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サバゲーテイル・トラジック  作者: 一条由吏
ソロプレイ編
5/13

第4話 サモナーとの戦い

お読み頂きましてありがとうございます。


「雪絵さん、貴女は・・・。」


 目の前の光景に理解が追いつかない。雪絵さんは、俺がこのゲームで唯一結婚システムを利用したいと望んだ生産特化プレイヤーである。生産特化と言えども、周辺の山や鉱山などに素材を取りにいく際に必要なため、1つだけ戦闘職を取るらしい。


 若干年上なのだがそれ以上に彼女唯一の戦闘職であるサモナーでは、多くのモフモフ系動物好きの可愛いところがあったり、生産職では、面倒見の良さを発揮して周囲の人間に『親方』という愛称で呼ばれるほどの技術力と指導力で慕われている。


 俺も彼女を慕うプレイヤーの一人だったのだが、足湯を3時間耐久するというイベントでPTプレイしたのを切っ掛けに仲良くさせてもらっていた。彼女の気風の良さと可愛いところを知ったあとに急速に惹かれていった。


 その彼女が目の前に運営プレイヤーとして居るのである。


 それもどうやら触手系モンスターを召喚して、妖精国の少年体型の複数の妖精達を捕まえ、裸にしているところへ出くわしたのである。


 そして、俺の中で数々の疑問が氷解するのを感じた。


 3時間耐久の足湯では脛毛の無い俺の足をジロジロ見ていたことを思い出した。


 俺が身長を5センチ誤魔化していて本当は155センチであることを告白した際には、いつも以上にニコニコしだすなど過去に彼女とにあった出来事から一つの推論を導きだした。


 彼女はショタコンなのだろう、それも重症の。それで、脛毛が無く身長が低く、彼女の身体にすっぽり収まる身体の俺を優遇してくれていたのか・・・。


 実際に生産活動では、彼女の教えが無ければ今のような準トッププレイヤーとは、なれなかっただろうし、時折付き合ってくれる戦闘イベントでは、彼女が召喚するモフモフ系の動物達に救けられた面が大きかったのである。


「銀ちゃん・・・、見たわね。覚悟はいいかしら・・・。」


 俺は目の前の光景に余りにも思考が追いつかず、隠蔽や各種スキルを維持することさえ忘れてしまったようだ。彼女は、一瞬にして悪戯を仕掛けていた妖精達を光の粒子にすると、触手系のモンスターをこちらに寄越してきたのだ。


 思考が定まらない俺は、そのモンスターにあっさり捕まってしまった。


「ブリーフか・・・。やっぱりいいわね。あそこは皮が被っていて小さいのね。こういうの好きよ。おねえさんは。」


 いつのまにやら、触手系モンスターに下半身を丸出しにされる。思わずカーっとして思ってもいないようなセリフが俺の口から飛び出してしまった。


「このペドショタめ。」


「あらあら、違うでしょ。もう26歳を越える貴方に欲望を覚えるんだもの。」


 よかった。受け流してくれたようだ。本当はこんなことを言いたいわけではない。しかし、触手系モンスターが俺の大事な箇所に触れ、無理に欲望を引き出すとさらに汚い言葉が口をついて出そうになる。


 それに必死に耐えながら、欲望と怒りと恥ずかしさの狭間で心を制御できず、次第に欲望に身を任せそうになるのを耐えていると、悔しさも現れ涙もでてきた。


「あら、そんなに気持ちいいの。いけない子ね。」


「勇者様!」


 ドスっ。アイドルの彼女がイベントの中でグレードラゴンに対して必死に抵抗する際に使用するナイフを触手系モンスターに突き刺した。あの硬いグレードラゴンに少しながらも手傷を負わせられるナイフである。触手系モンスターは瀕死状態になり、俺は解放された。


 俺は足首までズリ下ろされていた下着を上にあげて、アイドルに手渡された武器でモンスターを切り裂いた。暗殺スキルはナイフに対して有効であるようで、あっさりと胴体を切り離し、光の粒子となって消えてしまった。


「流石に私の銀ちゃんだわ。やってくれたわね。『サモン・ウルフ!』では、こっちはどうかしら?貴方といつも戦ったこの子達にそのナイフを振るうことが出来て?」


 そこには、戦闘イベントで常に共闘したウルフの『アキラ』が現れた。幾多の死線を共に掻い潜った。こいつと戦えというのか?


 そうやって躊躇しているうちに、アキラが襲い掛かってきた。俺は、簡単に致命傷を与えられるナイフをアイテムボックスに仕舞い、例の状態異常付与の矢をウルフに向かって突き刺した。


「キャン!」


 耳を塞ぎたくなるような悲痛な叫び声を挙げて、アキラが横たわる。どうやら、麻痺の状態異常がついたようだ。さらに複数の状態異常付与のために追撃しなければいけないところだが、とてもそんな気には、なれない。


 とにかく、これでしばらくは、時間稼ぎができる。雪絵さんも状態異常の召喚獣を返還することはできないはずだ。


「役立たずはいらないわ。『サモン・ホーク!』」


 しかし、その希望もむなしくなる光景が目の前に描き出された。雪絵さんが、あっさりとアキラを光の粒子に変えてしまった。召喚獣が死ぬと次に召喚できるのは、別の個体のはず。あんなに可愛がっていたのにあっさりと殺してしまったようだ。


 さらに召喚されたのが鷹の『サワタリ』だ。サワタリは、弓との相性は最悪だ。おそらく、今までの俺の腕では、100本放っても1本当てるのが精一杯だろう。しかし、今の俺は弓のレベルを最大化してホーミング機能を強化しているのだ。


 状態異常付与の矢は、2本しかなくサワタリ相手では、回避され消失して終ってしまう。それならばと、アイテムボックスから取り出したのは、生産職として自分用に作成した矢だ。攻撃力は低いが矢尻がぬけにくく、1度突き刺されば出血により延々とHPを削ることができる。


 これは、沢山作ってあったので遠慮なしにどんどん、弓を引いていく、しかし空中戦では、弓の当たる確率など微々たるものだ。30本放ってやっと1本当たった。とにかく、この隙に逃げるだけだ。いつもの雪絵さんならば、2回連続で召喚すれば、MP切れになるはずだ。


「バイバイ銀ちゃん、少し鍛えすぎちゃったかしら。おねえさん、ここまでやれるとは、思わなかったわ。一つだけ忠告しておくわ。その彼女は置いていきなさい。連れて行っては、後悔することになるわよ!」


「どういうことだ?」


「内緒。これ以上は答えられないわ。では、またアップデート後にお逢いしましょう。」


謎の言葉を残した彼女の意図は・・・?

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