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この帝国、お嬢様のとこじゃない?

一話

 旅を行っている三人に付いてから数日が経過した。


 私たちは街に辿り着いた。

 その間、彼らは私を介抱した件について何も話さなかったし、私もなぜノイアルルに裏切られた後に遠く離れた場所で倒れていたのかを話さなかった。

 どうやらここは帝国領の外れ。

 帝国と聞いて私は一つ思い至ることがある。


 あ、お嬢様の亡命元じゃない?

 確かあそこもクーデター的なのが起きてたような……。

 あれから十五年か。

 どうなってんだろう。

 っていうか、私の出身もここよね。

 親に会ってみようかしら。


「あ、スバルちゃん。スープできたわよ」


 現在、私たちはキャンプをしている。

 キャンプと言ってもよく想像する物ではなく、いわゆるガチのキャンプ。

 つまり、野営だ。


「あ、ありがとうございます! こっちもテントを張り終えました!」


「ふぅ……。ランヴェルさんはまだ薬草を探してるの?」


「はい! ランヴェルは野兎とかの動物を獲りたいって言っているんですけどね」


「ふふっ、頼もしいわね。ランヴェルさんは猟師の家に転生したんだっけ」


「そうですね! 私とは同じ村の出身で……。私は普通の村娘ですけどね」


「幼馴染って奴ね」


 なんか新鮮。

 こんなにのんびりした経験はほとんどないから。

 よく考えたら女子トークってしたことなかったし。


「それで……、ノイアルルという人とはどのような関係なんですか?」


「双子の弟よ」


「へぇ~! 弟さんなんですか……。あの、寂しくないですか?」


「へっ?」


 寂しい。

 それは何だろう。

 というかどういう事だろう。

 弟だから寂しい?

 どうなんだろう。


「よく分からないわ」


「あの、弟さんをこ、殺すんですよね。えっと、大丈夫ですか?」


「え」


 もしかしてこの子……、私の精神が病まないか心配してる……?

 いい子!

 なんていい子!

 優しい!

 ノイアルルからは考えられない!


「大丈夫よ。今考えたらあいつ、よく私を殺そうとしてたし」


「よく……? そんな頻繁に?」


「まあかなり。多分どさくさに紛れて私を殺そうとしてたわ。ふん、ざまあみろ。私は生きている!」


 多分、龍王を殺すまでは本気じゃなかった。

 でも、龍王を殺したなら私は用済み。

 だから殺したんだろう。


 生きてるけどね!

 ざまあ!!


 危ない、口調が荒くなっていたわ。

 もうちょっとお淑やかにしないと。


「スバルちゃん。私は淑女になるわ」


「え、急に!? えぇ……、まあ、えと……。が、頑張ってください!」


 やる気出てきたな。

 私はやってやる!

 ノイアルルぶっ殺して淑女になってやる!

 やるぞ!!

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