魔導王の残火
そういえば聖歌隊って聖王の所か。
エキュリソーに会うためには聖王の敷地に入らなきゃいけねぇって事ね。
最高か?
「最悪だよ!」
エキュリソーめ……。
なんで聖歌隊なんて入ったんだよ。
せめて魔導騎士だったらなぁ……。
「#####」
そうそう、こんな感じの。
鎧着て剣を握ってたらなぁ……。
【龍装】片手にさあ……。
目の前にいる奴みたいに。
ん!?
あれ、こいつ魔導騎士じゃん。
龍王が俺にけしかけたのか?
「#####」
いや、シンプルに魔導王をぶっ殺した俺への復讐っぽい目をしてんな。
じゃあ魔道王が殺される前に来いよ!
いや、龍王が邪魔してたのか。
あれ?
じゃあ今は龍王の精神操作が効いていないってことは……。
「あのやろぉ……。俺に邪魔されたくないからって、精神操作を解きやがったな……?」
「【####】」
ヤバいな、この【龍装】。
明らかに危険な色してる。
エキュリソーがいればなぁ……。
適当な【能力】を作れんだけど……。
「仕方なし。【解凍】、【母乳生成】。母乳ソード!」
相手も剣使い。
そんなら話は早いぜ。
打ち合いじゃ、あ……?
「母乳ソード?」
母乳ソードが母乳ソードにならない!
固形としての存在が保てない!
やばッ!
「グッ……。【解凍】、【母乳生成】、傷を塞げッ……」
な、なんだ……、この剣……。
血が、血が止まらねぇ……!
ヤバい、これはヤバい!
【母乳生成】で補える血の量を遥かに凌駕しているッ!
「####」
「なに、言ってんのか、わっかんねぇよ!!」
よし、逃げよう。
絶対に射程距離がある筈だ。
そもそも無制限に使えるならこいつも逃げてるはず。
「あばよ。俺は体内に入れた母乳で空も飛べる。じゃあな。これから俺はこの国で革命を起こす。俺が次代の王だ!」
ふははははは!!
その剣じゃこんな上空まで届かねぇだろ!!
ん?
なんだ?
剣を振りかぶって?
投げたか。
「ゴホッ……。く、くそ……。母乳は素早く動けないんだよ!」
まあいい。
ただの悪あがきだ。
だがこいつは強いな。
俺がこの国を支配した暁にはこいつを俺の側近にでもしてやろう。
エキュリソーは……、駄目だな。
あいつは駄目だ。
「剣は貰っていくぞ!! まだ聖王と龍王をぶっ殺さなきゃあいけないんだからな!!」
聖王の事はよく知らないが、生かしておく事もできないだろう。
成り行きとはいえ、革命を起こそうとしてるんだし。
なんで革命を起こしてるんだっけ。
龍王の所為か。
全部あいつが悪いな。




