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サバゲーテイル・トラジック  作者: 一条由吏
ソロプレイ編
10/13

後日談 -1-

お読み頂きましてありがとうございます。

「なんですって!」


「服部君は、今月末で終了となった。後任には、同じSS社の彼に働いてもらうからそのつもりでいてくれ。」


 俺の隣にいるのは、イケメンだ。身長も190センチ近い。


「部長!それは、本当ですか?だから、あれほどスカウトしてくださいってお願いしたのにこんなことになるなんて!」


 目の前の女性は、イケメンなど目に入らないかのように俺が居なくなることを嘆いてくれている。俺がこの会社に派遣社員として入ってから、ずっと目にかけていてくれた人だ。まあ、ようやく1人前にまで育てたのに、突然辞められるのでは堪ったものでは、無いかもしれない。


 しかし、引き抜きまで考えてくれていたのか?


「ね。服部君考え直して、君が居なくなったらどれだけ業務の効率が落ちるか。部長遅くないですから、今からでも言ってください。本当にお願いします。」


「三浦チーフ、申し訳ありません。でも、大丈夫ですよ。これからは、顧客となって足を運びますから。」


「そうなんだよ。服部君、いや服部殿は、来月1日付けでヴァーチャルリアリティ社に入社するそうだ。しかも、当社の窓口の担当SEとして活躍されることになる。」


 俺は、雪絵さんと結婚することになり、彼女の父である山田夏輝殿が経営する山田ホールデングス社の子会社であるヴァーチャルリアリティ社に取締役として、入社することになったのだ。


 俺は、特になにもしなくていい名前だけの取締役なのだが、VR社の取引先に派遣先の会社があったので、担当SEとして志願して今ここに居る。


 山田ホールディングス社は、地球連邦を構築した際に活躍した山田取無氏の手腕が認められ、銀河連邦からの技術情報の受け手を全て担っている会社だ。


 また、山田ホールデングス社では、ヴァーチャルリアリティの基礎技術、ミスリル鋼、オリハルコン鋼の銀河連邦特許を取得しており、オリハルコン鋼とミスリル鋼を寄り合わせた特殊ワイヤーを使った派生技術である宇宙エレベーターを銀河連邦へ売り込み、巨大な利益をあげている。


 宇宙エレベーターとは、宇宙ステーションと陸をワイヤーで結び、生き物なら誰もが持っているマジックエネルギーを利用したエコなエレベーター技術だ。


 VR社は、山田ホールディングス社の持つヴァーチャルリアリティの基礎技術の地球連邦での独占使用権を持ち、ハードウェアの製造からVR基本ソフトウェアまでを一手に握る会社として有名だ。


 雪絵さんは、山田ホールディングス社の専務取締役で、VR社の会長も兼務している。ちなみに「サバゲーテイル・オンライン」はVR社の子会社の運営している。


 家庭用ゲーム機にVR用ヘッドギアが登場したのは、10年前だが高性能PCに接続するタイプのVR装置がさらに15年前、そして実際に情報は公開されていないが、その数年前から身体の不自由な一部の金持ちの間だけで使われてきた歴史がある。


・・・・・・・


 三浦チーフのチームに初めて所属した時は、酷く驚かされた。ソフトウェア開発チームとしては、異例の毎日定時退社を常に実行しており、しかも営業が間違えて仕事をダブルブッキングして、なおかつシステムに火がつき他のチームが放り出した仕事が回ってきたときでさえも、ほとんど残業をせずに全てこなしたのだ。


 おそらく、普段は、その実力の3割も発揮していないに違いない。女性ばかりで構成されたチームで俺が唯一の男性だったのだ。


 いつも、おしゃべりが中心でいったい何時仕事をしているのかと始めは思ったが、その実力を知った今では、このチームに所属できて良かったと思う。よく、おしゃべりの中で、出会いが無いとか、この業界にイケメンが居ないと嘆いていたので、VR社から俺の派遣元会社に圧力をかけて、イケメン男を派遣してもらったのだが、あまり芳しくない。


 仕事がほとんどできないにも関わらず、容姿を鼻に掛けた態度が彼女達に受け入れられなかったようだ。わずか1週間で派遣を切られたらしい。俺の送別会の前には、もう居なくなっていた。


「まいったわね。まさか、飼い犬に手を噛まれるとは、思わなかったわ。うちのチームもVR社専属の社長直属のチームになるみたいだし、私も課長職に特進したし皆の給料も上がったけど、服部君のお陰で仕事が増えるのは、確実みたいね。」


「でも、前にチーフ、お酒の席で愚痴ってたじゃないですか?成果を上げても役職は上がらないって。」


「私だけならいいけど、このチームは、ほとんど頑張らず仕事してそこそこお給料を貰い、趣味に生きるのを主眼として置いているのよ。たとえ、お給料が上がっても仕事が増えては意味がないのよ。まあ、今は服部君が担当SEだから大丈夫だけど、これが変わったりしたら空中分解するに決っているわ。そうでしょう?皆。」


「そうね。ここは服部君に責任を取ってもらいましょうよ。チーフ。」


「だそうですよ。服部君。貴方の出方次第では、明日には、無くなっているかもしれないわ。このチーム。」


 そうなんだ。俺ってば、いらないことをしたのか。


「俺ができることだったら、なんだってやります。仰ってください。」


「服部君は、こう言っているけど、どうします?」


「じゃあ、2次会へレッツゴー!」


 2次会の場所は、新宿駅のすぐ近くにあった。中に入っていくとあきらかに素人の男性が女装して過ごしていた。同じく客らしき男性と大盛り上がりしていたり、ソファでガニマタのみっともない姿で爆睡していたり・・・。


「おかあさん!この子をお願い!」


「あら!綺麗な子ね。身長もうらやましいくらい低いわね。よし、これならいけるわ。腕に寄りを掛けて化けさせてあげるからね。ちょっと、まっててね。」


 どうやら、彼女達は、俺に女装をさせたいようだ。ショタプレイの次は、レズプレイなのか。全く女性の考えることは、わからんものだ。


「あら慣れているのね。女装したことがあるの?」


 バーのママさんに着せ替えをさせられている間、無抵抗で居るとそう聞かれた。


「いえ、無いです。まあ、抵抗しても仕方が無いですし、彼女達との約束は守らないと。」


 そう彼女達は、約束したこと、いやそれ以上にやってくれることは、今までの経験でわかっているのだ。今日さえ、彼女達を満足させることができたら十分に見返りがあるのだ。


「可愛いのね。いくつなの?」


「年ですか、26歳になりました。」


「へえ、やっぱり小さいと若く見えるのね。うらやましいわ。ね。キスしてもいい?」


 目の前のママさんも声は女性だったが、喉仏が見えており男性なのだろう。


「やめていただけますか?この姿で一番にキスをする権利があるのは、彼女達なので・・・。」


「へぇ、私がキスをすること自体は嫌じゃないの?」


 目の前に居るママさんは、おそらく身長160センチくらいだ。VR世界限定とはいえ、普段、120センチの姿で、180センチの雪絵さんに襲われているのと比べれば、目の前のママさんも十分に可愛らしく見える女性だ。それほど嫌悪感もない。


「多分、嫌なんじゃないかな。」


「たぶんって。おかしな子ね。強引にすれば、犯れそうな気がするけど止めておくよ。私が汚すのが勿体無くなってきた。全く変な子だわ。」


彼女達とのプレイは、18禁となるので描きません。


ムーンライトには、次回に雪絵さんとのプレイを描く予定です。



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