◯◯の◯◯
八話、かな?
「#######?」
なんて?
『◯◯の◯◯か? だって』
なんも分からん。
「####」
『いや、違うか。』
「##########」
『まずは信じることから始めよう』
「########」
『そこに◯◯の導きがあるように、って言ってる。』
確かに神官っぽい。
『信じてもいいような気がする』
まあ、信じる他に生き残るすべはないし。
神官さまー。
だっこー。
『あなた適応力高いわよね……』
あっ……、神官さまのお洋服が血で汚れてしまいましたね。
舐めさせていただきます。
『やめなさい! せっかく助かりそうなのに!』
おお!
両手に赤ん坊を持ちながら、念力でかばんを持ってる!
いいなぁ。
便利そう。
『呑気ねぇ』
そりゃあ呑気にもなるさ。
てか、どこ行くんだろう。
『さあ……、街じゃない?』
いや、両親の目的地は多分街だった。
街道をずっと走ってたし、森だとかに入るような装備でもなかった。
そしてその荷物はとても多かった。
『確かに……、この人も歩いてここまで来たわけないものね』
そう、神官さまも馬車かなんかで来たはずだ。
でも辺りに馬車らしき物は見えない。
『飛んで来たとか? ほら、念力でサポートしたら』
確かに念力は凄まじい力だ。
でも、そのスピードはそこまで速くない。
さっき狼を浮かせた時も、ゆっくり上がっていた。
『よく見てるわね』
まあな。
あと気になるのは、神官さまがここまで来た目的だ。
散歩でこんな辺鄙な場所に来ないだろう。
『じゃあこの人はなんで私たちを助けたの?』
分からん。
だから不気味なんだ。
俺たちを助けたのはただの気まぐれかもしれない。
だが、そこに至るまでの経緯が一切不明なんだ。
『ここに来た目的と方法……』
ん?
神官さま、どこに向かっているんだ?
『この人街道を離れてるっ!』
なんだ?
何もない。
そっちに行っても何もない!
『まって……、ある』
な、なんだ?
さっきまで確かに何もなかった筈だ!
『透明化?』
まあそうか。
これすげぇな。
見ろよ、ユニコーンだぜ?
『ユニコーンが馬車を引いてる……。解釈不一致なんだけど』
透明化は多分ユニコーンの力だな。
ユニコーンを中心にベールができてる。
『騎士っぽい人が沢山いる……。18人か』
おいおい、テーマパークに来たみたいだぜ!
『あれさ、お姫様じゃない?』
マジ!?
どれだ!?
『ほら、馬車に乗ってる人。ドレス着てない?』
本当だ!
うおおお!
感動だなぁ。
『私、本物のお姫様に会うことが夢だったの……。異世界に転生できてよかった……』
やべぇ。
泣きそう。
『いいのよ。赤ちゃんは泣くのが仕事なんだから』
「「おんぎゃあ、おんぎゃあ」」
なにこれ