伝説の大聖堂奮戦記。
三十年前………………
再生大聖堂。
中庭に立つ一人の若き凛々しい男。
彼は激しい闘いの末、酷く傷付いていた。
聖剣ヘブンズ.ソードを地に突き立て、やっとの思いで体を支えている。
『この世で見るべきものは、全て見たーーー!!』
『この女神の左目は我の物だ!!』
聖戦士ホスピタル.マスターの声が大聖堂の中庭に響き渡る。
周りを取り囲むように四人の勇者。
ウィザードのユーリー。
ソーサラスのシュヴァ.ルツ。
エルフのリョース.アルヴァー。
ドワーフのブラック.スミス。
そしてホスピタル.マスターを挟んで開かれた大聖堂の扉の向こうには
左目を失った女神フレィヤ像の姿があった。
SSSのリーダー、妖精リョース.アルヴァーがボウガンを手に前に出た。
『ホスピタル.マスター!』
『守護者、聖戦士の立場にありながら女神フレィヤの左目を奪うとは何事だ!!』
ホスピタルマスターは女神フレィヤの左目を掲げ不適な笑いを浮かべる。
その後、みるみる巨人族、タイターンへと彼の姿は変容してゆく。
エルフ妖精リョース.アルヴァーが 審判の矢とも呼ばれるボウガン、ジャイアント.ストライカーをを構えた。
『女神フレィヤの像を、これ以上、辱しめ傷付けることは私が決して許さないーーー!!』
女神フレィヤ像へ手を伸ばし持ち去ろうとする巨人タイターン。
『やらせるかーーー!!』
ドワーフのブラック.スミスが大鉄槌を巨人タイターンの足元、かかとの辺りを強かに叩き付けた。
ドカァーーーーーーン》》》》》
巨人タイターンは体勢を崩し、女神フレィヤ像のすぐ手前で倒れ込んだ。
ドドドドドドーーーーーーーン))))))
その拍子で巨人タイターンの下敷きになるドワーフのブラック.スミス。
白いローブを着た乙女、ソーサラスのシュヴァ.ルツが、すかさず詠唱し倒れ込んだ巨人タイターンを浮遊させる。
フワ~~~~~~ッ
空中に浮かぶ巨人タイターン。
この機を逃さず瓦礫の下から飛び出すドワーフのブラック.スミス。
『ルツ、助かったぜ!!』
『ありがとうよ!!』
軽く手をあげ応えるソーサラスのシュヴァ.ルツ。
その時、空の一点から現れ出た三本足の大きな黒鳥。
黒鳥の觜から炎槍が次々と地上にいる四人の勇者へ降り注ぐ。
咄嗟にウィザードのユーリーが杖を高く掲げ、光のドーム、防御壁を張った。
空の黒鳥に向けエルフ妖精リョースアルヴァーがボウガンを連射した。
黒鳥は、素早くボウガンの矢を交わし嘲笑するかのようにカン高い鳴き声上げ大聖堂の上を旋回する。
ルツの浮遊術が黒鳥の炎槍で効果を失った隙に巨人タイターンがエルフ妖精リョース.アルヴァーに襲い掛かる。
『させるかーーー!』
ドカァーーーーーーン)))))
大鉄槌で、これを跳ね返し阻止するドワーフのブラック.スミス。
エルフ妖精リョース.アルヴァーがボウガンを、ひときわ大きなジャイアント.ストライカーに持ち変えた。
彼女の審判の強弩と呼ばれる光の矢が巨人タイターンの額をとらえた。
『審判の光矢を受けよーーー!!』
ジャイアント.ストライカーがの光矢が巨人タイターンの額、目掛けて放たれた。
ビュュユユーーーーーッ》》》》》》
巨人タイターンは、再び元のホスピタルマスターへと戻り光矢は空中をかすめ飛び去った。
黒鳥がホスピタル.マスターの元へ舞い降りて彼を、その背に乗せ再び空高く舞い上がった。
黒鳥の翼が彼が手に持っていた女神フレィヤ像の赤く光る左目に当り思わず落としてしまう。
落下の衝撃で女神の左目を破裂させてはならないと受け止る体勢をとるエルフ妖精リョース.アルヴァー。
空の一角に現れた凱旋門へと吸い込まれるよう飛び去る黒鳥の背に乗るホスピタルマスター。
彼はジャイアントストライカーを手放し女神の左目を受けとめようとするエルフ妖精リョースアルヴァーを見て
好機と見るや聖剣ヘブンズソードを彼女の心臓目掛けて強く投げ放った。
ビュュユユーーーーーッ》》》》》
女神の左目がエルフ妖精リョース.アルヴァーの手に入った瞬間!
グサァーーーーーーーッ》》》》》
彼女の心臓を貫くヘブンズソード。
そのまま仰向けに倒れ込むエルフ妖精リョース.アルヴァー。
声高な笑い声が空の彼方から聞こえてくる。
倒れ込んだリョース.アルヴァーを抱き起こすドワーフのブラック.スミスの目には涙。
息絶え絶えのリョース.アルヴァーがボウガンへ視線を送る。
ウィザード.ユーリーがボウガンをリョース.アルヴァーの手に握らせた。
『こ、このボウガン、ジャイアント.ストライカーを私の娘へ……来るべき時に手渡して欲しい。』
涙ながらに頷くドワーフ、ブラック.スミスが彼女に答える。
『お前さんは俺たちSSSの誇りだ!!』
『安らかに眠ってくれ…………我らの旗頭なる勇者よ。』
エルフ妖精リョース.アルヴァーを囲む三人のスチール.ステルス.ストライカー。
彼女の命という大きな犠牲のもと女神フレィヤは護られイデアポリスは平和を取り戻した。
大聖堂には再生の文字が書きたされた………………




