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サバゲーテイル・トラジック  作者: 一条由吏
ソロプレイ編
7/13

第6話 生産職としてのルール

お読み頂きましてありがとうございます。

「今回は対した収穫はなかったな。」


「それでも、この手段ならタダさ。妖精国は殆ど鉱石を使わないくせに高いからなインゴット。」


 気配察知スキルでプレイヤーを感知したため、物陰に潜んでいるとゴブリンの巣穴とは、反対方向の山から、こんな会話が聞こえてきた。


 妖精国では、国の事業として鉱山を管理しており、プレイヤーには、生成されたインゴットのみが王都で販売されている。


 生産職が自力で鉱山から掘り出すことができないのだ。他の国に行っても管理されていることには、代わりはないのだが、入場料を支払い自力で掘り出せるところもあるのだ。


 この人たちの後方から、見知った鍛冶職の面々が現れた。鍛冶ギルド『和製スミス』のメンバー達だ。おそらく、この人たちは、鉱山を襲い鉱石を略奪してきたのだろう。しかし、妖精国では、先日、大規模な戦争があったばかりだ。鉱山から掘り出し置いてあった鉱石も僅かしかなかったに違いない。


「仕方が無い。例によって、木を切り倒し木工ギルドのやつらに売って資金を稼ぐとするか。」


「そうだな。こんなにアイテムボックスの容量が空いているんだ。詰められるだけ詰めていこうぜ。」


 ほう、これは聞いたことがあるぞ。以前木工ギルドの知り合いから、原木が足らない時に限って鍛冶ギルドから資材が流入してくるとか言っていたな。これを聞いたときは、冗談だと聞き流していたが本当のことだったんだ。


 アップデートの時に木を切り出すだけならまだしも、高い時期を狙って大儲けするとは、生産職の風上にも置けないやつらだ。


 その素材を扱わないギルドが大量に買い占めたりして大儲けすることは、暗黙の了解でこのゲームで絶対してはいけないことの一つに挙げられる。


 そんなことをしたギルドは、その素材を使用する武器や防具のみならず、生産職全てから物を売って貰えず、ゲーム的に抹殺されるのが常識となっているのだが、SSも取れないこの状態では、証拠も無しに騒ぎ立てることで、こっちが抹殺されかねない。


 俺は、悩んだ末ゲーム的抹殺は無理でもデスペナルティくらいは、払って貰ってもいいだろうと思うことにした。隠蔽スキルを使い、彼らの休憩場所らしき小屋の周りに、デストラップを張り巡らしたのだ。


 ゴブリンの巣へ転送される落とし穴や毒死草を使ったシャボン玉、暗殺スキルで設置可能なナイフトラップや爆裂石を使った地雷など、戦闘イベントで培った俺でも簡単に設置できるデストラップをその場に存在した生産職の5倍ほど仕掛けた。その小屋の前は、関所に続いているので、もしかすると『黄昏の騎士団』のメンバー達も引っ掛かる可能性もあるかもしれない。


 死に戻りする際には、VR時間で3時間の間にアイテムボックスへ仕舞った素材は、死んだその場に放り出される仕組みになっており、大量の素材をアイテムボックスに仕舞った仲間が数多くいるこの場では、その放りだされた素材の下敷きになるデス誘爆なる現象も発生する可能性がある。


 よくギルドで鉱山から素材の掘り出しをする際に、鉱山から出るときには、数分置きに出るというルールもあるくらいなのだ。


 デストラップの仕掛けの結果を確認したいところだが、仕掛けに掛かった時間が結構ある。そのまま、始まりの街に向かうことにした。


・・・・・・・


 木工職として、どうしても見逃せない事態にひっかかってしまったのでかなりの時間をロスしてしまった。後ろを振り向くとゼロ書きのモザイクがもう王都を飲み込み始めていた。


 もう少しで始まりの街だ。しかし、前方には、最後の難関である。『いばらの森』が見えてきた。この森は、迷路になっているが妖精国側にも、始まりの街側にも、案内人が常駐しており案内料を払うことで通り抜け可能なのだ。


 しかし、案内人の小屋の扉には、『メンテナンス中につき、営業しておりません。』の札が掛かっていた。


 およそ3キロメートルに渡り、鉈などで茨を切り開きつつ通りぬけるしかない。しかも、この茨は、10分ほどで再生するので殆ど休めないし、ギルド『黄昏の騎士団』や鍛冶ギルド『和製スミス』のギルドメンバー達が通ってきたところも使えないのだ。


 流石にアイドルの彼女を抱き抱えたままで、鉈を振るうことはできないので、俺の後ろにぴったりと引っ付いてくる。そのまま、1キロメートルほど進んだところで、後方でデストラップにひっかかった形跡が気配察知スキルで捕らえた。


 悲鳴が聞こえなかったのは、残念だが仕方が無い。その後誘爆が何回か発生した形跡も捕らえ、幾人かが死に戻りしたらしかった。


 『いばらの森』を抜けたときにさらにデストラップに引っ掛かった形跡を捕らえた。後方に目を向けると、ゼロ書きのモザイクが関所付近まで到達していたから、『黄昏の騎士団』のメンバー達だろう。


 本来、あれだけのトッププレイヤーは、こんな一般的なトラップにひっかからないものなのだが、後方からゼロ書きのモザイクに追いかけられている状態だったからか、トラップの解除に失敗したらしい。


 盗賊スキル持ちがトラップの解除に失敗したら、ゼロ書きのモザイクによる死かデストラップによる死しかないのだ。


 そんなことを考えていても、仕方が無い。とにかく急いで、始まりの街に行かなくては・・・。


さあ、どれだけのプレイヤーがどんな死を迎えたのでしょうか?

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