レベルアップ!
六話です!
前回は突然しんみりしましたね!
眠いよぅ。
『赤ちゃんは寝るのが仕事ですよー』
分かってる。
体は寝てるんだよ。
『なんで毎回こうなるんだろうね』
絶対にお前の【能力】が悪さしてるだろ。
意識だけずっと繋がっててさぁ。
エッチな事考えられないじゃん。
『結構考えてるけど』
腹減ってきたなぁ。
『そんなの言ったって私たちには母乳を生み出す能力はないんだから……』
!?
「【きょしょく】、【ぼにゅうせいせい】」
『これで発動できるの!?』
おおっ、空中に赤い何かが!
『赤いと言うか、赤黒いというか』
あ、消えた。
「【ほぞん】」
『それいる? 飲めるの?』
幻影だから飲めない。
『いらなっ』
でもレベルを上げたらもっとマシになるかも。
『どうやって上げるの?』
使いまくる。
『……母乳を生み出す能力があったら良いのに』
「【きょしょく】、【ぼにゅうせいせい】……、【ほぞん】」
『……母乳を生み出す能力があったら良いのに』
「【きょしょく】、【ぼにゅうせいせい】……、【ほぞん】」
『……母乳を生み出す能力…………』
「【きょしょく】…………」
『母…………』
「【きょ…………」
〜〜四時間後〜〜
「【きょしょく】、【ぼにゅうせいせい】……、【ほぞん】」
お?
おお?
レベルが上がった!
『はあ……、はあ……、疲れた……』
もう一回だけ頼むわ。
『……母乳を生み出す能力があったら良いのに』
「【きょしょく】、【ぼにゅうせいせい】」
赤黒い何かが……、触られる!
やった!
成功だ!
「【ほぞん】」
保存数も上がってる!
『ちなみに、それって飲めるの?』
「【かいとう】、【ぼにゅうせいせい】」
うーん……。
血の味がする。
『駄目じゃん!』
不味いけど、栄養にはなるんじゃない?
『ううっ……、どうしてこんな目に……』
大体俺の所為。
『大体じゃないわよ。全部よ』
飲まんと死ぬかもしれんぞ。
『しょうがないわね……。うっ……不味い』
血の味がキツイよな。
『なんであなたは上級者目線なのよ』
てかさぁ。
めっちゃ話変わるんだけどさ。
『なに?』
月、多すぎない?
『ええっと……、七つあるわね』
家にいた頃は天井で全く見えなかったけどさ、ここってやっぱり地球じゃないんだなって。
『でもこの月、変じゃない?』
なにがさ。
『だって全部が満月なのよ? どれか一つが欠けた月でもおかしくないと思わない?』
確かに。
『でも、調べる方法もないのよね。望遠鏡もないし』
レベルアップしたら分かるかも。
『レベルアップ? さっきみたいな?』
さっきのは能力レベル。
もう一つ、基礎レベルってのがある。
そっちのレベルが上がると、全能力が上がる。
視力だって上がるだろうし、レベルを上げまくればいつか月に手が届くかも。
『そのレベルはどうやって上げるの?』
特定の希少な物質に触るとレベルが上がる。
『その物質は?』
分からん。
『え?』
いや、文字らしき物は浮かんでくるのよ。
でも俺の知ってる文字じゃない。
日本語でおけ。
『……言葉、覚えなさい』
こいつら生き残れなくね?
どうしよう。