北方宗一の警察語り #1 警備部特殊部隊 SAT
最近、テレビドラマで毎週出てくるし、私の作品、イレギュラー・サーティーンの第一章では非常に扱いの悪かった事で印象に残った人もいるでしょうSAT。
ではその歴史は?
ひもときましょう。
なお、ウィキペディアを見る気がしない人向けです。
というか、専門誌でも基本的に大きく内容は変わりませんしね。
急にはじまりました北方宗一の警察語り。
三流銃器オタクの北方宗一が警察に関して語ります。
今回はドラマ「S‐最後の警官‐」もあることですし、警察特殊部隊の最高峰、特殊急襲部隊SATについて語りたいと思います。
1960年代後半から日本では左翼テロ組織が跋扈していました。そのような中、1972年、よど号事件でハイジャックの懸念は現実となります。
1977年にはダッカハイジャック事件が発生。この当時、福田政権は解決のためにテロリストを超法規脱獄させました。
この対応に「日本は電化製品だけでなくテロすら輸出するのか!?」と世界各国から批判されました。
それから半月経つか経たないかの頃、西ドイツのルフトハンザ便がハイジャックされた際、西ドイツ政府は第9国境警備群・GSG-9を投入し犯人を制圧・逮捕しました。
この事を教訓に日本政府は警視庁と大阪府警に特殊部隊を設立することを公表しましたが、当時の社会党から批判を受け撤回します。
しかし、これは表向きのこと。政府は極秘のうちに警視庁と大阪府警から人員を選定、西ドイツGSG‐9とイギリスSASに派遣します。
この後、この二つの警察はそれぞれ違う名で設立されます。
警視庁は第六機動隊特科中隊=特殊武装警察・SAP、大阪府警は第二機動隊・零中隊。それぞれが秘匿コードを与えられ来たるべき対テロ制圧作戦のために訓練を重ねていました。
初出動は意外にも早く来ました。1979年大阪の三菱銀行に人質とともに立て籠もった強盗犯に対抗するために大阪府警の零中隊が展開。犯人を拳銃で射殺して事件を解決しました。
その後は歴史の闇の中で訓練を続けてきましたが、1995年、オウム真理教に対するサティアンの家宅捜索においてSAPが展開。
さらに地下鉄サリン事件直後の混乱期に函館空港で発生した全日空ジャンボ機のハイジャック事件にSAPが緊急展開し制圧作戦を支援。この時、テレビ局がSAPを初めて明確にSAPとしてとらえました。
翌年、SAPと零中隊は存在を公表。さらに同様の組織を北海道警察、千葉県警察、神奈川県警察、愛知県警察、福岡県警察に設立することを公表。名称も特殊急襲部隊・SATに変更されました。
2005年にはさらに沖縄県警にも設立され、凶悪犯の立て籠もり、銃器犯罪を中心に機動隊各部隊や刑事部特殊犯捜査部隊の支援を中心に活躍しています。
SAT最大の特徴は警察の特殊部隊の中でも世界有数の攻性部隊という点です。アメリカのSWATよりもドイツのGSG‐9を手本とするSATは犯人確保よりも目標の排除による事件の解決を優先する姿勢が強く、名称もかなり強硬な姿勢を表しています。
SASや、陸自の第一空挺団にも指導を受けているという点では警察としてはかなり異質な部隊ともいえます。
反面、突入装備はアサルトライフルよりも短機関銃のMP5を使用するという点は日本の銃犯罪の少なさと犯罪者の防御力の低さからの特徴といえます。
しかしアサルトライフルを持っていない、というわけでもないわけでもないらしく警察庁の資料には自衛隊や海上保安庁も採用している89式小銃を装備しているとしています。
これは、ゲリラや重武装のテロリストが登場した時に使用するらしいのですが、実際に持っているかは確認できません。
実は日本の警察の装備品の一部は、自衛隊の極秘部隊の装備よりも知られていないので、しょうがないでしょう。
拳銃に関しても、H&K USP、S&W M3913、SIG SAUER P226、P228、Glock19など確認できた限りは節操なしです。
また、SAP時代はニューナンブやS&W M1917を使っていたり、H&KのP9Sなんて珍品を採用していたりします。
またSAPはMP5SD6、MP5Kを使用していたとか、64式小銃とゴールデンベアを狙撃銃にしていたとか。
現在でもPSG‐1やAI AWとかAW50とかを持っているとか。
日本の部隊でも特に秘匿度が高く、何があるかわからない状態です。
これは対テロを主眼とし、正面装備を秘匿することでテロリストが対応できないようにするという一面があるようです。
これは、部隊の服装にも表れていて、SATはSATどころか警察所属かわからないようになっています。
防弾服にSATと書かれることはなく、時にはPOLICEの文字も消されると言われています。
他には、出撃時はまず顔は絶対明かしません。
これは仮に犯人を射殺した際、顔から身元を割り出され変な裁判を起こされないようにしているのです。
また、報復を防ぐことも目的です。
SATの主任務は東京五輪のこともあってより多面化するでしょう。
それに今後対応できるか?それが課題となるでしょう。
当初はツイッターでやるつもりでしたが、何とも面倒なので。
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