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北方宗一の軍事語り #19 SEALsから独立した最強の「開発部門」 DEVGRU

SEALsには欠番となった番号が二つあります。6と9ですが、過去にはチーム6が存在しました。

現在そのチームは海軍傘下のSEALsを離れ統合特殊作戦コマンド直轄の海軍特殊戦開発グループDEVGRUとして独立しました。


SEALsの設立から18年後の1980年、前年からイラン革命のために在イラン外交官以下大使館職員が人質となっている状況を打破するためアメリカ政府は救出作戦「鷲の爪(イーグル・クロー)」を発動しますが機材トラブルで失敗します。この時投入されたのは陸軍の秘密精鋭軍団デルタ・フォースでした。

この失敗を受け同年10月に政府の指示により海軍中佐のリチャード・マルシンコが海軍のSEALsに新部隊、チーム6を第三のチームとして設立します。

何故第三のチームに6番を振ったのかはソ連に対して具体的なチーム数を知られないためとされています。

海軍が独自にデルタ・フォースと同様の対テロ戦に強みを持つ部隊を保有する理由はテロの形態の違いがあります。陸軍では船舶や海上油田プラットフォームなどで起こるテロには対応しきれません。また、海軍は世界規模の展開力を持っているため扱いやすい面があります。


しかし設立後すぐチーム1、2と確執が生まれます。

チーム6は1、2から優秀な隊員を引き抜いて設立された上に予算は先行するチームより潤沢に投入されました。このため他のチームからの印象が悪くなり、1987年にはチーム6は解隊されDEVGRU、つまりは開発部門という名称のもと再編されます。DEVGRUがここまで予算を使うのは特殊作戦のための戦術や技術、装備の開発、試験、評価のためであり、公式には特殊作戦に従事していないということになったのです。

しかしDEVGRUの名称に一本化されるのは10ほど間をおいており、少なくとも1997年まではチーム6としても存在していました。


DEVGRUはグラナダ侵攻作戦で拘束されたスクーン総督の救出と通信施設破壊作戦、アキレ・ラウロ号シージャック事件、ソマリア内戦に参加し、2011年には歴史的な作戦「海神の槍(ネプチューン・スピア)」でウサマ・ビン・ラディンを殺害し遺体を回収しています。


DEVGRUはその名の通り先端装備を導入しています。SCARやHK416/417を装備し、一部はMP7A1を拳銃代わりにしています。

また、暗視装置も視野の広いGPNVG18と呼ばれるハエトリグモの目のような4つ目のものを採用しています。

「海神の槍」の際にはMH‐60改造の専用ステルスヘリを投入し大いに話題になりました。


ウサマ・ビン・ラディン暗殺を描いた映画「ゼロ・ダーク・サーティ」の公開後一気に知名度の挙がったDEVGRU。次の作戦は、案外ひっそり行われているのかもしれません。

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