異世界にお姫様はよく似合う
九話です
Heyそこのお姫様!
俺とHappyなことしないかい?
『英語苦手なのに無理して使わない方がいいわよ?』
テンション上がってんだよ。
お前も憧れだったんだろ?
『なんだろうな。子どもの頃、遊園地に行った時に初の遊園地ではしゃいでたら、お父さんの方が私よりもはしゃいでて冷める感じに近い』
なるほど。
じゃあ今度はそっちがはしゃぐ番だな。
『ちょっと恥ずい』
お!
お姫様が出てきた!
『おおおおおおおおお! お姫様だ! メイドさんと執事さんもいる! 本物だ!』
恥ずかしさは何処へ。
『こ、こっちに向かって来たああああ!! きゃあああああああ!! すっごい美人!!』
恥ずかしさは何処へ。
「すぅぅぅ……、はぁぁぁぁ……」
『いい香りがするぅ……』
こいつ誰だ……?
羞恥心を失った哀れなモンスターか。
俺が介錯してやろう。
ムッ、お嬢様が抱っこしてくれた。
介錯はまた今度だ。
『ず、ずるい……』
あ、お嬢様のドレスに血が。
『舐めなさい』
え?
『完全に舐め取りなさい!』
でも唾液で汚れるんじゃ?
『最悪、血よりはましよ』
正気か?
こいつ……、正常な判断能力を失っている……。
『いやむしろ私が舐めるわ。舐めさせて!』
やめるんだ!
今のお前は正気じゃない!
あとで思い出した時に悶絶するぞ!
『ウグッ……、ナメ……、タイ……。ナメサセロォ!』
やめろおおおお!
人生始まったばかりなのに黒歴史の1ページ目を飾る気か!
『ウッ……』
そうだ!
思い出せ!
お前は化け物なんかじゃない、エキュリソーだ!
正気に戻るんだ!
『ソ、ソウダ……、ワタシハ……、私は……』
いいぞ!
その調子だ!
『私は!』
ん?
あれ?
俺がメイドさんに預けられて。
お嬢様が……、あっエキュリソーを抱いた。
『私は、ワタシハ、バケモノダ! ウオオオオオオオ!!』
終わった。
すまない、エキュリソー。
安全を守ると言ったのに、こんな、こんな黒歴史を作ってしまうとは……。
本当に、申し訳ない。
よし、謝ったしチャラだな。
さーてと、こいつが正気に戻ったときが楽しみだ。
『あれ?』
どうした?
正気に戻ったか?
『正気には戻ったんだけど……』
おう、お嬢様の服を舐めた感想を簡潔に言ってくれ。
『いや、血が付いてなかった』
は?
そんな馬鹿な。
俺は全身に血液を塗っていたんだぞ?
血が付かない訳ないだろ。
『ノイアルル、あなた全身に塗ったって本当?』
もちろんだ。
噓を吐く必要もない。
『あなたの体、凄い綺麗よ』
そんなに褒めんなよ。
照れるじゃないか。
『まあ泥団子でも、磨けば光るものね』
ちなみに、ガチ?
『ガチよ』
ガチかぁ。
凄いキャラ崩壊してる。
喋り口調で現状説明するの大変ですね。