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人間は既に迷っている

 ダンジョンとは、迷宮構造をした建造物である。

 その実態は謎に包まれており、建造物とは言いつつも自然形成されたという説も有力視されている。

 多くのダンジョンは地下に埋まっており、地底人の住処だったという説も有力視されている。

 石造りの内装だがやけに硬いため、古代文明の名残ではないかという説も有力視されている。

 中には魔物と呼ばれる生命体がいるため、ダンジョンも生き物であるという説も有力視されている。

 ダンジョンを攻略すると人知を超えた力を手にするため、神からの試練であるという説も有力視されている。

 つまり、何も分かっていない。


『ダンジョン丸分かり!』より引用




 ダンジョン準備その一

 食料を確保する。


『これは課外授業なので、食料は現地調達してもらいます』


 ダンジョン準備その二

 必要な道具を準備する。


『必要物品は学院側で用意します』


 ダンジョン準備その三

 内部構造を調べます。


『ダンジョンの情報はほとんど出回っていません』


 ダンジョン準備その四

 遺書を書きます。


『可哀想に』


 お前も来いよ。

 道連れにしてやる。


『行かないわよ』


 お前がいれば生存確率も高くなるはずだ。

 あと俺が死ぬのにお前が生きているのがムカつく。


『言う順番は逆の方がオススメよ』


 まあまて。

 メリットを示そうじゃないか。


『メリット? 死ぬ危険があってなおどんなメリットがあるって言うの?』


 エキュリソー、さっきお前が読んだじゃないか。

 ダンジョンを攻略すると人知を超えた力を手にするってさ。


『そんなものを信じろと? 馬鹿げてるわ』


 信じずに俺が人知を超えた力を手にした場合を考えた時、お前はそれを許さない。


『よし、ダンジョンに行きましょう』


 じゃあ準備だな。


『できないわよ』


 隠せばいい。

 バレなきゃ犯罪じゃないだろ?


『くーず』


 まあ武器がいるな。

 暗器を手に入れよう。


『あとは食料ね。現地調達は現実的じゃないわ』


 ダンジョン攻略と言いつつも実質ベリーハードなキャンプで、攻略は求められてない。

 多分学院側は全員殺す想定ではないはずだ。

 重要なのは学生に差別意識を持たせる事。


『全員死んだら戦争まっしぐらだものね。死なない程度には抑えてくれるんじゃないかしら?』


 それが重鎮の子供とかだったらな。

 俺らは多分普通に死ぬ。

 それに俺は攻略を目指しているからな。


『飛んで火に入る夏の馬鹿』


 馬鹿に引かれて地獄参り。

 だってダンジョンを攻略しようとしない限りお前を道連れにできない。


『まあそうだけど』


 その場合、逆に生存確率が下がるだろう。

 コミュニケーション取れないし。


『言葉覚えろ』


 とにかく、方向性は定まったな。

 じゃあ、準備を始めようか。

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