異端審問
十三話、####################。
お父さん、お母さん、俺は今、大人に囲まれています。
異端として屠殺場に送られそうです。
最後に一つだけ。
産んでくれてありがとう……。
『死にたくない』
この騎士たち狼の群れに全く怯んでなかったし、ヤバいか?
『助けて』
しょうがない事だ。
そういう日もある。
『嫌だなぁ』
しょうがない事だ。
そういう人生もある。
『それ慰めの様に見えて、実はただの諦めだよ?』
しょうがない事だ。
そう思われる事もある。
『繰り返さないでくれない!? バグったプログラムかよ!』
大丈夫だって。
このくらいのピンチ、何度も乗り越えて来ただろ?
『乗り越えてないのよ。たまたま流れに乗っかれただけで』
揚げ足取るの、やめもらっていいですか?
『お? またやるか? 負け犬の癖によくやるぜ』
は?
負けてないが?
休戦しただけだが?
『はい、言い訳――』
「#################」
お嬢様だ!
『ひれ伏せ!』
お嬢様はなんと?
『確かにこの者達は◯◯の◯◯だったかもしれない』
「########################」
『けれども、この勇敢な赤子が私の命を救ったことも、また事実だ』
いつの間にお嬢様の命を救ってた!?
「################」
『最終的にあのデカ狼を倒したのは私だ』
「##################################」
『だが、この赤子が時間稼ぎをし、更には隙まで作ったからこそ、私は無事に生きている』
「##########」
『だから皆、落ち着いて欲しい』
「##########################」
『この赤子は◯◯の◯◯かもしれない。しかし、私と同じで◯◯に◯◯をするかもしれない』
新しい用語が出てきたか?
『そうね』
「#################」
『私は、赤子を◯◯したくない』
殺される?
『お嬢様に私たちの命運が掛かっているわ』
!?
お嬢様!?
なんで頭を下げているんだ!?
そいつらは部下だろう。
上司らしく頭を上げたままでいいだろうに。
『どうやら本気で私たちを助ける気みたいね』
いい人と言うか、人がいいと言うか、お嬢様ってよく分からんなぁ。
『下民がお嬢様のお心を完全に知ることはできないわ』
それもそうか。
お嬢様ばんざーい!
『お嬢様ばんざーい!』
お嬢様ばんざーい!
『お嬢様ばんざーい!』
でも、助かったとしてどうする?
『まあ、行く当てもないものね』
「###############」
『え?』
お嬢様はなんと?
『え? いや? 本当に? それ本気で言ってることなの?』
な、なんて言ったんだ……。
『なんか、お嬢様の子供にするって』
……………………え?
そろそろ赤子編、終わりにしようかな?
異世界系で赤子を長々とやる人あんまりいないですし。