表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/32

ピンチは唐突に

今、何話目?

 さて、ピンチか。


『なんでこんなに狼がいるのよ!』


 血の匂いに寄ってきたんじゃない?


『あ゛ああああああ!! 何も上手くいかない!!』


「グゥルルルル……」


 おっと、よだれを垂らしながら近付いて来ます!

 どう見ますか?

 解説のエキュリソーさん!


『なんとかしろ! ノイアルル!』


 任せてくれ。

 俺にできることはまだ一つだけ残っている。


『なにをするつもり!?』


 神様仏様、助けてください!


『神頼み!? それ残っているって言わないんだよ!』


 もしかしたら、こいつら食中毒になって突然死ぬかも。


『祈る事しかできないってそういう意味じゃないから!』


 逆に考えるんだ。

 祈る事しかできない、じゃあない!

 祈る事ができるんだッ!


『そんな事言ったって現状は変わらないわよ?』


 ……よし。

 エキュリソー、奴らの脳内に話しかけられるか?


『できるけど……、言葉が通じるものなの?』


 いや、普通に音割れ君が代を流して欲しいなって。


『普通の意味を辞書で引いてこい』


 できる?


『無理。相手の精神に負荷を掛けるような事はできないの』


 ?


『不思議そうにするなっ!』


 うっ……、負荷がっ!


『うるさい!』


「グルルルゥ……、グァラララァ!」


 今にも襲いかかってきそう。


『なんとかして!! 安全を保証するんでしょ!?』


 しょうがない。


「【かいとう】、【ぼにゅうせいせい】」


 血を俺に塗りたくって、と。


『な、なにやってるの?』


 いや、これなら俺が先に喰われるだろ?

 そうしたら俺の前でエキュリソーが危険な目に遭う事はない。


『なによそれ! 結局助からないじゃない!』


 いや、約束は守ってるし。


『詭弁よ! 詐欺よ! 訴えてやる!』


 ここから無事に抜け出せたらな。


『死にたくなあああい!!』


「っ#######!!」


 えっ誰?

 誰か来た。


『だ、誰だか知らないけど助かったわ……』


 そこのご老人。

 随分とお強いではありませんか。


『聞こえてないわよ?』


 まさか手も使わずに狼たちを追い払うとは。

 誠に感服でございます。


『聞こえてないわよ?』


 して……、その念力のような面妖な力をご教授頂きたいのですが……。

 もちろん、ただとは言いません。

 私めにできる限りの御礼はさせて頂きます。


『聞こえてないのはコイツの方だったか』


 うるさい!

 今の見ただろ!

 狼が宙に浮いたぞ!

 思考だって読まれてるかもしれんぞ!

 うわっ、こっち来た!


『多分大丈夫だとは思うけど……、優しそうだし』


 今、油断したね?

 油断は命取りだよ?


『いや、この人上等そうな服着てるし、なんか神官みたいじゃない?』


 邪教徒かもしれない。

 きっと生贄にされるんだ……。


『あなた被害妄想が強いタイプね』

敵か!

味方か!

どっちだ!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ