クズが権力を持ってはいけない
高等部も卒業、か。
この学院にも世話になったな……。
『嘘つけよノイアルル。あなた在学中にちゃんと授業受けていないでしょう』
2、3回はあるだろ。
『11年も在席してそれなのに、よく中退にならなかったわね』
テストは頑張ったからな。
Lv.3になって能力も大幅に強くなった。
カンニングなんて余裕のよっちゃんさ。
『知ってるけど……、本当に納得できない』
お陰様で主席卒業だぜ?
最高だな。
『私は自力で主席になったのに』
だって俺は言葉分かんねぇし。
解けるのは数学くらい。
アラビア数字を使えば答えられる。
この世界の数学がレベル低くてよかったよ。
『それ何回も聞いた。自慢しないで』
お、そうか?
もう一回聞かせてやるよ。
『いやああ!!』
そこまで嫌がらなくても……。
「######」
ん?
なんだ?
『多分あれよ。騎士推薦』
ああ〜!
騎士になれってやつか!
主席だもんな。
「######」
『ふむ……。どうやら、騎士は騎士でも魔導騎士の推薦みたいね』
魔導騎士?
なんじゃそりゃ。
『その名の通り、魔導具を使う騎士らしいわ』
魔導具ってなんだ?
『授業でやったでしょ』
クソが。
これだから言語至上主義は……。
『なにそれ。まあ魔導具っていうのは龍のエネルギーを使った道具ね。通称【龍装】』
通称【龍装】。
韻を踏んでるな。
『クソどうでもいい。11年前にダンジョンで彷徨ったでしょ? あの時に冒険者が持ってたのも魔導具よ』
【龍装】じゃないのか?
『基本的に騎士が扱う魔導具を【龍装】って言うそうよ』
なるほど。
で、その魔導騎士からお誘いが来ているってわけか。
『魔導騎士はかなり権力が強いわよ。なんせ、魔導王直属だもの』
あー……。
そういう繋がりか。
納得。
『まあ私としては魔導王よりも聖王に付きたいけど』
聖王のポストってどうなんだ?
『聖歌隊とかね』
歌、歌えんの?
『いや、普通に神父様からのコネで入るわよ』
聖歌隊に?
『聖歌隊に』
まじか……。
『聖歌隊を馬鹿にしないでちょうだい。基本的に上の役職、例えば枢機卿とかは皆が聖歌隊出身なのよ? 絶対に何らかの不正が働いてるわ。これに乗らない手はないでしょう』
なるほ。
まあ俺は普通に魔導騎士に入団しようかな。
言語が通じなくてもボディランゲージでなんとかできそうだし。
『脳筋。……それじゃあこれでしばらくの別れね。お互いに寮生活でしょうし』
寂しくは……、ならないな。
思った以上にならない。
驚きだよ。
『まあ今生の別れでもないから。正直に言うと、私も清々しいって感情しか湧かない』
あ、それいいな。
俺が先に言ったことにするぜ。
『は? 無理だが? 殺すぞ』
ひゅ〜!
こえ〜!
解散します




