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北方宗一の警察語り #14 SWATってなんだ?

今回は初の海外ネタ。

大物、SWATについて語ってみます。

警察の特殊部隊は多くの場合SWATという名前で呼ばれることがあります。

警察の特殊部隊の先駆け的存在であるSWATはアメリカのロサンゼルス市警に1967年組織されました。

この時期、アメリカでは元海兵隊員が無差別狙撃を行ったテキサスタワー乱射事件(1966年)やワッツ暴動事件(1965年)が発生して警察の対応力に問題が生じつつありました。

当時のアメリカの警察官は日本の警察官とそう変わらないリボルバー拳銃と凶悪犯対策や道路封鎖のためのショットガンくらいしか装備しておらず、火力に押し負ける事態が発生し始めたのでした。

日本でも金嬉老事件が1968年に発生しており、その後、特殊銃隊が編成されたのとよく似ています。


SWATは設立当初においてはベトナム戦争に従軍した警察官を中心に60人体制で編成されました。

編成当初はSpecial Weapons Assault Teamとしていましたが、その名前の過激さを指摘され、Special Weapons And Tacticsと変更されました。

彼らの装備自体はAR‐15とMP5、SIGやH&K等の高級自動拳銃を中心としていますが、地方都市では過去にHK33を配備した例もあり、また、サンタクララ郡警察はMP7を配備するなど、規模の比較的小さい警察組織では高級な装備を割り当てる傾向があります。


装備の面で見ると日本のSATとかぶることの多いSWATですが実際には、その火力をちらつかせての説得工作を行うというSITのような行動をとります。

アメリカにおいて大規模なテロになると州軍や連邦軍が展開し対応するためで、SWATも対テロ戦能力があるにはあるものの基本は凶悪な刑事事件の対策となるわけです。

また、自殺志望者の保護に駆り出されることもあり、救出にノウハウが生かされています。

訓練に関してはデルタフォースやSEALsと合同で訓練を行うこともあります。

また退役軍人を招き入れSWATに配属することも多いです。

SATよりも情報公開は大々的に行われています。


SWAT創設の地アメリカでは毎年ワールドSWATチャレンジと呼ばれる競技会が催されており、世界中の警察特殊部隊の技量の研鑽と交流・親睦の場となっています。

この競技会にはGSG-9が参加しており、アメリカのSWATとトップ争いをしています。


SWATに関する描写は時として死神の部隊のごとき扱いを受けることがありますが、その実際はかなり慎重派と言えます。

日本のSATがテロ対策を主眼とするにあたってAssaultの語を入れたのを考えると興味深いと言えます。

映画・レオンにおいて軽機関銃とライフルグレネードによる突入を行ったNYPDのSWATが主人等抹殺のために動きますが、実際にはあのような重武装も大規模攻勢もないのでかなり誇張されています。


精鋭SWATはアメリカの光と闇の歴史を映してきました。

ノースハリウッド銀行強盗事件、ボストンマラソン爆弾テロなど、SWATの関わる事件はその後大きな転機になることも多いです。

次にSWATが出動する大事件は何を訴えかけるのか、今それが問われています。

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