ。


『右ーーー!!』


スパナーは左に身を交わし背後に回り込み、まず一体の背中を激しく叩いた。


ドカーーーーーン))))


倒れ込み破壊される一体目。


黒髪少女が、更に叫ぶ。


『後ろーーーー!!』


スパナーは、その声に前方へ回避、体制を立て直す。


『左ーーーーー!!』


右へ体を(よじ)らせ間一発で戦鉄槌の攻撃を避けた。


振り抜いた武装機甲ドローンの背中にスパナーブレードがヒットする。


ドカーーーーーン))))


倒れ込み破壊される二体目。


『足元ーーーー!!』


その声に高々とジャンプするスパナー。


体制を低くして戦鉄槌を振り抜いた武装機甲ドローン。


スパナーは空中で二回転しブレードを武装機甲ドローンの頭部、目掛けて振り落した。


ビユーーーーーーッ》》》》


ドカーーーーーン))))


頭部が破裂し倒れ込み武装機甲ドローン三体目。


降り立ったスパナー背後から襲い来る武装機甲ドローン。


思わずブレードで受け止めるが戦鉄槌のパワーに体制を崩すスパナー。


『終わりだぁーーー!!』


スパナーは覚悟を決めた。


『俺も、ここまでかぁ!!』


その時、疾風の如く黒髪少女が飛んで来て武装機甲ドローンの首もとに足を絡ませた。


『あんたも、まだまだだねーーー!!』


『少し、そこで休んでな!!』


黒髪少女は武装機甲ドローンの首もとにある急所ボルトを戦闘工具で絞め込んだ。


『一撃必殺!!』


『螺切り(クラッシャーレンチ)ーーー!!』


武装機甲ドローンの首がこれでもかというほど絞め込まれ切断された。


ドカーーーーーン))))


武装機甲ドローン破壊4体目。


黒髪少女へ襲い来る武装機甲ドローンの頭が叫ぶ。


『屑鉄傭兵団長レンチーーー!!』


黒髪少女レンチは体を素早く回転させた。


余りの俊敏な動きについて行けない武装機甲ドローン頭領。


ブーーーーーン))))


ブーーーーーン))))


ブーーーーーン))))


空を切る武装機甲ドローン頭領の

戦鉄槌。


背後に回り込む黒髪少女レンチがドローン頭領の首もと急所ボルトを捉えた。


『くらえーーー!!』


『螺切り(クラッシャーレンチ)ーーー!!』


『一撃必殺!!』


ドカーーーーーン))))


胴体から首が吹っ飛ぶ武装機甲ドローン頭領。


空中で二回転し地面に着地した黒髪少女レンチ。


額の汗を袖拭いため息をひとつ。


『ふーう……終わったか。』


唖然と、その戦いぶりを座り込んで見ててたスパナーに手を伸ばす黒髪少女レンチ。


『まぁ、あんたも初戦だし……よく、やっとほうだよ。』


『約束通り、屑鉄傭兵団(スクラッパー)の仲間に加えてやるよ。』


スパナーは首を傾げてレンチに語りかけた。


『そんだけ、強いなら俺、戦わなくてもよかったんじゃないか?』


『それに俺、あんたの屑鉄傭兵団(スクラッパー)に入る約束なんかしてないよー!!』


不思議そうにスパナーの顔をのぞきこむレンチ。


『はぁ、何だって?』


『あんた、ハンマーとかう入団希望者だろ?』


その時、彼女の後ろからドシドシと足音を発てて近付いてくる大きな鉄槌(ハンマー)を肩に抱えた太った少年。


『ごめーーーん!!』


『遅れた、遅れたーーー!!』


太った少年は辺りを見回して破壊された武装機甲団を見て、ため息を突いた。


『はぁ……戦闘、終わっるう。』


『おいら、入団無理かなぁ…』


黒髪少女レンチは両腕を腰に当ててムッとした。


『あんたがハンマーかぁ。』


スパナーの方を見てレンチが訊ねた。


『じや、あんたは誰よ?』


スパナーは立ち上がり首を竦めた。


『それは、こっちのセリフだよ!』


小走りに近付いて来た幼女ルチアがスパナーの袖をつかんで呟く。


『おにーちゃん、お腹空いたよ……』


しゃがんでルチアの頭を撫でる黒髪少女レンチ。


『わかった、一緒にご飯食べに行こう!』


グーウとスパナーのお腹が鳴った。


スパナーのほうを向いたレンチがポッリと声を掛けた。


『あんたも腹空いてるんだろ。』


『加勢してくれたお礼に飯食わせてやるよ。』


『そこの機甲団の屑鉄を荷車に全部載せて私についてきな!』


『おい、そこの遅刻入団希望者!!』


『ボーッとしてないで、あんたも、屑鉄傭兵団に入りたいなら、さっさと手伝いな!』


スパナーと太った大柄な少年ハンマーは黒髪少女レンチが用意していた荷車に


屑鉄となった武装機甲ドローンを積んで

彼女の後を付いて行った。


『何で俺が、こんな目に会わなくてはならないんだ?』


スパナーの、その言葉に太った大柄な少年ハンマーが答えた。


『よかったじゃないか♪』


『レンチねーさんに気に入られたなぁ。』


ひょんな事から知己となった四人。


屑鉄傭兵団(スクラッパー)の資金源を運ぶ荷車の一行。


瓦礫な屑鉄の、そこかしこから顔を出す子供たちが口々に笑ってついてくる。


『あ、レンチねーちゃんだぁ♪』


『わーい、わーい♪』


幼い子供たちに周りを囲まれる黒髪少女レンチ。


『彼女は人徳かあるんだ。』


荷車を引くスパナーがポッリと言葉をこぼした。


その言葉に後ろから荷車を押すハンマーが彼に語りかけた。


『レンチねーさんを知らない者は、この街にはいないよ。』


『お前……よそから来たんだなぁ。』


夕日に暮れる街を進む一行の先には、この街の闇市(ボッタ)があった。
































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