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北方宗一の銃器語り #22 拳銃沼へようこそ その6 警察向け拳銃の世界 その他諸国編

まあ、警察用拳銃って多くの国で軍用と兼用だったり、他の国から輸入したりが多いから、しょうがないよね。

ワルサーPP PPK PPK/S

ドイツのワルサーの警察向け自動拳銃。PP自体が警察向け自動拳銃という意味。

.32ACPや.380ACPを使用するシンプルブローバック、ダブルアクショントリガー、デコッキング機構付きセーフティを採用している。

PPKは全体をスケールダウンしたモデル。コンパクトになり刑事や将校向けに大量に生産された。

PPK/SはPPKを法規制で輸入販売できなくなったアメリカ市場向けの製品でグリップをPP並みのサイズに大型化したもの。アメリカ市場では握りやすくなったとして好評だった。

PPKは日本警察の戦後の再編時に払い下げられた銃の一つで、刑事や警護官、皇宮警察官に採用されP230に代替されるまで長らく使用されていたようです。

PPKは007のジェームズ・ボンドの愛銃として知られています。


ワルサーPPS

ワルサーが2000年代後半から進めたポリマーフレーム新機軸の中で生まれた警察向け拳銃。

P99QAのメカニズムをそのまま薄型フレームに詰み込み、PPKと同等のサイズで9ミリパラべラム弾が使える拳銃として売り出しています。


H&K HK4

戦前に開発されたマウザーHScを基に改良されたモデル。

H&K自体がマウザーの技術者たちが新しく設立した会社だったためというのがあります。

マルチキャリバー化されており、警察向けの拳銃としての需要を見込んでいたとか。

少数だけドイツ警察に納入された。

USPコンパクトやP2000に至るまでH&Kはドイツ警察の大口受注はありませんでした。


SIG P230 P232

PPを代替する計画で生まれたPPフォロワーの拳銃。

1970年代にドイツ赤軍による凶悪犯罪に対抗するため、ソ連のマカロフ弾と基を同じにする9ミリ×18ウルトラ改を使用する拳銃として開発されたものの9ミリパラべラムの拳銃の採用が許されたために.32ACP、.380ACPを使用する民間向け拳銃に設計を変更したモデルです。開発当時のドイツの世論は戦前のこともあって軍用弾を使用する拳銃を警察が使用するのに強い忌避感があったとされます。

P232はP230を基にスライド、グリップ、リアサイトを変更しAFPBを実装しています。

スイス警察やアメリカの警察で採用されているが、特筆すべきは日本警察むけP230で、マニュアルセーフティーを追加した.32ACPモデルをSPや刑事、特殊部隊向けを中心にに採用しています。いくら犯罪者の装備が貧弱でも.32ACPの拳銃を特殊部隊が使用する例はこれ以外ほぼ聞かない。また、このセーフティー付きモデルは欧州市場に少数流通しているらしいです。

ドラマSPで警護第四係機動警護班が使用しているのはこのP230の日本警察向けモデルです。


SIG P239

P229を基に小型化を限界まで推し進めたモデルです。

全長すら手のひらサイズ寸前で、マガジン装弾数は9ミリで8発。

ガンスリンガー・ガールではヘンリエッタがステンレスモデルを使用していました。


マニューリン MR72

フランスのマニューリン社が開発したリボルバー拳銃

.357マグナムを使用する拳銃で、設計はS&Wのリボルバーを基にしてる。アジャスタブルリアサイトを搭載しています。

高い精度と優秀なトリガーの組み合わせでバイポッドなどを装備して狙撃できるほどです。

フランスの国家憲兵隊が制式化して、特殊部隊GIGNも排莢がない事から閉所での戦闘に利用したり高い精度で狙撃戦などで使用することがあります。


ベレッタ M81

通称「チーター」と呼ばれるモデル。現在ではM84FがチーターFとして基本モデルとなっています。

92シリーズを一回り小さくしたようなデザインです。

このタイプの拳銃としては珍しくダブルカラムマガジンを採用しています。

M81は.32ACP、M84とシングルカラムのM85は.380ACPを基本に使用しています。

M85は日本で厚生労働省の麻薬取締官が制式化しています。


タウルス M85

ブラジルのタウルス社が開発したリボルバー拳銃。

S&WのM36のコピーといっても過言ではないほどに類似しています。

シンガポール警察はS&Wからこの銃へ乗り換えています。


新中央工業/ミネベア ニューナンブM60

日本の新中央工業が設計した小型リボルバー。

S&WのM36を基に設計され、基本的な部分はM36と大きく変わらない。

グリップやラッチの形状やバレルのテーパーなどが大きく変更されランヤードリングが標準化されており、日本の警察向けにしているとされています。グリップにも前期型と後期型があり、後期型の方が大柄で握りやすいです。

M36と同様のコイルスプリングハンマーであるためトリガープルが重く、ダブルアクションではまともにあたらないと言われています。

基本モデルが3インチバレルというのも特徴で、2インチバレルは幹部や刑事向けにのみ生産されたとされます。

日本の警察をはじめとして入国管理官、税関、海上保安庁にも採用されており、警務官の非常用としても採用されています。

ニューナンブの名前は日本の銃器開発の第一人者であり、新中央工業の前身である中央工業(さらに言えばその前身の南部銃製造所)の創設者、南部麒次郎から来ています。

このニューナンブはすでに商標登録されているためおいそれと使えないためエアガンでは名前だけ変更しています。

なおそこまで知られていませんがロングバレルとアナトミーグリップ、大型フロントサイトにアジャスタブルリアサイトを搭載したニューナンブM60サクラというモデルを輸出する計画があり試作されましたが、叶いませんでした。


新中央工業 ニューナンブ M57B

M60より先に提案された.32ACP使用の警察向けの自動拳銃。

FNのブローニングM1910を基に露出ハンマーとセーフティーのレバーを追加したような形状。

ハンマー式にするためにスライド後端はM1910から抉れ、セレーションは斜めになっている。

M1910は戦前から警察の特殊部隊である特別警備隊向けに使用されていた拳銃で、どうも.32口径を警察の特殊部隊が使うのは一種の伝統めいたものを感じざるを得ません。

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