地知る
一話
どこまでも白い世界で、ノイアルルはただ叫んでいた。
「クソ! クソ! なんだあいつ! クソが!」
『では【能力】を回収させて貰います』
「お、おい。やめろ! 俺はまだ死なねぇ! もう一度転生させろ!」
『嫌です。というか、無理です。私は信者のイメージを反映させることができる。……本当はあなたのように世界を支配したかったのですが、神のイメージを変える前に私が神にされてしまったので、無理です』
「なんだとぉ?」
『そもそも、過去の盟約を果たすために転生させただけです。そうしなければ力が失われてしまいますからね』
「ふん? じゃあてめぇの【能力】を逆に奪ってやる」
『肉体すらない状態でそんなのできる訳が……。なに!? このパワーは!』
「ハハハ! 死ね!」
『やはり、最初に殺した時から思っていましたよ。あなた、私の力に耐性がありますね? どこで手に入れたんですか?』
「悠長にしていていいのか? 力を吸っている感覚があるぞ!」
二人は【能力】を奪い合う。
その過程でロスが生まれ、どんどん弱っていく。
今なら漁夫の利ができる。
「馬鹿どもね」
「『!?』」
冷気、二人はそれを感じ取ったのでしょう。
氷結地獄。
そこへ続く門を開いた。
二人が吸い込まれていく。
堕ちていく。
地獄の底に。
『馬鹿なッ!』
「エキュリソー!」
「ククッ……、グフフフッ……、クハハハハッ!! 大間抜けどもで助かったわ。これでお前らに復讐できる!」
『やめろ! 神を地獄に落とすなど、言語道断!』
「ど、どうなるんだ……、俺たちは……」
どうなる?
そんなの知ったことではない。
私のいる地獄とは違うからな。
ただ一つ言えること。
それは……。
「地獄の苦しみは永遠ということよ」
『やめろ! 悪魔! やめるんだあああ!!』
「あら、人にやっておいて随分なことね。……そろそろ門が閉まるわ」
私は二人が地獄に堕ちたのを見届け、自身の地獄へと帰った。
復讐をできて満足だ。
やはり、努力すれば夢は叶うのだな。
断末魔も聞けた。
地獄は永遠だ。
ならば、待てばいい。
永遠に待てばいい。
次の楽しみができることを。
ただじっと待てばいい。
地獄の炎に身を焼かれながら。
終わり




