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間違いなく街

 さらに数日が経過した。

 私たちは野営を繰り返しながら街道を進み、ついに街へと辿り着いた。


「ここはササショセの街って言うそうですよ」


「言いづらいわね……」


 この街は冒険者の街と言われるほどギルドが豊富にあるらしい。

 実際、街の住人にはレザーの防具などを着ている人かちらほらいる。

 大通りを歩く限りでは武器の屋台もあった。

 少し物騒だが、それもまた冒険者が多いことの特色なのだろう。


「僕らはこれから冒険者組合に行く。エキュリソー、君にも着いてきて貰いたい」


「そこで冒険者としての登録をするのね」


「うん。……本当に僕らのギルドでいいのかい?」


「むしろこっちからお願いしたいくらいよ」


 最悪、全員殺してまた新しくギルドに入ればいいし。

 私がそう言うと、全員の精神が波立った。

 しかしこれは歓喜の波だ。

 新たな仲間に歓喜している。

 理解できない。


「冒険者組合へはリーダーのランヴェルと新規加入のエキュリソーがいればよいのだろう? ワシはこの街を探索してこようかのぉ」


「仙孤ちゃん一人じゃ迷子になりますよ! 私も行きます!」


「じゃあエキュリソーさん。組合に行こうか」


「あ、はい」


 冒険者は基本的に冒険者組合に所属している。

 というか、普通のギルドは冒険者組合に登録しなければまともな仕事を受けられない。

 冒険者組合に登録していないのは大手の冒険者ギルドか、あるいは犯罪者だろう。


「それにしても、随分と人が多いわね……」


「本当にそうだね。そこまで住人は多くないと聞いていたんだけどな……。ちょっと聞いてくる」


 ランヴェルさんはそう言って近くの人を呼び止め、何かあったのか聞いた。


 すごい行動力。

 まるで馬鹿だ。


 住人が言う所によれば、最近とんでもない物がこの街で発売されたらしい。

 なんでも、板状の魔導具らしい。

 それがあれば、どれだけ遠くにいても会話ができるそうだ。

 さらにその他にも様々な機能があるという。


「えぇっと、名前はなんだったか……。すら、すな……」


「「スマートフォン」」


「おお! それそれ! なんだ、知ってるんじゃないか!」


「いや……、いや、ありがとう」


「いいってことよ! あ、ちなみにスマートフォンはスマホって省略して呼ぶのがかっこいいらしいぜ! じゃあな!」


「ああ、うん……。ありがとう」


 随分と陽気なお兄さんはそう言って去っていった。

 彼のポケットにもスマホが入っていた。

 中世風の服に似合わない、現代のオーバーテクノロジーが。


「なんで、スマホが……」


「これ、夢かしら……。ちょっとほっぺたつねって……」


 ランヴェルさんは私のほっぺたをつねり、私もランヴェルさんのほっぺたをつねった。


 夢じゃない、現実だ。


 このイカれた光景は現実に起きている事実だ。


 認識したら確かにそうだ。

 気が付かなかったが、ほとんどの住人がスマホを持っている。


「スマホが……、こんなに普及している……!」


 ランヴェルさんも気が付いたようだ。

 異常だ。

 そもそもどういった原理なのか。

 収斂の先にスマホと近似しただけなのか……?


 いや違う。


「そうよ。最も異常なことがあったわ……」


「エキュリソーさん……?」


「あの人、日本語を使ってたわよ」


「!!」


 彼だけじゃない。

 聞こえる言語の全てが日本語だ。


 ノイアルルだ。


 【龍玉】の力だ……。

 間違いない。

 しかし、どうやって……。


「不気味だが、どうしようもない。スマホが住人に害を与えているようには見えない。放って置くしかないだろう」


「なぜ、なぜ……」


 なぜ、ノイアルルはスマホを普及させようとしているの……?

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