表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/91

新薬

幕間


あと、ちょっとグロいかも。

 やはり、俺が世界を支配するためには医療の高度化は必須。

 だが、これは一朝一夕にはいかない。

 まず、医者や薬剤師、看護師などの医療従事者を育成しなければならない。

 しかし俺が医療に詳しい訳でもなく、見つけた転生者の中に医者だとかもいなかった。

 いたとして、この世界特有の病気なども数多くあるだろう。

 地球で人間が見つけた病気だけで数万はあると聞いた覚えがある。

 そのいくつかはこの世界にもあるだろう。

 だが、そんなもので医療の高度化とは言えない。


「だが、こいつがいればそんな問題とは無縁になるな」


 俺は目の前にいる少女を見た。

 彼女は涙を浮かべ、俺を見る。

 料理人曰く、治癒の【能力】を持っているとか。

 俺は手のひらを浅く切り、少女の前まで持っていった。


「おい、治せ」


「こんな……、無理矢理……」


「料理人、こいつの腕を落とせ」


「はい」


「……え? ぎゃああああああ!!!」


「うるせぇな。木の板をこいつの喉に詰めろ」


「はい」


 これで少し静かになった。

 しかし、斬られた腕が一瞬でくっついたな。

 凄まじいスピードだ。


「治せ」


「……がッ」


 俺の傷が一瞬で治った。

 どこまでの傷を治せるんだ?

 実験しよう。


「シルシフ、罪人と死体をくれ」


「どんなの?」


「罪人は適当に一人いればいい。死体は腐乱死体と白骨死体と、あと直近の【聖杖】で死んだ奴」


「りょーかい」


 俺は人事のシルシフに実験材料を頼んだ。

 彼女は頭のネジが外れていること以外はマトモな人間なので、重宝している。

 あと、仕事が早い。

 頼んでから数分で届いた。


 さて、実験だ。





「……ふむ。流石に腐乱死体と白骨死体は治癒できない。が、死後数分の人間は蘇生できる。しかし【聖杖】で死ぬと蘇生不可、と」


 実験結果によると、生きている人間であれば無条件に完全再生が可能だ。

 脳を潰しても肉体が活動していれば治癒でき、肉体が活動していなくとも脳が動いていれば治癒できる。

 治癒できないのは完全に死んだ者のみ、と。


「さらに触れていなければ治癒できないのか」


 だが、逆に触れてさえいれば絶対に治癒できる。

 例え、血液の一滴に触れただけであっても。


「おい、シルシフ。こいつはすごいぞ」


「そうだね……! 例えばさ、この子の血液を乾燥させて錠剤風にしたら、とんでもない事になるんじゃない……!?」


「さすがだな、シルシフ。じゃあこいつを調教しろ。ちゃんと治癒効果を発揮したらヤクを与えろ」


「オッケー! パブロフの犬みたいにしろってことね!」


「ああ。どれだけ肉体を損傷させようが、こいつは死なないようだ。条件付けが成功したら骨髄を摘出し、ただ血液を生み出す装置にしろ」


「おお、すごい! 無限に新薬を製作できる!」


「何日かかる?」


「うーん。数週間くらい? 設備も作るなら天王様の【能力】が必要かも」


「分かった。必要になったら呼べ」


 クククッ……。

 ツイてるな。

 俺はつくづくツイてる。

 こんな逸材が見つかるとは……。

 料理人に感謝しなくちゃいけないな。


 それと新薬の仲間にも、な。


「クハハハハハハハッ!!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ