空中戦の訓練、マシン特攻とオーラの輝き
RPG脳なのでついレベルアップという発想に走ってしまいます。
「Willkommen! お二人さん、久しぶりね。」
「こんにちは、ヒルデガルトさん。」
「今日2人を呼んだのは仕様変更のためよ。本部からの指示が降りてきたの。」
「仕様変更ですか?」
「出力50%アップになります。つまり身体能力は15倍、飛行時間は15秒。」
「すごい!」
「以前の変身アイテムを回収して新しいものを貸与します。」
「これはそんなに見た目が変わりませんね。」
「目立たないようにふつうのスマートをウォッチに偽装していますからね。ではさっそく変身してみましょう。まずはヴァイオレットから。」
「わかりました。Verwandle mich!」
「わあ、かっこいい!」温は目を見張った。
「じゃあ、ビブリア、次はあなたよ。」
「了解しました。Verwandle mich!」
「2人とも素敵ですよ。それではさっそく稼働テストをします。テストフィールドでシミュラントと戦闘してすべて倒してください。これは3Dホログラフィーではないので、攻撃もしてきます。当たればダメージを受けます。注意して避けてください。2人いっしょの戦闘訓練なので武器の使用は禁止です。味方に当たると危険ですからね。攻撃方法は打撃だけ。なお、敵は飛行します。空中戦になるのでそこも覚悟してください。準備は良いですか?」
「はい。」
「ではスタッフにテストフィールドまで案内させます。」
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「問題なく自走でここまで来ることができましたが、マシンに問題はありますか?」
郁は怪物に激突させたマシンに乗って基地までやって来ていた。
「いや、全くの無傷です。変身状態のマシンは、変身状態のあなたのボディと同じで、装甲値が格段に上昇します。敵にいくらぶつけてもびくともしません。変身前はふつうのバイクなのでぶつけてはいけませんよ。」
「わかりました。」
「それにしても今回の戦いは見事でした。パルスキャノンを使いこなし、マシン特攻という技を思いつき、新装備のバーニアで空中に逃れて重力を味方に付けたスタンピングキック。マニュアルに記載できそうな完成度です。」
「ありがとうございます。トランポリンの訓練が役に立ちました。」
「今日はせっかくなのでマシンの性能を把握するため、テストフィールドで模擬戦闘をしてもらいます。ドローンと戦ってください。敵の攻撃が当たればもちろんダメージを受けます。それが蓄積すればヴァイタルに異常が発生します。つまり負傷して戦闘不能になります。よろしいですか?」
「はい、がんばります。」
「練習して欲しいのは、マシンに乗ったままバーニアを起動してマシンごと宙に浮くことです。マシンにもバーニアは付いています。起動スイッチは、マニュアルを渡すのでそれで確認してください。つまり今日の訓練の目的は、マシンに乗ったまま空を飛ぶ敵と戦う技術。飛行機ではないので空中の旋回はできませんし、もちろん停止もできません。言ってみれば、空飛ぶ弾丸になる感じでしょうか。マシンを敵にぶつけるときは、直前で離脱です。技術だけでなく胆力も必要です。できますか?」
「最初はちょっと難しいかも知れません...」
「そうでしょうね。激突直前の離脱、今回はアドレナリンが出ていたせいか、偶然に上手く行きました。でも毎回正確に決めるためには訓練が必要です。そのため、ゴム製のドローンを用意しました。激突しても衝撃はかなり軽減されます。まずはこれで練習してください。」
「ありがとうございます。がんばります。」
「ではテストフィールドへどうぞ。」
「良いタイミングです。ではそれを10セットこなしてください。離脱後の空中攻撃も高度のぶん難易度が高まります。そこも意識してください。」
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「ビブリア、用意はいい?」
「はい、ヴァイオレット。トランポリンで鍛えた華麗な空中技を見せてやりましょう!」
「なんか、この新仕様で変身すると、身体能力にオーラみたいなのが乗ってる感じがする。」
「そうですね、なんかキラキラしてるし、パンチもキックも物理以外の力でブーストされています。」
「はい、OKです。戻ってください。」
ヒルデガルトが満足の笑みを浮かべて出迎えた。
「どうでしたか?」
「なんかすごかったです。身体も軽いし、かなり人間離れしたというか。」
「輝いているので天女になったみたい。」
「あれはオーラ増幅作用による発光です。精神的な戦う意思が外部に顕現化するというか。東洋でいう気のようなものでしょうか。闘気ですね、闘気の発光。」
「まるでオーラバト...」
「やめなさい、温ちゃん。」
「はい...」
「では新しい仕様の変身アイテムも渡して空中戦闘訓練もこなしたので、相模湖駅まで送らせましょう。」
「ねえ、温ちゃん。せっかく多摩の奥深くまで来たんだから、高尾でお蕎麦食べて帰りましょうよ。あそこ、けっこう美味しいお蕎麦屋さんがそろってるのよ。」
「わあ、私お蕎麦大好きなんです。美咲さんに始めて会って助けてもらったあの夜も、バイトの後でお蕎麦とカレーを食べてきたところでした。」
「まあ、それは奇遇ね。じゃあ決まりね。お店は私に任せて。とっておきの名店があるの。」
「すごい!なんだか本格的!」
「ここはね、古民家を改造したお蕎麦屋さんで、とても有名なのよ。」
「美味しいですね、ここの蕎麦。名人が打ったという感じで。」
「神田の老舗で修行したご主人が満を持して開店したらしいわ。」
「伝統のオーラが蕎麦から立ち込めてきます。」
「温ちゃん、受験勉強の調子はどうなの?」
「はい、新兵器のスマートギターを入手して絶好調です。」
「えーと、ちょっと意味がわからないんだけど。」
「英語の歌を弾き語りして身体と感情に英単語を刻むのです。」
「それは良さそうね。英語の世界に浸ることができるわ。」
「はい、模試の成績が壊滅的で落ち込んでいたときに美咲さんにアドバイスしてもらいました。そして思いついたんです。歌ってその世界に浸ろうって。」
「温ちゃんらしくてその行動力が眩しいわ。」
「もちろんその練習は家でしかできないので、家を出ているときは美咲さんに教えてもらったアプリを最大活用しています。耳と口から英語の世界へダイブです。」
「きっと成績アップ間違いなしね。次の模試が楽しみでしょ?」
「不安半分、楽しみ半分です。でも、たとえ思ったほど伸びていなくても落ち込むことはないと思います。トランポリンの訓練も実践に役立ったし、不断の努力を怠らなければ結果は付いてくると信じています。」
「その通りよ。温ちゃんの話を聞いていたら私のやる気にも火が付いたわ。もうすぐトランポリンの大会があるの。頑張って入賞を目指すわね。」
「はい、美咲さん、ファイトです。」
記述にスパロボの影が見え隠れするのはしかたがありませんね。




