龍王はバカ
四話だと思う。
「……さて、そろそろ休憩にしよう」
「きゅうけい……? 休憩、休憩って言った!?」
「……ああ、休みという意味の休憩だ」
マジか……。
休憩させる気があったのか……。
「休憩させる気があったのか……。あ、心の声が」
「……このまま実験を続ければお前は死ぬだろう。それは困る」
「俺に何をさせる気だ?」
「……休憩だ」
はぐらかされたな。
まあ休憩させてもらえんなら有り難く受け取ろうかな。
どこで休憩するんだろ。
ってか何をするんだろ。
「……今から娼館に行ってもらう」
「なるほ。そんな所で休憩できるわけねぇだろ!」
「……関係ない、行け。……お前に専属の従者をつける。……そいつについていけ」
「龍王は来ねぇのか」
「……お前に近付く訳がないだろう。……そもそも俺は言語を司る。……どれだけ離れていようが会話は可能だ」
娼館、娼館ねぇ……。
女に興味ねぇんだよな……。
男にも興味ねぇけどな。
なんで娼館なんだ?
「……娼館はすぐそこだ。……さっさと歩け」
「仕方なし。おい、従者。俺を案内しろ」
「……」
「序列が決まったな。俺>龍王>従者だ。」
「……俺>お前>従者だろ」
龍王が何か言っているが、気にしない。
こういうのは気にした方が負けだ。
娼館。
なるほど、これが。
確かに効果的だ。
面白い。
「脳内麻薬、か」
「……脳内麻薬? ……なんだそれは」
「快楽などの影響によって脳内の報酬系に影響するドーパミンやβ-エンドルフィン、その他の神経伝達物質の総称。性行為でもそれは分泌される」
「……ほう」
「どうやら、よほど洗脳が解かれることを危惧しているらしい」
「……ああ、そうだ。……たとえ俺の【龍玉】が機能しなくなっても、依存性を蓄えるために娼館を作った」
ははっ!
それで娼館か!
龍王は全く【龍玉】を活かせていないな!
俺ならもっと効率的にドーパミンを分泌させられる!
やはり【龍玉】に相応しいのは俺だ!
「……しかし、その脳内麻薬という言葉。……その知識をどこで手に入れた? ……言葉自体は翻訳の影響で異なるかもしれないが、それ自体の意味を知らなければ使えないはずだ。……どこで意味を手に入れた?」
「え? ああ。俺、転生者だから」
「……転生者」
「ああ。異世界から生まれ変わった人間。そこはこの世界よりも文明が発達していてな。色々なことを知れる」
しかしやはり文明レベルが低いな。
強すぎる力を持った所為か?
地球の人間はあまり強くないから知識が発達した訳だからな。
やはり龍王はバカって事か。




