突然の戦闘へ巻き込まれるスパナー!!
崩れた女神像フレィヤの足元で小さく震える幼女ルチア。
彼女に手を差し伸べる少年スパナーの手を取る。
『おいで……一緒に何か食い物を探しに行こう。』
若葉の上に滴る朝露が陽を浴びて煌めくようなエメラルドの瞳。
海風に靡く艶やかな赤銅色の長い髪。
女神フレィヤ像の聖所から現れ出た彼女を連れてスパナーは宛もなく歩き出した。
【クエスト発生!!〓①ルチアの空腹を満たせ。】
スパナーの眼前に広がるのは黒煙と火種が燻る臭いが漂う瓦礫と鉄屑の街。
ルチアの前にしゃがんで背中を向けるスパナー。
彼の背中におぶられる幼女ルチアが小さく呟く。
『おにーちゃんの背中、暖かい…』
しばらく瓦礫と鉄屑を避けながら街の中へと進む二人。
『ルチアを連れてきた女の人はお母さんなのか?』
スパナーの質問に答えないルチアに視線を向けると彼女は小さな寝息をかいていた。
『疲れていたんだなぁ……しばらく寝かせおこう。』
瓦礫や鉄屑を避けながら歩いて行くと、何やら騒々しい物音が聞こえて来た。
カキーン))))
カキーン))))
ぶっかり合う金属音。
『待てーーーー!!』
『逃がさんぞ、鉄屑!!』
スパナーの方へ走って来る黒髪の少女が武装した機甲団に追われていた。
『そこのあんたぁーーー!!』
『ボーッとしてないで、奴等をやっつけなさいよーーー!!』
黒髪少女の突然の呼び掛けに戸惑うスパナー。
『えっ……俺?!』
スパナーの背中におぶられていたルチアは騒々しい物音に眼を覚ます。
『さぁ、姉ちゃんの所へきなさい!!』
スパナーの背中からルチアを受けとった黒髪少女。
彼の腰のベルトに下がった黄金戦工具を見て叫んだ。
『あんたぁ、約束のスクラッパーでしょ!!』
『さっさと、奴等を片付けなさいよーーー!!
黒髪少女にスパナーは尻を蹴られ機甲団の前に躍り出た。
何が何やら分からないままに戦闘に巻き込まれるスパナー。
機甲団の頭がスパナーを見て叫ぶ。
『守護戦士がおるぞ!!』
『黄金戦工具を持っておる!!』
『女神フレィヤは、必ず近くにおる!!』
襲い来る機甲団の容赦のない攻撃がスパナーにヒットする。
ガーーーン))))
ガーーーン))))
『何をするんだぁ!!』
スパナーは黄金戦工具を手に立ち向かう。
『どこからでも、かかってこい!!』
『俺の名は、黄金戦士、スパナだぁーーー!!』
【クエスト発生!!〓②武装機甲団、五体、殲滅せよ。】