未来の話
十一話?
一旦、休戦しよう。
『……そうね、終わりが見えないわ』
いや普通に、頭の中で繋がってる相手とレスバすんのはキツイ。
不毛な戦い過ぎる。
『はぁ……、お嬢様がすごい目で見てるわよ?』
さっきまで滅茶苦茶泣いてたからな。
『恥ずかしいわ。お嬢様の前で』
「#######」
『お嬢様が心配してくれてるわ』
笑顔で安心させよう。
「「二パアッ!」」
「######」
『お嬢様も喜んでいるわ』
よし。
ミッションコンプリート。
『で、この集団は一体なんなのかしら』
お嬢様が一人。
メイドさん、執事さん、神官さまが一人づつ。
騎士が18人。
分からん。
『ユニコーンを忘れてるわよ?』
そうだった。
この不思議生物なんなんだ?
『ユニコーンでしょ』
いやさ、人間は地球の姿とほぼ一緒じゃん。
けど、なんでユニコーンなんて生まれるのかなって。
うまだけに。
『……収斂進化じゃないの?』
例えばさっき、お嬢様を安心させるために笑っただろ?
『そうね。別におかしな所はなかったと思うけど』
いや、おかしい。
笑顔が良いものである、という価値観はあくまで地球由来のものだからだ。
『偶然じゃない?』
他の感情変化も大体似たりよったりだ。
両親が俺たちを置いていったときの苦虫を噛み潰したような顔も、神官さまが俺たちを見つけたときの悲しそうな顔も、それは全て地球人の価値観だ。
それにユニコーンがいることがそもそもおかしい。
『ユニコーンがいるのは異世界だからでしょ?』
なんで異世界の生物に関する知識を俺たちが持っているんだ?
白馬の頭に角が付いてる、なんて典型的なユニコーンが異世界にいるんだ?
『それは……、確かに?』
それに本来のユニコーンは角の生えた白馬じゃない。
様々な動物の特徴が合わさったキメラだ。
だが、こいつはそうじゃない。
『つまり?』
現代の知識を持ってる奴が品種改良した結果、このユニコーンが生まれたのではないか。
『うーん。説としては筋が通っているように思えるけど、証拠がないわね。今の段階ではただの妄想よ。これが収斂進化の結果であるとした方がまだ説得力がある』
ま、そうだな。
『でも面白い仮説ね。この人生でそれを研究してみてもいいかも』
そうなると、考古学か?
『生物学でもあるんじゃない?』
うーん……、まあまずは大人にならんとな。
『確かにそうね。大人になる前に死んだら元も子もないわ』
転生前は子供に戻りたかったけど、戻ったら戻ったで制約も多いな。
『でも子供から始められるのは凄いメリットよ? 何事も早く初めて悪いことはないもの』
確かに。
取り敢えず、巡り巡った事に感謝するかな。
一向に話が進まねぇ。
先が決まってない所為です。
ごめんなさい。