【虚飾】、発動!
なんとか三話
下ネタ注意
母乳うめっ、母乳うめっ。
『きっっっっっしょ』
何だ?
嫉妬か?
別に俺はおかしな事をしてないだろ。
『いや、行動は至って普通の授乳だけど、思考は至って異常な赤ちゃんプレイなの』
赤ん坊が母親のおっぱいを美味しいと思って何が悪いんだ。
『きっっっっっっっっっっっっしょ。あなたを叩ける能力があれば良かったのに……』
!?
『どうしたの?』
「【きょしょく】、【たたく】」
うおおおおおおおおお!
唸れ!
俺の【能力】!
お?
幼稚園児が書いた足の絵みたいなのが現れて?
おおっ!
俺に向かって振り下ろしてきた!
全然痛くない!
『叩くじゃなくて蹴るじゃない!』
Lv.1じゃあこんなもんか。
『レベルってなに!?』
俺の【能力】、【The Destroyer777 Type:Volcano Ver2.6】の影響で、俺にはレベルの概念があるんだ。
『なんて?』
【The Destroyer777 Type:Volcano Ver2.6】だ。
『意味は?』
ない。
『ないの!?』
はあ、なんも起こらなかったな……。
凄い顔で見てくる母親を除けばなんも起こらなかったな……。
『なんでおっぱい飲んでいる時に【能力】を使うの!? お母さん固まってるわよ!』
しょうがない。
【能力】の発動条件を満たしたなら使いたいと考えるのは当然の事だ。
「########!!??」
なんか言ってる。
『驚いているわね』
それはなんとなく分かる。
「#########!!!」
『お父さんを呼んだわ』
うおっ!
ベッドに戻されるっ!
嫌だ!
まだおっぱいの中に居たい!
『きっっっっっしょ!!!!』
母親はなんも言ってないぞ。
『翻訳じゃなくて本音よ』
うう……。
母親がドアの向こうに行ってしまった……。
きっと屠殺場に送られて、そこでこの人生が終わるんだ……。
『怖っ! そんな事にはならないから!』
いや、観測しない限りそれは分からない。
シュレディンガーの屠殺場だ。
『シュレディンガーの猫を履き違えているような奴は屠殺場でぶっ殺されればいい』
何が?
猫踏んじゃった?
『やかましい』
あ、母親が戻ってきた!
父親もいる!
わーい、お父さーん、お母さーん。
僕は屠殺場に送られるの?
『頭の中で言ったって伝わらないでしょ』
いや、俺と両親は心で繋がっているから。
「########」
『◯◯に行こうって言ってるわ。どこかしら、この単語は聞いたことないわ』
なるほど。
屠殺場か。
『その可能性を否定できなくなった……』
短い期間だったけどありがとう。
一緒に来いよ。
双子だろ?
生まれる所が一緒なら死ぬ時も一緒だ。
『嫌だ! あなただけで行って!』
でも両親はお前も連れていきそうな雰囲気だぞ。
『嫌だああああああ!! 助けてええええええ!!!』
Q.どこへ行くんですか?
A.知りません。