発展途上と優しさ
ここら辺はテンポ重視で話が進むので
多少の分の乱れは目をつむっていただけるとうれしいです。
この季節に人を背負って歩くのは良いダイエットになるかもいれない
おんぶするのに手間取ったがどうにか背負う事が出来た。
「お人好しだな俺は」アゴまでたれてきた汗が地面に落ちる
背中にはバットホルダーを背負った熱中症患者を背負っている、一歩一歩踏み出すたびにぶらぶらと首にかかっている手が揺れている。
自転車は廃工場の塀の裏に止めっぱなしでバックも置きっぱなしだが自転車の方は鍵を抜いてきてあるしバックの方はテストの問題用紙と着替え以外何も入っていないから心配は無用だ。
「意識があるなら歩けよな」揺すってみるが背中の熱中症患者に反応は無い、しかし揺すった時に何か違和感を覚えた。
試しにもう一度揺すってみる
「ま、まさかの!」
最後に保険としてもう一度揺する、やはり間違えない。
背中の熱中症患者に多少だが胸がある、胸筋のたぐいではない独特の柔らかさだ。
背中に当たっている小さなアレは間違えなくアレを押さえるアレだろう、発展途上と言う大きさのせいか、ただ背負っていただけじゃ気が付かないで終わっていただろう。
女と分かると枯渇していた心から少し親切心が湧き出てくる
「紳士だからな」自分に言い聞かせ涼める場所へ少し歩みを早めた。
「おいお~い」ぺちぺちと赤くなったほっぺを冷たい飲料の入った缶で軽く叩く
廃工場からはかなり離れた所にある神社のベンチだ。木が生い茂り最高の風が吹く、この季節が来たら涼むために下校途中一度はよるほどのベストポジションだ。
「うぅう」薄く目を開ける
「ほら、飲め」手に冷たい飲料を当てる
神社入り口の脇にあるボロイ販売機で売っていたお茶だ。これを飲みながらここで涼むのは最高に気持ちがいい、
「むぁあ」弱々しく缶を握ったあと再び返してくる
プルタブを指差している
「力が入らないのか」缶を受け取りプシュと中の気体が弾ける音を鳴らしてプルタブを開けた。渡そうとすると今度は口を指差している
「飲ませろと?」目を瞑りこくこくと小さくうなずく、さっきまでの力強さは跡形も無く消えている、真夏の太陽は女性の大敵だ。
口元に缶をはこび、程よく傾けるとのどを小さく動かし缶の中身を一気に飲み干した。
患者に飲まれて空になった缶を屑篭に投げ入れ自分の分を開け一気に飲み干す。
「ぽはぁ」少しの間、風と木の葉がざわざわと鳴り冷たい風が吹き抜けて行くだけの心地よい時間が流れた。
少しまどろみ携帯のバイブで起こされる、外側から見れる小さな液晶を見ると親父からのメールだった。たぶんどうでも良い事だから無視する。
「おい、そろそろ帰るぞ」一応熱中症患者に声をかける
しかし聞こえるはずも無く心地よい寝息を立てて仰向けになりのびている。
「なんでかなぁ」他人でも自分の女性への優しさを少し恨む、少なくとも今日はこの患者が復活するまでは世話をする事にした。
ベンチの空いている部分、患者の頭の近くに腰をかけ自分もだらりとのびてみる
。今年の夏は一段と暑いからこのポジションも一段と心地く感じられる。どれくらい過ぎただろう、蝉の鳴き声を目覚まし代わりに目ざめケータイの時計部分に目をやる。親父のメールが来てから四十分ほど経っていた。
さすがに腹も減り再びのびても寝る事は出来ない
「ねぇ」突然膝あたりから声が聞こえてくるが、すぐに隣で仰向けのままのびている患者の声だと分かった。
「ん?」
「ここまで運んでくれたの?」汗でくっ付いた前髪を払いながら起き上がる
「まぁな、ついでにお茶もおごったぞ?」自分で飲んだ空き缶を片手で振る
「記憶に無い・・」
「じゃあな」
「冗談だよ」笑っている、冗談も言えるならもうだいじょぶだろう
「質問がある」運ぶ途中の事を思い出す。
「なんだ?お茶の分だけ聞いあげる」随分と上から目線だ
「お前、女か?」汗で透けた体操着からぼんやり見える下着の線を指差す。
すると突然顔を真っ赤にして空き缶を奪い取り投げつけてきた
「お、おんなじゃいかんのか!!」不意を突かれ空き缶が鼻の付け根に命中する
、固い物に缶がぶつかる音する、鼻骨に直撃だった。悶絶、の後に鼻の付け根を押さえながら、飛んできた空き缶を拾う、武器として使われぬよう屑篭へ放り込みベンチに座り直す。鼻をさすり外傷がないか確かめる、一息ついてから患者にの方を見る
「落ち着け、別に女だからってなんかしたりはしない」
「そ、それはあちしが発展途上だからか!?」空き缶が手あったら再び投げそうな勢いだ。
「そう言う意味じゃない!」発展途上については自覚症状がある事が判明した
「とにかく、今日はお世話になりました!」いそいそとバットホルダーを背負い直しベンチから立ち上がる
「お茶の借りはいつか返せよ」手を振って見送ろうとしたが腹が空腹を知らせてる音を鳴らす。そう言えば昼食がまだだった事を思い出し腹をさすりながら自分も立ち上がる
「お腹すいてんの?」バットホルダーを揺すりながら何か言いたげにこちらを見てくる
「あぁ、かなりな」神社の出口に向かいながら二人で歩く
「自転車乗せて送ってくれたらくれたらおごってあげる」
「お前、何で自転車で俺が来た事知ってるんだ、まさか!」
「べ、別におんぶされてから少しの間意識が会っただけなんだから」先ほど駐車場で見た荒っぽさはどこへ行ってしまったのか。
「財布空になるまで食うからな」取りあえずお茶の分は返してもらえそうだ。
小説のストックが切れそうなんでブックオフでも行って知識を溜め込んできたいと思っています。でも遠いからなぁ